#887 英語前置詞の「to」と「for」の違いから再考する 「Train muscles for movement」という哲学

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先日、Xでこんな投稿をしました↓

これだけだと何を言っているのかわかりづらいと思うので、深堀りして説明します。

 

 

英語の「to」と「for」の違い

まずは、英語の「to」と「for」の違いから説明します。

どちらも前置詞ですが、とくに目的地を指定する意味合いで使われるときに、2つの単語で明確な違いがあります。

たとえば、冒頭で紹介した投稿でも紹介しましたが

  • train to Tokyo
  • train for Tokyo

を日本語に訳すと、どちらも「東京行きの電車」みたいな意味になって、違いがわかりづらいかもしれません。

しかし、両者の間には明確な違いがあります。

それは、「to」は目的地(Tokyo)に確実に届いていて、「for」は確実に届いているかはわからない、ということです。

なので、「train to Tokyo」と言った場合は、電車が確実に東京に到着するのですが、「train for Tokyo」といった場合は、ざっくりと「東京方面行きの電車」程度のイメージになります。

「for」の場合は、東京方面に向かうものの、東京に到着する手前で停まったり下車したりするケースも含まれる、というわけです。

 

私は英語の専門家ではないので、さらに詳しく知りたい方はこちらの動画でも観てください↓

 

 

「Train muscles for movements」という表現で「for」を使っている意味

英語の「to」と「for」の違いというのは、私が中学生の頃に英語の授業で教わりました。

当時、「なるほどな〜」と強く思ったので、記憶として残っていました。

で、それを最近ふと思い出した時に、私の頭の中で「Train muscles for movements」という表現と急に繋がったのです。

「あ〜、そうか!!この表現においては『to』じゃなくて『for』を使うのが、まさに合っているんだ!!うおおおおおおお!!」みたいな感じで。

この私の感動に共感していただける方はあまりいないかもしれませんが、でもどうしてもシェアしたくてブログを書いています。

 

ちなみに、「Train muscles for movements」という表現が意味するところについては、過去にブログを書いているので、まずはそちらをお読みください。

» 参考:ウエイトトレーニングの哲学は「Train movements, not muscles」ではなく「Train muscles for movements」のほうがしっくりくる

 

「Train muscles for movements」という表現は、アスリートが競技力向上のためにウエイトトレーニングを実施するときの哲学を説明したものです。

競技動作そのもの(movements)をウエイトトレーニングで鍛えるのではなく、競技動作の改善や習得に繋がるように体力(muscles)を鍛えましょう、という意味合いです。

ただし、ウエイトトレーニングによって体力(主に筋力)を向上させることに成功しても、それが競技動作の改善や習得に直接繋がるわけではありません。

向上した体力を使いこなすために「トレーニング効果の転移」というステップが必要になります。

つまり、「ウエイトトレーニングによる体力向上」と「トレーニング効果の転移」の両者が成功して初めて、競技力向上に結びつく、ということです。

» 参考:そもそもトレーニングは必要?

 

で、この「トレーニング効果の転移」というのは、必ずしも成功するとは限りません。失敗することもあります。

たとえウエイトトレーニングによって体力が向上しても、「トレーニング効果の転移」が失敗してしまうと、競技力向上に繋がらないどころか、逆に低下してしまう恐れすらあります。

» 参考:【論文レビュー】トレーニングによる筋力UPは、やり方によっては競技力UPにも競技力DOWNにもつながりますよって事をコンピューターシミュレーション研究の結果をもとに考えてみる

 

そのような「トレーニング効果の転移」の不確実性みたいなものを表すのに「for」という前置詞がまさにピッタリなんです!!

競技動作の改善・習得(movements)という目標に向かって(for)、体力を向上する(Train muscles)のがウエイトトレーニングなんだ、ということなんです。

ウエイトトレーニングを実施して体力が向上すれば、確実に競技動作の改善・習得という目標に届くわけではないので、「to」という前置詞を使うのは不適切であり、「for」じゃなきゃダメなんです。

ウエイトトレーニングによる体力向上は、あくまでも競技力向上のポテンシャルをUPさせるにすぎない、という考え方も、この「for」という前置詞にうまく含まれています。

いや〜、すごいと思いません?

 

 

まとめ

頭の中にあった別々の知識が繋がる瞬間、つまり点と点が繋がって線になる瞬間、って興奮しますよね?

私にとっては、今回紹介したことがその瞬間だったんです。

かなりマニアックな内容なので、多くの人は「だから何だよ?」という反応をされるでしょうが、一部の人には共感してもらえるのではないかと思って、ブログを書いてみました。

 

 

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【編集後記】

今日から新年度です。

新たな出会いやスタートの季節ですね。

私の場合、前職を辞めてフリーランスになってからは基本的にひとり仕事なので、新人が入ってくることもなく、とくにワクワクすることのない普通の時期という感じです。

しかし、今年は娘が幼稚園を卒業して小学校に入学するので、少しだけフレッシュな感覚を味わっているところです。