#593 S&Cコーチとしての評価は、アスリートやチームの競技成績を抜きには語れない

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S&Cコーチの究極の目標と役割

S&Cコーチの究極の目標は、「アスリートやチームの勝利に貢献すること」です。

その点では、アスレチックトレーナー、栄養士、ドクター、メンタルトレーナー、アナリスト、etcの他の専門スタッフと変わりません。

他の専門スタッフとの違いは、勝利に貢献するために、どの部分にアプローチするかです。

具体的には、体力向上やコンディション調整の部分で専門性を発揮して、アスリートやチームの勝利に貢献するのがS&Cコーチの役割です。

 

 

S&Cコーチの実力と競技成績の関係

しかし、たとえアスリートやチームの体力がめちゃめちゃ向上して、コンディション調整もバッチリうまくいったとしても、勝てるとは限らないのがスポーツです。

体力やコンディション以外の部分が原因で負けることもあります。

それは、戦術かもしれないし、技術かもしれないし、メンタルかもしれないし、相手との相性かもしれないし、資金力の差かもしれないし・・・。

 

逆に、体力が低下していたり、コンディション調整がうまくいかなかったのに勝つこともあります。

とくに、アスリートやチームの実力が抜きん出ている場合は、S&Cコーチが無能で残念な仕事をしていたとしても、勝ってしまうでしょう。

 

つまり、何が言いたいのかというと、S&Cコーチとしての実力と競技成績の間には強い関係はないということです。

結果を出しているアスリート・チームについているS&Cコーチの能力が高いとは限らないし、結果を出していないアスリート・チームについているS&Cコーチの能力が低いとは限らないのです。

だから、アスリートやチームの競技成績だけを見て、S&Cコーチの能力を評価するのは難しいです。

 

 

体力向上だけがS&Cコーチの仕事なのか?

じゃあ、S&Cコーチの評価をする時に、競技成績はいっさい無視して、たとえば体力測定の結果が向上したかどうかだけで判断すればよいのかというと、それもまた違います。

すでに述べたように、体力向上やコンディション調整の部分で専門性を発揮するのがS&Cコーチの役割です。

であるならば、体力測定の結果が向上していたら、それが競技成績に結びつくかどうかはおいておいても、S&Cコーチとしての仕事をしたことになるのではないか?

そう思われる方も多いかもしれません。

 

しかし、体力測定の結果だけでS&Cコーチの仕事を評価すると、いろいろな問題が出てきます。

たとえば、プロスポーツチームからS&Cコーチとして雇われて、「とにかく選手の筋力を伸ばしてくれ。君の仕事は、スクワット1RMの値が向上したかどうかだけで判断する。向上率によって、出来高報酬の額も変わってくるぞ!」と言われたとします。

そうすると、「スクワット1RMをできるだけ向上させるために最適なトレーニング」を追い求めることになるでしょう。

しかし、そこを最優先にしてしまうと、ウエイトトレーニングをやりすぎてしまい、練習や試合に悪影響を及ぼしてしまうリスクが高まります。

実際のところは、どれだけガシガシとトレーニングをやって体力を向上することに成功したとしても、筋肉痛や疲労の影響で練習や試合によいコンディションで臨めないようでは、競技成績は下がってしまう可能性が高いでしょう。

 

じゃあ、競技成績が下がったとしても、チーム全体の体力(例:スクワット1RMの値)が向上しさえすればいいのか?

私はそうは思いません。

やはり、体力向上を追い求めつつも、最終目標は「勝つこと」であることを忘れずに、練習や試合に悪影響を及ぼさないようにトレーニングの内容もバランスを取る必要があります。

実際に私はそうしています。

 

S&Cコーチの究極の目標が「アスリートやチームの勝利に貢献すること」なのであれば、「勝利に繋がるのにベストと考えられるトレーニング」を選択するのがS&Cコーチの責任です。

たとえ、それが「体力を最大限に向上することに繋がるトレーニング」とは異なるものであったとしても。

 

 

まとめ

結局のところ、私の言いたいことをまとめると:

  • S&Cコーチとしての実力と競技成績の間には強い関係はない
  • だけど、S&Cコーチの究極の目標が「アスリートやチームの勝利に貢献すること」である限りは、S&Cコーチとしての仕事は、担当しているアスリートやチームの競技成績で評価されるものだ
  • とはいえ、競技成績に一喜一憂するのも良くない
  • 勝利に繋がるために、専門性を発揮して、自分ができることをやるしかない

ということです。

 

まあ、現実として、S&Cコーチとしては良い仕事をしているにもかかわらず、他の原因のせいでアスリートやチームの競技成績が悪くなって、S&Cコーチとして解雇される(契約を延長してもらえない)ということも起こりえます。

S&Cコーチとしては納得がいかないかもしれませんが、これはしょうがないと諦めるしかありません。

逆のパターンとして、アスリートやチームの競技成績が良いときには、S&Cコーチとしての実際の貢献以上に評価される場合もあるかもしれませんから。

「S&Cコーチとしての実力や貢献度はアスリートやチームの競技成績とは比例しない」「S&Cコーチとしての評価は、アスリートやチームの競技成績を抜きには語れない」という一見矛盾した2つの現実を、自らのなかで折り合いをつけてやっていくしかありません。

 

 

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【編集後記】

空気清浄機を買おうと思い、いろいろと調べています。

でも正直言って、どれがいいのか、わからないです。

一応、レビューを見たりもしますが、「空気がキレイになった気がするけど、実感はあまりない」というコメントがリアルな感じです。

すかしっぺをすると反応する、というコメントもあります(笑)