高強度インターバルトレーニング(HIIT)が流行っている
「高強度インターバルトレーニング(HIIT)」が流行りです。
世界のフィットネストレンド2019
毎年、ACSMが調査しているフィットネストレンドが今年も発表されました。
ウェアラブルテクノロジーが1位になり、アプリもランクインしました。どう考えてもあった方が便利なので、この流れは続くだろうなあと思います。
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— 中島健太郎 Kentaro Nakashima (@_knakashima_)
フィットネス業界だけでなく、競技力向上を目指すスポーツ界においても、持久力向上のための手段として高強度インターバルトレーニング(HIIT)は注目を集めています。
そもそもインターバルトレーニング自体は昔からやられていたもので、近年になって発明された新しいトレーニング方法というわけではありません。
たとえば、チェコスロバキアのザトペックという陸上選手がインターバルトレーニングを取り入れて、1950年代に活躍をされていたというのは有名なお話です。
ここ最近、高強度インターバルトレーニング(HIIT)がブームとなっているのは
- 「とりあえずグランド50週走っとけ!」みたいな根性論的な持久力トレーニングが見直されてきた時代的な背景
- 高強度インターバルトレーニング(HIIT)に関する研究が進んで科学的知見が増えてきたタイミング
の2つがうまく合わさった結果なのでは、と私は推察しています。
なぜインターバル形式を採用するのか?
インターバルトレーニングでは、「高強度の運動」と「低強度の運動または完全休息」を繰り返します。
これを「インターバル形式」と呼んだり「間欠的」と呼んだりします。
このインターバル形式は、たとえばグラウンドを50周走るように、ほぼ一定のペースで動き続ける「継続的」なトレーニングとは大きく異なります。
では、そもそも、なぜインターバル形式を採用するのでしょうか?
考えられる理由としては大きくわけて2つあります:
- 理由その①:試合中の動きが間欠的だから、それに合わせてトレーニングもインターバル形式を採用する
- 理由その②:高強度でのトレーニング総量(総時間)を増やすため
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
理由その①:試合中の動きが間欠的だから、それに合わせてトレーニングもインターバル形式を採用する
多くの競技において、競技中の動きは間欠的なものです。
つまり、高強度の運動と低強度の運動または完全休息を繰り返す動作パターンが多いということです。
球技系スポーツもそうですし、格闘系スポーツもそうですし、ラケット系スポーツもそうです。
したがって、試合での動きに備えるために、競技の動きに近い形でトレーニングをしようという考えから、インターバル形式を採用している人もいるかもしれません。
しかし、インターバル形式を採用することの理由として、これは微妙だな〜というのが私の意見です。
というのも、陸上・水泳・自転車・カヌー・ボートetcのいわゆる記録系スポーツの選手たちも、高強度インターバルトレーニング(HIIT)を採用しているからです。
それらの競技においては、試合中の動きは間欠的ではなく継続的なものです。
だから、「競技の動きに近いから・似ているから」という理由だけでは、彼ら・彼女らがインターバル形式のトレーニングを採用することは説明がつきません。
そもそも、競技の試合における動きをまねしてトレーニングを組み立てようという考え方そのものが、私はナンセンスだと思っています。
#126 持久力を向上するには試合での動きをトレーニングで真似(シミュレート)すれば良いのか?
理由その②:高強度でのトレーニング総量(総時間)を増やすため
もう1つの理由が、「高強度でのトレーニング総量(総時間)を増やすため」です。
私は、インターバル形式を採用する理由としては、こちらが本命だと思っています。
持久力向上というトレーニング効果を引き出すためには、ある程度の高強度で運動をすることが有効であることが知られています。
しかし、高強度の運動を継続しようとしても、高強度だからこそ長く続けることが難しく、トレーニング量を蓄積することが困難です。
たとえば、100m走を走るような全力ダッシュに近いスピードの90%程度のスピードで走るとします。
かなり高強度なので、このスピードを維持したまま、5分も10分も走り続けることは困難です。
仮に30秒しかこのスピードを維持できないとすると、せっかくの高強度のトレーニング刺激ではあっても、30秒だけでは量が少なすぎて、それほど持久力向上に貢献することはできないでしょう。
そこでインターバル形式の出番です。
30秒しか維持できないようなスピードであっても、20秒運動をして、20秒レストを挟む、というのを繰り返すようなインターバル形式にすれば、何本も繰り返すことはできるはずです。
そうすることによって、高強度で運動をする時間を積み重ねることができるようになります。
結果として、高強度でのトレーニング総量(総時間)を増やすことができるので、より大きな持久力向上効果を期待することができるようになります。
まとめ
高強度インターバルトレーニング(HIIT)は流行りですが、なぜ「インターバル形式」を採用するのか?について深く考えたことがない方が多いかもしれません。
その理由が「高強度でのトレーニング総量(総時間)を増やすため」であると知っておけば、「とりあえず運動と休息を繰り返しておけばいいんだ」という低いレベルから脱却することができるようになります。
「どの程度の高強度で運動をさせたいのか」「その強度でのトレーニング量をできるだけ蓄積するには、どのくらいの運動と休息の時間が適切なのか」といったことまで深く検討した上で、もっとも効率よく効果的に持久力向上に繋がるような高強度インターバルトレーニング(HIIT)プログラムを作成できるようになるはずです。
動画 非持久系競技のためのHIIT
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【編集後記】
ビーレジェンドのプロテイン「波動拳風味」がおいしいとクライアントさんに教わりました。
ネーミングはたしかに興味をそそられる・・・。