2017年4月から個人事業主として独立をし、今回はじめての確定申告を体験しました。
これまでは給与所得者だったので、税金等の細かいことは勤務先ですべてやってもらっていました。
確定申告の時期に、まわりの個人事業主の方々が「確定申告やらないとな〜」なんて会話しているのを他人事のように眺めていました。
なんとなく「大変そうだな〜」なんて思っていたものです。
それが今回、自分が確定申告をやらないといけない立場になり、かなり身構えて臨んだのですが、実際にやってみると想像していたほど大変ではありませんでした。
そんな私の初体験をシェアしてみます。
基本姿勢「自分でやる」
まず、確定申告というか経理についての基本姿勢として「自分でやる」ということを決めていました。
一般的には、税理士さんと契約して、領収書をお渡しして全ておまかせしてしまうことが多いのかもしれません。
「自分の得意でないこと(=経理)はお金を払って専門家にやってもらって、そのぶん手に入れた時間を自分の得意なこと(=事業)に使ったほうがよい」という主張も耳にします。
一理あると思いますし、すべておまかせしちゃったほうがラクチンだろうなとは思います。
しかし、私は基本的に「自分でやる」ことにしました。
「ひとり仕事」のやり方で参考にしている井ノ上さんのブログ「EX-IT」や書籍を読み、経理は自分でやりましょうと主張されているのに影響されたのが1番の要因です。
それらを読んで「よし、自分でやってみよう!」と決断した理由は主に2つです:
- 税理士費用を節約できる
- 自分の事業についての売上や経費について把握できる
実際のところ、すべてを完全に自分だけでやるのは不可能なので、適宜、井ノ上さんの個別コンサルティングを活用してお手伝いをしていただきました。
しかし、それでも顧問契約をお願いする費用と比べれば、かなりの節約になりました。
また、経理すべてを税理士さんに丸投げしてしまうと、自分の収入の傾向(月ごと、事業ごと)や何に経費を多く使っているのか等の数字を把握するのが難しくなります。
以上のような理由から、経理については基本的に「自分でやる」ことにして、必要なところだけ専門家にお手伝いをしていただくようにしました。
経理を「自分でやる」ための工夫・準備
「自分でやる」と決めるのはいいですが、実際にやるとなるとさまざまな工夫や手順が必要となるので、それらをご紹介します。
ここで紹介するのは私が試した工夫や手順です。
それらが絶対に必要なわけではないし、それらをやっておけばOKという保証もありません。
あくまでも参考程度にお読みください。
①青色申告の申請
フリーランスの確定申告には白色申告と青色申告という種類がありますが、私は青色申告を選択しました。
そして、青色申告をするには事前に申請が必要になるので、4月に個人事業主として開業手続きをする時に、青色申告の申請はしてありました。
» 参考:フリーランス(個人事業主)としての開業手続きは開業freeeを使うと簡単だった
②ネット銀行での事業用口座開設
フリーランスとして事業を始めるのにともない、事業用の口座をネット銀行で開設しました。
私は住信SBIネット銀行を使っています。
これは自分で確定申告をやるのに必須というわけではありませんが、この後にご紹介するクラウド会計ソフトの導入と組み合わせることで、経理の効率化に繋がります。
また、経理とは関係ないですが、日々の業務効率を高めるという意味でも、ネット銀行は私にとっては必須アイテムとなっています。
わざわざ銀行やATMまで行って記帳をしなくても、ネットで自分の口座にアクセスすれば入金等をすぐに確認できるからです。
すべて自分でやらないといけないひとり仕事においては、記帳をしに行かないで済むというのは非常に大きなメリットであると感じています。
③クラウド会計ソフトの導入
青色申告をするためには会計ソフトの導入が必要ですが、私はクラウド会計ソフトのfreeeを使っています。
経理や会計については、昔ながらのわかりづらい考え方ややり方が残っていてとっつきにくいイメージがありましたが、クラウド会計ソフトは比較的使いやすい印象です。
最初にfreeeを導入する時は、使い方をレクチャーしていただいたり、私なりの仕事のやり方に合わせてセッティングをしてもらうため、個別コンサルティングを活用して井ノ上さんにお手伝いをしていただきました。
やはり、専門的な部分は素人には難しいこともあるので、そういう時は費用をケチらずに専門家の手を借りたほうが良いと思います。
» 参考:時間の限られているフリーランスの人こそ個別コンサルティングを活用するのがオススメ!
