最近はフリーランスとしての活動に関するブログ記事が多かったですが、今日は久しぶりに専門であるS&Cについて書きます。
持久系アスリートのウエイトトレーニングは低負荷・高レップ数!?
つい先日、ネットで「何だコレ!?」と思われる記事を見つけてツイッターでつぶやきました。
「低負荷で回数をこなすトレーニングで足の筋力をアップし」って…。高負荷のほうが筋力UPに向いてるってば…。
「マラソンにホームランはない」。瀬古利彦が神野大地に贈った言葉|陸上|スポルティーバ 公式サイト web Sportiva https://t.co/jaISFQzRGw
— 河森直紀 Naoki Kawamori (@kawamorinaoki)
ひとことで言うと、持久系アスリートのウエイトトレーニングを「低負荷・高レップ数」で実施させるという、よく見る典型的な間違いです。
一見すると、長距離競技なんだから、ウエイトトレーニングも高レップ数でやって筋持久力を鍛えるのは理にかなっているように思えるかもしれませんが、そんなことは一切ありません。
これは完全なるシロウトの考えです。
WHYを突き詰めて考える
そもそも、持久系アスリートがウエイトトレーニングをやる目的は何なのでしょうか?
それは「筋力や爆発的パワーの向上」です。
それらの身体能力の向上にともなって、運動効率やスプリント能力も向上し、結果として長距離競技のパフォーマンスUPに結びつくのです。
したがって、持久系アスリートのウエイトトレーニングを計画する時は「筋力や爆発的パワーを向上させるのに最適な負荷やレップ数は何か?」という観点で考えればいいのです。
そして、そのように考えると、「高負荷・低レップ数」という選択に行き着くはずです。
「低負荷・高レップ数」などという選択をする余地はありません。
仮に「持久系競技には持久力が必要なんだからウエイトトレーニングも高回数で実施しないとダメなんだ〜!」と主張したいのであれば、たとえば、マラソン選手が42.195kmを走り切るのにかかる歩数を調べて、数万歩かかっているからウエイトトレーニングも数万レップで実施するというのであれば、まだそちらのほうが理屈は通ります(注:皮肉が含まれています)。
しかし、ウエイトトレーニングを数万レップやらせるなんてクレージーだし、ケガするだろうし、だったらウエイトトレーニングじゃなくて普通に練習で長距離を走り込めばいいでしょってことになります。
練習だけじゃできないことを、あえて練習とは別にやるためにウエイトトレーニングをやっているはずなのに、本末転倒です。
やっぱり、そもそもなんでウエイトトレーニングをやるのかという「WHY」の部分をトコトン突き詰めて考えておけば、おのずと適切なトレーニングが見えてくるはずです。
逆に、「WHY」の考え方がしっかりしていないと、持久系アスリートには低負荷・高レップ数でウエイトトレーニングをやらせるなんてわけのわからないことを思いついてしまうのです。
まとめ
そもそもなぜ持久系アスリートがウエイトトレーニングをやるのか?
その「WHY」をトコトン突き詰めて考えれば、低負荷・高レップ数でウエイトトレーニングをやらせることがいかにナンセンスであるかわかるはずです。
ウエイトトレーニングをやることの「WHY」については、こちらの本で完全解説しているので、興味のある方はぜひ読んでみてください↓
ちょうど、中・長距離系競技のアスリートに対するウエイトトレーニングに関する学術論文を最近読んだので、次回のブログでその内容を紹介しようと思います。
私の考え方が、科学的知見によっても支持されていることがおわかりになるはずです。
また、本ブログ記事で紹介した内容をさらに詳しく解説している動画教材を販売しています。
他のトピックについても網羅しているので、持久系競技のためのウエイトトレーニングについてさらに知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。
動画 持久系競技のためのウエイトトレーニング
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【編集後記】
カールが東日本での販売を終了とのこと。
失って初めて気づく大切さっていうのもあるかもしれないけど、本当に好きだったら普段から購入しているだろうし、そういう人がたくさんいればそもそも販売終了しないはず。
なんだかな~。