先日、以下のツイートを見て、「これってS&Cコーチにも当てはまるかな〜」と考えてみました。
アスレティックトレーナーはひとつのスポーツに「専門化」する職業ではない。ひとを見て、ひとと繋げる。水泳テニスも陸上もサッカーも、やっているのはひと。ひとを見れなきゃ話にならないし、逆に言えばひとを見られればどんな競技だって働ける。
— Sayuri Abe-Hiraishi (@sy_littlelily)
つまり、S&Cコーチとして、ひとつの競技に特化すべきか、それとも、あらゆる競技をトレーニング指導できるべきか、ということです。
今日のブログではこのトピックを掘り下げて書いてみます。
まず最初に言っておくと、私は後者のタイプ、つまりあらゆる競技をトレーニング指導するS&Cコーチです。
オファーやお申し込みをいただければ、どんな競技のアスリートでも受け入れています。
むしろ、受け入れるかどうかは「競技」ではなく「やる気があるかどうか」で決めたいと考えています。
S&Cコーチとしてひとつの競技に特化すべきか、あらゆる競技をトレーニング指導するべきか
S&Cコーチはどちらのタイプを目指すべきなのでしょうか?
- ひとつの競技に特化したS&Cコーチ
- あらゆる競技をトレーニング指導するS&Cコーチ
結論からいうと、好きな方を目指せばいいです。
こんなことを言うと、元も子もないかもしれませんが、実際そうです。
特定の競技が好きでそれに関わりたいのであればそれに特化すればいいし、とくにこだわりがなくスポーツ全般が好きなのであれば、競技を限定せずにあらゆる競技を指導すればいいです。
そこは「どちらかを選ぶべし」ということはなく、自分がやりたいことを基準に決めればいいと思います。
ただ1つお伝えしたいのは、ひとつの競技に特化したS&Cコーチを目指す場合でも、さまざまな競技のトレーニング指導を経験しておいたほうがいいということです。
ひとつの競技に特化するメリットは、その競技について詳しくなることです。
その競技で必要な体力要素や、その競技で頻繁に発生するケガについての知識を高めておけば、トレーニング成果を結果に繋げることができる確率もアップするでしょう。
また、その競技に特有の練習方法だったり、その競技のアスリートの特徴みたいのを知っておくこともプラスになります。
その一方で、ひとつの競技に特化するデメリットは、知識や視野が狭くなりがちなことです。
英語で言うところの「think outside the box」が難しくなってしまうのです。※あくまでも傾向のお話です。
実際に、ひとつの競技に特化して活動しているS&Cコーチの話を聞いていると、他の競技においては当たり前にやられていることを知らないがために、悩んでしまっているケースが多々あります。
「あの競技では常識のあれをやれば一発で問題解決なのにな〜」なんて思うこともしょっちゅうです。
私自身、ある競技のトレーニング指導をして得た知識が、別の競技のトレーニング指導で活かされるなんてことは数多く経験しています。
だから、ひとつの競技に特化したS&Cコーチを目指す場合でも、ぜひとも他の競技のトレーニング指導を経験して、知識や経験を広げていただきたいです。
まだ駆け出しの若手S&Cコーチであれば、最初のうちは競技を限定せずにあらゆる競技のトレーニング指導を経験しておいて、将来的にメインの競技に特化していくのがオススメです。
すでに特定の競技に特化してS&Cコーチを長年されている場合は、その競技の指導を8割くらいにしつつ、残りの2割くらいを他の競技のトレーニング指導に充てるのがオススメです。
メインの競技のトレーニング指導にも、必ずプラスの影響があるはずです。
まとめ
S&Cコーチとして担当する競技を絞るかどうかは、好みに合わせて決めればいいと思います。
しかし、どの方向性を目指すにしろ、複数の競技を指導する経験は、必ず役に立ちます。
とくに、ひとつの競技に特化しようと考えているS&Cコーチは、他の競技の指導も経験してみていただければ。
個人的には、得意な競技を1〜3つ程度持ってそれらについての知識や経験は深めつつも、それ以外のあらゆる競技も指導できるだけの知識やスキルを広げておくのが、S&Cコーチとしては最強なのではと思っています。
これは完全に私の主観ですが。
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【編集後記】
ツイッターでは発表しましたが、S&Cコーチとして正智深谷高等学校男子バスケットボール部のトレーニング指導を担当することになりました。
高校生のトレーニング指導の経験はありますし、バスケチームのトレーニング指導の経験はありますが、高校バスケ部のトレーニング指導は初めてです。
私にとってもよいチャレンジです。
全力で勝利に貢献していきたいと思います。