昨日、サッカーW杯の日本代表メンバーが発表されましたね。
ハリルホジッチ前監督がW杯直前に解任されたり、その理由の説明がイマイチ納得できないものだったり、だからこそ「スポンサーの意向」が働いたんじゃないかという説がでてきたり、とかいろいろあったので、いつもと比べると盛り上がりに欠けている印象があります。
私の場合は、ウエイトトレーニングをしっかりやっているサッカー選手が少ないという風潮から、冷めてしまっている部分も若干あるのですが・・・。
そのぶん、ウエイトトレーニングを取り入れて、正しい努力をしているサッカー選手には、是非とも活躍してもらって、いい思いをしてもらいたいと心から願っております。
前回のブラジルW杯のコンディション調整の失敗
さて、もうすぐサッカーW杯だな〜という実感が少しずつ湧いてきたこの時期、ふと前回のブラジルW杯のことを思い出しました。
一般のサッカーファンの方にとっては、グループリーグ敗退で期待を下回る結果に終わったくらいの記憶しか残っていないかもしれません。
しかし、私にとってもっと印象に残っているのは、W杯直前のコンディション調整の拙さでした。
この点については、当時のブログでも取り上げたので、興味のある方や思い出したい方は、以下の記事を読んでみてください。
- #198 サッカーW杯の報道に関連した話題
- #199 サッカーW杯に向けてのコンディショニングに関してのフェルハイエン氏のツイート
- #206 サッカーW杯直前の準備期間におけるコンディション調整の不備について改めて考えてみる
- #207 超回復理論 vs. フィットネスー疲労理論
- #208 「ハイテクトレーニング」と「科学的トレーニング」を混同するな!
前回のブラジルW杯では、ピーキングが大失敗したと私は考えています。こんなこと言うと怒られそうですけど、サッカー協会内部の方も、ブラジルW杯敗退後に「コンディション調整の失敗だった」というコメントを残されています。
この失敗の責任は、当時の日本代表でコンディション調整を担っていたスタッフ陣にあるはずです(特に、練習・トレーニングのスケジュールを決める権限を持っていた監督の責任が大きいと思います)。べつに、日本サッカー界全体の問題というわけではないでしょう。
しかし、サッカー界に限らず、ブラジルW杯でのコンディション調整失敗パターンは、ピーキングで失敗をする典型的なパターンであり、他の競技においても、日本代表に限らずあらゆるレベルで目にするものです。
したがって、世間の注目の高い「サッカー日本代表」という実例を通じて、失敗につながるコンディション調整のパターンを学んでおくことは、非常に意義のあることだと思います。上記の一連のブログを書いたのも、同じ間違いを犯すアスリートやチームが減ってほしいという想いがあったからです。
また、重要な大会に向けてのコンディション調整という、まさにこのテーマについての本も書かせていただきました。
前回のブラジルW杯の前に、日本代表のコンディション調整を担っていたスタッフ陣がこの本を読んでいれば、結果はまったく異なったものになっていたはずだ、と自信をもって言えるだけの作品に仕上がっています。
できれば、今回のロシアW杯に望む日本代表のスタッフの方々にも読んでいただきたいくらいです。ま、あまりにも直前すぎて、そんなことしている余裕なんてないと思いますが。
まとめ
今回のサッカー日本代表のコンディション調整のやり方はどうなのか?を検証したいのですが、なんだかメディア自体も盛り上がりに欠けているようで、前回と比べて情報量が圧倒的に少なく、検証しようがありません。
前回の失敗から学んでいただき、適切なコンディション調整をしていただければ、もしかしたら前回よりも健闘する可能性が高いんじゃないかと個人的には考えています(コンディションの良し悪しをはるかに凌駕する実力差がない限りは)。
サッカー日本代表のスタッフではなくても、監督やコーチ、S&Cコーチという立場で、アスリートやチームのコンディション調整の責任を負う立場にある読者のみなさんには、是非とも拙著「ピーキングのためのテーパリング −狙った試合で最高のパフォーマンスを発揮するために−」を読むか、私のセミナーにご参加いただき、コンディション調整についての知識や理解を深めていただければ。
動画 ピーキングのためのテーパリング
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【編集後記】
S&Cコーチ向けの論文の読み方入門セミナーの構想を考えており、マインドマップを使ってアイデア出しをしています。どんどんアイデアが出てきてしまい、とても3時間ではカバーしきれそうもありません。入門セミナーでは、ここからベーシックなものに絞ってお話をして、その後、ニーズがあれば、上級セミナーのような形で、数回シリーズですべてをカバーするのが良いかな〜と考えています。