freeeではネット銀行の口座を連携することができ、取引を自動で登録してくれます。
いちいち取引があるたびに手入力をしないで済むのでラクチンです。
特に「収入」に関しては、一部、現金で受け取ったりクレジットカードでお支払いいただいたりもしますが、ほとんどが銀行振込でお願いしているので、それらはほぼ自動で会計ソフトに取り込んでくれます。
「支出」となる経費についても、ネット銀行の口座から振込をする分については、ほぼ自動で会計ソフトに取り込まれます。
それ以外に現金等で支払いをした場合は、手入力またはExcelで作ったデータをインポートするという作業が必要ですが、それでもかなりの効率化が実現できていると感じます。
④レシートの整理は毎日やる
経費の証拠としてレシートをもらいますが、とりあえず溜めておいて確定申告の時に1年分のレシートを一気に整理するというやり方だと大変です。
今思い返してみると、私が給与所得者だった時に、確定申告で苦しんでいた周りの個人事業主の方々は、1年間溜めておいたレシートの整理で苦労されていたのではないかと推測できます。
そこで、私はこちらも井ノ上さんのメソッドを使い、「毎日レシートを整理→会計ソフトfreeeに入力→紙にペタッと貼り付ける→ファイルにしまう」という作業をコツコツとやってきました。
レシートの整理は、すぐに・ペタッと・重ねて EX-ITブログ
「そんなの毎日やるのは大変じゃないか?」と思われるかもしれませんが、継続していると習慣になってしまい、まったく苦になりません。
レシートの山を1年間放置しておいて、確定申告の時期にまとめて「あれ、このレシートは何に使ったやつだっけ?経費にできるかしら?」なんて思い出しながら苦労するよりはるかにマシです。
今回、はじめて確定申告を体験してみて、思ったよりも大変じゃなかったと感じたのは、この日々の作業をコツコツやってきたのが大きかったです。
⑤交通費や医療費はExcelで集計しておく
基本的に経費は毎回freeeに入力するのですが、交通費についてはExcelシートで管理しています。
こちらも井ノ上さんのブログを参考にして交通費用のExcelファイルを用意しました。
毎日つけた方が楽?Excel Vlookup関数による交通費の楽々記録 EX-ITブログ
消費税8%時代のExcel交通費精算ーサンプルつきー EX-ITブログ
そして、毎月こちらのデータをfreeeにインポートしています。
また、医療費も同様にExcelで集計してあります。
こちらは会計ソフトに取り込むことはありませんが、医療費が10万円を超えた場合は確定申告の時に医療費控除を受けることができるので、集計はしっかりとしてあります。
10万円超えなかったら確定申告では使わないデータなので、努力が無駄になる可能性もあるかもしれません。
それでも、自分の医療費が年間いくらかかっているかを把握することは確定申告とは関係なく重要な事だと思うので、無駄にはならないと信じてやっています。
確定申告の手続き
以上のような工夫や準備をしておいたうえで、2月に入ってから実際の確定申告の手続きを実施しました。
①会計ソフトfreeeの質問に答えていく
使用しているfreeeには確定申告の資料を自動的に作成してくれる機能があります。
収入と支出の入力がしっかりと完了していることを確認したうえで、あとはfreeeの画面に出てくる指示に従って必要な項目を記入したり選択したりすれば、確定申告資料の作成が完成してしまいます。
なんて簡単なんでしょう!サンキュー、テクノロジー!って感じでした。
私の場合、2017年は1~3月は給与所得者でしたが、それについてもfreeeの確定申告書類作成の機能で「会社から給与を受け取りましたか?」という質問項目があり、そこに必要項目を入力するだけで済みました。
その際は、前職場から退職後に送られてきた源泉徴収票を手元に用意しておき、freeeの指示に従って記入するだけだったので簡単です。
こちらの源泉徴収票は確定申告書類を郵送する時に、一緒に添付しました。
それ以外にも、保険や年金についての質問もあり、こちらも手元にある資料をもとに記入するだけでした。
すべての質問に答え終わると、自動的に確定申告に必要な書類をfreeeが作成してくれるので、これを出力(ダウンロード)して終わりです。
この作業はかなり簡単だったので、ひとりでもできそうです。
私の場合は、収入と支出の入力がちゃんとできているのか不安だったので、税理士である井ノ上さんの個別コンサルティングを利用してチェックをしてもらいながらこの作業を実施しました。
実際、源泉徴収をされた収入のfreeeでの処理の仕方は私には難しかったので、専門家のお手伝いをいただいて良かったです。
できるだけ「自分でやる」ことで税理士さんと顧問契約をする費用を節約したわけですが、節目節目で必要な場合は、ためらわずに専門家に報酬をお支払して手伝ってもらうのも必要ですね。
無駄を省きつつ必要なところには惜しまずお金を使うのがフリーランスにとってはベストでしょう。
②印刷して郵送で提出する
井ノ上さんのブログ記事で、Macでも確定申告書をネットで提出できるという記事が出ていたので、それを参考にして私もネットで提出しようと思いました。
しかし、マイナンバーカードをまだ手に入れていなかったので、今年は断念しました。
freeeならMacで確定申告書をネットで提出(e-Tax)できる |Macでのe-Taxの方法と注意点 EX-ITブログ
提出方法はいろいろあるのですが、私は今年は「郵送」を選択しました。
郵送での提出に必要な手順は以下のとおりです:
- ①のプロセスで作成した申告書類を印刷する
- 必要な箇所に押印する
- マイナンバーを記入する
- 必要な資料をノリでペタペタと添付用紙に貼り付ける
- 返信用の封筒を用意する
- 切手を貼り付ける
- 宛名を書く
- すべての提出資料を封筒に入れる
- 郵便局に行って簡易書留で送る
実際にやってみるとかなり手間がかかって面倒くさかったです。
だから、来年はネット提出をやってみるつもりです。
2019/3/15追記:2018年分の確定申告は、e-Taxで提出しました↓
» 参考:今年の確定申告はfreeeを使ってネット提出(e-Tax)に挑戦してみました
まとめ
ということで、私にとってのはじめての確定申告は2/19に終了しました。
思っていたよりもはるかにラクチンでした。
そして、節目節目で専門家にお手伝いをいただきましたが、ほとんど「自分でやる」ことができました。
来年は2回目で慣れているはずなので、「自分でやる」割合はもっと増えるはずです。
「確定申告は大変だ〜」と慌てている人たちは、来年に向けて参考にしていただければ。
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【編集後記】
最近はザバスのミルクプロテインを飲む機会が増えています。15gのタンパク質が手軽に摂取できます。コンビニ等で手軽に買えるプロテイン関連商品の中では、プロテインの量が1番多い商品だと思います。他の商品は「プロテイン」を謳っているものの、タンパク質が5gくらいしか入っていないものばかりなので、出先でタンパク質をとりたい時には重宝しています。