私、トレーニングする時は必ずその内容をトレーニング日誌に書き留めています。
書く内容はその日の日付と曜日、エクササイズ名、使用重量、レップ数、気付いたコメントetc…です。メインセットだけでなくて、ウォームアップセットも全て書き留めています。
指導するアスリートにもトレーニング日誌をつけることをすすめています。理由はいくつかあります。
トレーニング日誌をつけるべき理由
①正確な記録を残す
私、基本的に記憶力が悪くて、学生時代から暗記系の勉強は苦手でした。トレーニングでも、3日前に使用した重量が思い出せないなんて事が普通にあります。
トレーニング日誌に正確な記録を残す事で、「記憶をする」とか「思い出す」といった事にエネルギーを割く必要がなくなり、トレーニングに集中できます。
また、例えば、先週よりも少し(5KGとか5%とか)重い重量でスクワットをする計画を立てていても、先週使用した重量を忘れていたり間違えて覚えていたりすると、計画よりも軽すぎるOR重すぎる重量でトレーニングをする事になったりして、計画通りにトレーニングをする事ができなくなります。
記憶力の良い人は、数週間分のトレーニング内容を覚えておく事ができるかもしれませんが、1年前にどのエクササイズをどの順番でどれだけの重量で実施したかを正確に覚えている人はあまりいないでしょう。いたら天才です。だから、ほとんどの人はトレーニング日誌をつける事で正確な記録を残す事が必要なのです。
②過去を振り返る材料になる
トレーニングがうまく行って結果が出る時もあれば、なかなか思うような結果が出ない時もあります。どういう時にうまく行って、どういう時にうまく行かないのかを検討する際に、過去のトレーニング日誌に残されたデータを見直す事が非常に役に立ちます。
過去にうまく行った時のプログラムをそのまま同じように実施したからといって、また同じようにうまく行くとは限りません。自分のカラダは常に変化しているのですから。でも、少なくともうまく行く時に共通するパターンとか要素を発見する事は可能でしょう。
上記①と同じ理由で、過去を振り返る際に、自分の記憶を頼るよりもトレーニング日誌のデータの方が客観的で信頼性も高いと言えます。
③トレーニングに関する知識を深めるのに役立つ(学習ツールになる)
トレーニングエクササイズには横文字の名前が多く、専門家以外の方にとっては覚えるだけでも大変です。でも、トレーニング日誌を付ける時に毎回エクササイズ名を書き込んでいれば、エクササイズ名を覚える助けになるはずです。
また、メインセットに向けてどのようにウォームアップセットを組み立てていくか(何セットやるか、何レップやるか、どのくらいの重さでやるか)を学ぶ上でも、トレーニング日誌でウォームアップセットを含む全てのセットの重量とレップ数を書き留める事が役に立つはずです。
学校の勉強とかでも、授業中にしっかりノートをとる学生の方が、ノートをとらずに先生の話をただ聞いているだけの学生よりも成績が良さそうなイメージありませんか?
④エクササイズフォーム向上につながる
前回のブログで、正しいフォームでエクササイズを実施する事の大切さについて書きました。
トレーニング日誌に自分のフォームで気をつけるポイント等をコメントとして書き残し、次のトレーニングセッション開始前にそのコメントを見直す事で、前回と同じ間違いを繰り返す可能性を減らし、毎回エクササイズフォームを向上させる事が可能になります(ここで言うコメントはS&Cコーチから指摘された点を書き残す場合もあれば、自分自身で気付いた点を書き留める事もあるでしょう)。
コメントだけでなく、絵や図を描いてエクササイズチェックポイントを記録に残す事ができるのもアナログツールであるノートの利点です。
⑤トレーニング中の主観情報を記録に残す
トレーニング日誌に書き残せるのは、エクササイズ名やレップ数のような客観的なデータだけではありません。上記④で挙げたようなエクササイズチェックポイントに加えて、トレーニング中の気持ちや状態(「痛みがある」とか「トレーニング直前に食事をすると気持ちが悪くなるな〜」とか)等の主観的なデータも残す事ができます。
客観的なデータと主観的なデータの両者を組み合わせる事によって、トレーニング日誌をよりパワフルなツールにする事ができます。また、主観的なデータを見返す事で過去のトレーニング時の感情がよみがえってきたりして、モチベーションUPに繋げることも可能です。
まとめ
以上、トレーニング日誌をつける理由・利点をいくつか挙げてみました。
S&Cコーチによっては、用意したトレーニングプログラムシートに空欄を設けておいて、そこに使用した重量やレップ数等をアスリートに書き込んでもらうという方法をとっている方もいるでしょう。これはS&Cコーチがトレーニングの記録を残すという目的では有効かもしれません。
しかし、この方法ではアスリートの手元に情報が残らないため、例えば合宿や遠征等でアスリートがS&Cコーチのもとを離れる場合には、過去のトレーニング情報にアクセスする事ができず、適切な重量やレップ数をアスリート自身で選択するのが難しくなる可能性があります。また、S&Cコーチの用意したトレーニングプログラムシートには(恐らく)すでにエクササイズ名等が記入されているので、上記③であげた学習ツールとしての効果は薄れてしまいます。
こうした理由から、二度手間にはなりますが、S&Cコーチの用意したトレーニングプログラムシートに記入してもらい、さらにアスリート自身で用意したトレーニング日誌も付けてもらう、という方法が良いのではないかと思います。手間はかかりますが、それだけの手間をかけるだけの価値のあるツール、それがトレーニング日誌だと思います。
2016/6/28追記:最近は、S&Cコーチが用意したシートと自らのトレーニング日誌に2回同じことを書き込むのは、流石に面倒くさいかな〜と思いつつあります。S&Cコーチが用意したシートのみに書き込むか、あるいは、そのシートにはそもそも書き込まずに、自ら用意したトレーニング日誌のみに書き込んでおけばイイかな〜と・・・。