9/30(日) S&Cコーチとして押さえておきたい考え方セミナー

#29 ブログ紹介:体力向上+Transfer of Training Effectの例


Olympic Development Mens 100m Dash


前回のブログで、S&Cプログラムの成功(つまり競技力の向上)のためには以下の2つが重要と書きました。

  • トレーニングによる体力向上
  • Transfer of Training Effect

この考え方と同様のフィロソフィーに基づいて、直線スプリント能力向上のためのS&Cプログラムについて書いているブログ(英語)を見つけたので紹介します。

 

 

ブログの紹介

Linear Speed Progression

このブログでは、直線スプリント能力向上のために2つの要素をトレーニングするべきと述べています。その2つの要素とは:

  1. Lower Body Strength and Power
  2. Acceleration Mechanics/Force Transmission

 

です。1つ目の要素を向上するために、オリンピックリフティング、ケトルベルスイング、デッドリフト、リアフットエレベイテッドスプリットスクワット、シングルレッグデッドリフト、ヒップブリッジ、シングルレッグスクワット等のエクササイズを用いているようです。これらのエクササイズは特にスプリント動作に特異的(動きが似ている)というわけではないので、この1つ目の要素を向上するためには、下半身の筋力やパワーを向上させるために最適と考えられるエクササイズを用いる(スプリント動作との類似性とは関係なく)という姿勢が見て取れます。

そして、これらのエクササイズにより向上された筋力・筋パワーをスプリント動作にtransferするための(つまり上記2番目のカテゴリーに分類される)方法として、スレッドドリルやスプリントドリルを動画付きで紹介しています。

 

 

ブログ解説

このブログで紹介されている方法と私が前回書いたS&Cプログラムに関するフィロソフィーの似ている点として:

  • 「体力向上」と「向上された体力を競技動作そのものに転移する」という2段階でS&Cプログラムを考えているところ(つまり、体力向上が直接競技力向上に結びつくわけではないという考え方)
  • 「体力向上」を競技力向上に結びつけるための方法として、「体力向上」エクササイズ自体をスプリント動作に近づける(例:可動域を制限する)というアプローチは取らずに、「体力向上」のためのエクササイズ選択についてはスプリント動作とはある程度切り離して考えているところ 

が挙げられます。この考え方は私はとても重要だと考えているので、このブログを一読されることをオススメします。また、上記のS&Cフィロソフィーとは少し別のトピックも含まれてしまいますが、このブログで語られている以下のコメントも個人的には「その通り!!」と言いたくなる内容で参考になると思います。 

The bottom line is if you want to get faster you need to get strong, powerful legs. In addition to that it would be  beneficial if you actually practiced  sprinting. You should be sprinting for the sake of getting faster not getting tired. I’m talking about good quality reps with enough rest to ensure full effort. Run hard, rest, repeat.

特に後半で述べられている「スプリント練習の1本1本の質を重視し、レップ間の休憩は十分とる」という考え方は、こちらで紹介したオランダ人のサッカーコーチであるレイモンド・フェルハイエン氏の考え方とも一致していて興味深いです。