#20 自転車エルゴメーター(エアロバイク)を使う事のプラスとマイナス

公開日: : 最終更新日:2015/12/08 S&Cコーチとしての思考 , , ,


 

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持久力向上のトレーニングをする際に、各競技に特異的な動作を使用する場合と、非特異的な動作を使用する場合があります。後者は、例えばボート選手がランニングトレーニングをするとか、スピードスケート選手が競輪トレーニングを取り入れるとかが当てはまります。

この後者のタイプのトレーニングで人気のあるものの一つが自転車エルゴメーター(エアロバイク)です。トレーニングジムに行くと、有酸素エリアにはトレッドミルと並んでエアロバイクもずらっと並んでいるのをよく見かけると思います。実際、いろいろな競技のアスリートが、エアロバイクを用いて持久力のトレーニングを実施しています。また、ウォームアップやクールダウンの目的でも、よくエアロバイクが使われています。

 

エアロバイクの利点

エアロバイクを使用したトレーニングの利点はいくつかあると思います。

思いつく限り挙げていくと、大きなスペースを必要としない、室内で実施できるので天候に左右されない、動作が単純だからテクニックを新たにマスターする必要がない、トレーニング強度や量・休憩時間等の管理・操作が容易、着地衝撃やエキセントリックな要素が小さいので筋に対する機械的なダメージを最小限に抑えつつ代謝系に負荷をかけられる(翌日への影響が小さい)、急性の怪我の可能性が低い等があります。

 

エアロバイクのマイナス点

逆に、エアロバイクを利用する事のマイナス点は、「姿勢の悪さ」だと思います。

背中が丸まった状態で長時間トレーニングをすると、胸椎伸展のモビリティに悪影響を及ぼすかもしれません。胸椎伸展が制限されると、それを補おうと補償動作につながり、肩や腰等の痛みが発生する可能性もあります。

スポーツ競技中は、パフォーマンス向上のためにいわゆる「悪い姿勢」をとらざるを得ない事が多々ありますが、せめてトレーニング中はそのような「悪い姿勢」はできるだけ避けて、逆に良い姿勢を取り戻すようにしたいものです。

 

まとめ

このように、エアロバイクを使用してトレーニングする事にはプラスもマイナスもあります。トレーニングの目的やアスリートの状態、トレーニング時のシチュエーション等のさまざまな要因を考慮に入れながら、そもそもエアロバイクを使用するかどうか、使用するならその強度や量・頻度をどうするかを決定する必要があると思います。

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  • 河森直紀(かわもり なおき) PhD, CSCS

    1979年10月17日 神奈川生まれ 埼玉育ち
    ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチ。

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