
先日、以下のようなX投稿をしました:
「科学的に正しい〇〇」とか「科学的に最強の〇〇」みたいな表現は、科学を学んだ専門家から言わせると「そんなモンあるわけねえだろ、ふざけんな💢」というレベルのものです。そんな表現を使う人は科学のことをわかっていないか、正しさよりも金儲けを選んだんだろうと思います。気をつけましょう。
— 河森直紀 Naoki Kawamori (@kawamorinaoki)
この投稿を見て「なぜ河森はそんなに怒っているんだ?」と不思議に思われた方もいるかもしれません。
そこで、今回のブログでは、なぜそのような表現がダメなのか、深堀りして解説します。
「科学的に正しい〇〇」とか「科学的に最強の〇〇」みたいな表現の問題点
科学は「これが正しい〇〇だ」とか「これが最強の〇〇だ」なんてことを証明することはできません。
科学ができることは「現時点での最善」を説明するくらいのものです。
日々新しい研究が報告されており、この「現時点での最善」は常にアップデートされています。
また、何が「現時点での最善」であるかは、目的や状況によっても変わるし、個人差も影響します。
それにもかかわらず、「正しい」とか「最強」と断言するのは科学の本質に矛盾しているのです。
大学院等で研究者としての訓練を受けた人であれば、そんなことは理解しているはずです。
それにもかかわらず、そんなことを断言してしまう人は、科学のことを全然わかっていないか、わかっているのにあえてマーケティング目的で誇張表現を使っているかのどちらかです。
どちらにしても、とても不誠実な態度であり、私としては「ふざけんな💢」と思ってしまうのです。
「科学的知見に基づいたトレーニング」という表現もダメ?
とはいえ、「現時点での最善」である科学的知見を参考にしながら、目の前の目的・状況・アスリートに合わせて最適なトレーニングを提供しようと努力するのが重要であることは間違いありません。
私もS&Cコーチとして「科学的知見に基づいたトレーニング指導」を実践していますし、ブログやSNSを通して啓蒙をしている立場でもあります。
それを否定しているわけではありません。
ただし、「現時点での最善」である科学的知見は、あくまでも判断材料の1つにすぎません。
それだけで正しいトレーニングや最強のトレーニングが自動的に決まるわけではありません。
科学的知見の取り扱いはなかなか難しいもので、まともな専門家であれば細心の注意を払って取り扱っているはずです。
それなのに、「科学的に正しいトレーニング」とか「科学的に最強のトレーニング」みたいな誇張表現を金儲けのためにテキトーに使われると、「ふざけんな💢」となるわけなんですよね。
まとめ
冒頭で紹介したX投稿を見て、「河森は科学的知見に基づいたトレーニング指導を提唱しているはずなのに、なぜ『科学的に正しい〇〇』とか『科学的に最強の〇〇』という表現に対して怒っているのか?」と不思議に思われた方もいるかもしれないので、詳しく解説をしてみました。
論文を読んで「現時点での最善」である科学的知見を仕入れ、それを判断材料の1つとして使って、目の前の目的・状況・アスリートにとって最適なトレーニングとは何かを突き詰める。これは重要です。
とても難しい作業ですが、まともなS&Cコーチは日々実践しています。
それなのにマーケティング目的で、科学を権威として乱用するような誇張表現を使ってくれるな、という怒りでした。
読者の皆さんも、「科学的に正しい〇〇」とか「科学的に最強の〇〇」みたいな表現を使っている人を見たら、怪しみましょう。
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【編集後記】
WBC視聴のためにNetflix契約したんですが、日本は準々決勝で負けてしまいましたね。
とりあえず1ヶ月で解約するつもりですが、せっかくなので解約までの間に他の作品も見ようかと思います。
イクサガミはすべて見ました。
次は地面師かな?