競技スポーツが身体に悪いってどういうこと!?
「競技スポーツは身体に悪い」
これは、私がアメリカの大学院に留学していた時に、恩師のDr. Haffがたびたびおっしゃっていた言葉です(実際は英語で言っていましたが)。
最初に聞いたときは、あまりピンときませんでした。
運動するのが身体に悪いってどういうこと?むしろ、逆じゃないの?身体に良いんじゃないの?と思ったものです。
しかし、いまではDr. Haffの意図が理解できます。
ここでポイントなのは、「スポーツ」ではなく「競技スポーツ」と限定している点です。
勝利を目指して実施する「競技スポーツ」が身体に悪いと言っているのであって、「スポーツ」全般がダメと言っているわけではありません。
むしろ、軽く運動するのは身体に良いとDr. Haffも話していました。私もそう思います。
なにごとも「ほどほど」やるのがいいのです。
過剰にやるといろいろ問題がでてきます。
スポーツにおいても、ほどほど身体を動かす程度にやるぶんには健康にも良い効果が期待できますが、勝利を目指してガシガシとやるレベルの「競技スポーツ」となると逆に身体に悪いということです。
競技アスリートは一般人よりも風邪をひきやすい
「競技スポーツは身体に悪い」という考え方の延長線上に、「アスリートは一般人よりも風邪をひきやすい」という考え方があります。
普通に考えると、バリバリ鍛えている競技アスリートのほうが一般人よりも風邪をひきづらいという印象を持たれるかもしれません。
しかし、実際のところは、ガシガシと運動することによって疲労が蓄積し、免疫も低下することで、むしろ競技アスリートのほうが風邪をひきやすい状況になってしまうという現実があるのです。
特に、練習・トレーニングの量や強度が高まっている時期に、風邪をひきやすくなることが研究等によっても示唆されています。
アスリートとか激しい運動をよくする人って強靭な肉体を持っているから風邪なんかひかない!って思われるかもしれないけどそんなことはない。
激しい運動は免疫を弱め風邪を引きやすくする。運動・免疫・風邪予防に有効な栄養を議論したレビュー記事https://t.co/VX6lvVdROI
— 東原兄弟@筋トレ&サイエンス (@toharabrothers)
まとめ
「俺はアスリートだしバリバリ鍛えているから、身体は健康だぜ!」「私は競技スポーツをやっているから、一般の人よりも風邪をひきづらいはず」という認識を持っているアスリートがいたら、今すぐその認識を改めてください。
「競技スポーツは身体に悪い」し、「アスリートは一般人よりも風邪をひきやすい」のです。
その現実を認めたうえで、一般の人以上に、アスリートは風邪をひかないように注意をする必要があります。
たとえば、うがい手洗いを徹底したり、特に練習・トレーニングが激しい時期には栄養・睡眠・休息をしっかりとるように努めたり。
自分は身体が強いと思っているアスリートがいたら、少なくとも「免疫」という点では一般人よりも弱いんだという認識を持って、病気にならないように気をつけていただければ。
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【編集後記】
本日は「論文の読み方入門」セミナーを自主開催しました。
アメリカ・オーストラリアの大学院に留学して博士号を取得したうえで、現場でS&Cコーチとして活動している私のバックグラウンドを最大限に活かせるトピックでした。
大学や大学院レベルでもここまで内容の濃い授業は受けられないのではないかというくらいの情報を提供できたと思います。