ウエイトトレーニングのプログラムデザインを考えるときに、「Deload Week」というコンセプトがあります。
詳しくはコチラの記事で説明しているので、まずはそちらをチェックしてください↓
#466 トレーニングにおいてDeload Week(負荷を減らして軽めにトレーニングする週)は必ず設けたほうが良いのか?
リンク先の記事を読んでいただければ、そのコンセプトはご理解いただけるはずです。
簡単にまとめると、ずーっと継続してガシガシとトレーニングしていると疲労が溜まってくるから、数週間に1回程度の頻度でトレーニングを軽めにする週を設けて、蓄積疲労を取り除きましょう、ということです。
コンセプト自体はそれほど難しくありません。
しかし、それを実行に移す段階でやり方を誤ってしまっているケースを見かけたので、解説してみます。
Deload Week:負荷を軽くして量を増やすと失敗するリスクが高い
先日、とあるオンラインセミナーを視聴したときに、ウエイトトレーニングのプログラム例が紹介されていて、その中には「Deload Week」が設けられていました。
そこで個人的にめちゃくちゃ気になったのが、Deload Weekにおける「セットxレップ」の設定です。
具体的には、「2-3セットx12-15レップ」と指定されていました。
強度設定の具体的な記載はありませんでしたが、12-15レップできるくらいなので、1RMの70%以下くらいの軽い重量になると推測されます。
これを見たときに、「いや〜、このやり方だとDeload Weekとしては失敗しちゃうだろうな〜」と感じました。
「重量を減らしてるんだから、『トレーニングを軽めにする週を設けて、蓄積疲労を取り除く』というDeload Weekの趣旨に適っているんじゃないの?」
そう思われる読者の方もいらっしゃるでしょう。
気持ちはわからないではないですが、おそらくこのやり方だと、Deload Weekの目的である「蓄積疲労を取り除く」を達成することは難しいです。
たしかに、「強度」もしくは「重量」という観点でいうと、「軽め」にはなっています。
しかし、「量」という観点で考えると、それほど「軽め」にはなっていません。むしろ多いです。
たとえ強度を軽めにしても、量が多いようなやり方でウエイトトレーニングをやると、疲労が取り除かれるどころか、逆にもっと疲労が溜まってしまうリスクが高いです。
» 参考:【論文レビュー】疲労困憊まで追い込んでトレーニングする場合、軽い負荷を使ったほうが重い負荷よりも疲労が大きく回復にも時間がかかる
だから、強度は低いけど量が多い「2-3セットx12-15レップ」みたいなやり方は、Deload Weekには適していないのです。
まとめ
Deload Weekはどういう目的でやるのか(=WHY)を理解することはとても重要です。
それが理解できないと、そもそもDeload Weekを取り入れようと考えることすらしないでしょうし、やるとしても、いつどんなタイミングでやるべきなのかもわからないでしょう。
それと同時に、具体的にどうやればいいのか(=HOW)について知っておく、もしくは自分の頭で考えられるようにしておくことも重要です。
Deload Weekというコンセプト自体は、それほど珍しくもない、多くの専門家が知っているものになりつつあると感じます。
ただし、それを具体的にどう実行に移すか、という部分についての理解は、まだまだ進んでいないのかもしれないな、というエピソードがあったので、解説してみました。
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