Core stabilityという能力(=体幹部の剛性を高める能力)はパフォーマンス向上や傷害予防のために重要と考えられ、この能力をトレーニングするためのエクササイズもたくさん存在します。
それらのエクササイズの分類法についてよくまとめられているブログ記事を読んだので簡単に紹介したいと思います。
How to Fit Core Stability Exercises into Strength and Conditioning Programs
Core Stability エクササイズの分類
① Anterior Core Stability Exercises
腰椎の過伸展を防ぐ(抵抗する)能力をトレーニングするエクササイズ群(矢状面の動きのコントロール)。別名anti-extension exercises。
具体例としては、フロントプランク(またはフロントブリッジ)のような初級のエクササイズからリバースクランチ、スタビリティボールロールアウト等の難易度の高いエクササイズまでがある。
これらのエクササイズの説明とデモに関しては以下のビデオがオススメ。
② Posterior Core Stability Exercises
腰椎の過屈曲を防ぐ(抵抗する)能力をトレーニングするエクササイズ群(矢状面の動きのコントロール)。別名anti-flexion exercises。
具体例としてはバードドッグのような初級のエクササイズからスクワットやデッドリフト、グッドモーニングのような一般的なストレングストレーニングエクササイズまでがある。
③ Lateral Core Stability Exercises
体幹の側屈を防ぐ(抵抗する)能力をトレーニングするエクササイズ群(前額面の動きのコントロール)。別名anti-lateral exercises。
具体例としては、サイドプランクのような初級エクササイズからスーツケースキャリー等のより上級のエクササイズまでがある。
④ Rotary Core Stability Exercises
腰椎の過度な回旋を防ぐ(抵抗する)能力をトレーニングするエクササイズ群(水平面の動きのコントロール)。別名anti-rotation exercises。
具体例としてはランドマインやPallofプレス等がある。
まとめ
上記4つの分類方は私がCore Stability エクササイズを考える際に用いるものと全く同じで、動作の面からの分類アプローチとしては最適なものだと考えます。
さらに言うと、各カテゴリー内でも難易度に応じて初球レベルから上級レベルまでのprogressionを考えておくとより良いでしょう。例えばlateral core stability exercisesを考えると、サイドプランクのように全身をアイソメトリックに固めるエクササイズは初球レベルで、スーツケースキャリーのように体幹はアイソメトリックに固めつつ四肢はダイナミックに動かすようなエクササイズは上級レベルと言えるでしょう。
また、posterior core stability (anti-flexion) の能力はスクワットやデッドリフト等で十分トレーニングできると思うので、特別にこの分類のCore StabilityエクササイズをS&Cプログラムに含める必要はあまりないと思います(初心者やこの能力が特に弱い場合は除く)。
また、コア(体幹部)のトレーニングを考える際には、スタビリティだけでなく動的な筋力トレーニングも必要だと個人的には思います。Stuart McGillの影響で「コアのトレーニングはスタビリティだけやって実際のダイナミックな動きはできるだけ避けたほうが良い」というのが最近のトレンドだと思いますが、実際にはダイナミックにトレーニングしたほうが筋肥大や筋力向上という面では効果的・効率的だと思いますし、体幹の動きが全くないというのはスポーツ場面でもあり得ないことで不自然です。また、多少の腰椎の動きを伴うトレーニングをしても、すぐに腰椎の痛みや怪我につながるとも思えません。
このあたりの議論についてはBret Contrerasが以下の記事にまとめているので一読をオススメします。 To Crunch or Not to Crunch