#163 スクワット動作パターンの補助ドリル例

公開日: : 最終更新日:2015/08/07 エクササイズ


 

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前々回のブログで、ストレングスエクササイズを動作パターンで分類する理由についてお話しました。先日韓国で実施したセミナーでは、5つの動作パターンを紹介し、それぞれについて3つずつ補助ドリルを紹介しました。今日はその例として、「スクワット」動作パターンの補助ドリルを3つ紹介します。これらの補助ドリルは、スクワットパターンのエクササイズの前に行い、補助ドリルとスクワットエクササイズの2種目を1つのペアとして1セット毎に交互に実施することもできます。あるいは、ストレングスセッションの最初のウォームアップに補助ドリルを組み込んでおくことも可能です。

 

片膝立ち足首モビリティドリル

足首の可動域(背屈)が制限されると深くスクワットをすることが難しくなります。ウエイトリフティングシューズ等を履くと、踵が少し高くなるので、多少スクワットがしやすくなりますが、できれば足首の可動域そのものを改善していきたいものです。そこで活用できるのが「片膝立ち足首モビリティドリル」です。

まず、片膝立ちの姿勢をとり、前脚の膝を前方に移動させていきます。この時、踵が床から浮かないように気を付けながら、踵が床から浮きそうになるギリギリのところまで重心を前方に移動させます。また、もう1つ重要なポイントはつま先に対して膝を内側に入れないという点です。つま先をまっすぐ向けて、膝もそれと同じ方向に(あるいは少し外側に)押し出すようにしましょう。オプションとして、上の動画の後半で見られるように、棒をつま先の真ん中の位置に立てておいて、膝をその棒の外側を通過させるという方法もあります。

私は通常、左右10回ずつ実施します。動画ではシューズを履いていますが、裸足または靴下で実施しても良いでしょう。

 

ロッキングヒップモビリティドリル

股関節屈曲の可動域が制限されると深くスクワットをすることが難しくなり、むりやり深くしゃがもうとすると背中が丸まって腰に負担がかかります。そんな時にオススメなのが「ロッキングヒップモビリティドリル」です。このドリルの目的は股関節包後部をほぐしてあげることにより、大腿骨骨頭の後方へのスムーズな滑り動作を促してあげて、股関節屈曲の可動域を改善することです。「股関節の前側がつまる感じがする」と訴えるアスリートにやらせると改善されることが多いです。この辺りのお話については、過去のブログで既に触れているので詳しくはそちらをご覧ください。

まず、四つん這いの姿勢をとり、片脚を身体の中心線をクロスしながら斜め後方に持っていきます。そして、逆の脚(前脚)の足を内側に入れます(股関節を外旋させる)。この姿勢で、脊椎をニュートラルにキープし、前脚の大腿骨の長軸方向に体重を乗っけながら、お尻を斜め後方(後脚の方向)に突き出していきます。前脚の股関節後方のあたりにストレッチ感を感じると思います。ストレッチ感をより強めたい場合は、両肘を床に置いてドリルを実施すると、股関節屈曲角度が増大して、より効くようになります。このドリルのポイントは「脊椎をニュートラルにキープする」ことと「前脚の大腿骨の長軸方向に体重を乗っける」ことです。

私は通常、左右10回ずつ実施します。ウォームアップよりもスクワットエクササイズのセット間に好んで取り入れることが多いです。

 

スパインスクワット

こちらもロッキングヒップモビリティドリルと同様、股関節前部のつまり感を訴えるアスリートに対して、股関節屈曲の可動域増大に活用できるドリルです。ロッキングヒップモビリティドリルでは股関節の関節包後部のモビリティへアプローチしましたが、「スパイン逆スクワット」は股関節屈筋(特に大腰筋) に刺激を入れるアクチベーションドリルという位置づけです。股関節を伸展させるのがメインのスクワット動作において、なぜ股関節屈筋に刺激を入れるのか、私自身最初は良く理解できませんでした。が、とりあえず自分で試してみると、確かにスクワットで深くしゃがみやすくなるのを実感したものです。大腰筋に刺激を入れることによって、股関節内での大腿骨骨頭のスムーズな滑り動作を助けるとか、体幹スタビリティを向上させることにより股関節モビリティを向上させるとかという理由があるのでしょう。また、大腰筋に刺激を入れておくと、腰椎のアーチをキープするのにも役立つ気がします。

まず、仰向けに寝て膝を胸に向けて持ち上げます。この姿勢で膝上に手を置いて下に向かって押しつつ、膝を更に胸に向かって引き付けるように力を入れます。股関節の開き具合やつま先、膝の方向はスクワットと同じにします。動きとしては「逆スクワット」といった感じです。自分の腕で押すバージョンに加えて、ゴムバンドをつま先にひっかけて引っ張るバージョンもあります。また、動画ではお見せしていませんが、パートナーに徒手抵抗をかけてもらう方法もあります。どのバージョンを使うにしても、重要なポイントは腰をニュートラルにキープしたまま股関節屈筋に力を入れる点です。

私は通常、3秒キープを8-10回実施します。ロッキングヒップモビリティドリルと同様、ウォームアップよりもスクワットエクササイズのセット間に好んで取り入れることが多いです。

 

まとめ

今回はスクワット動作パターンに分類されるエクササイズ(例:スクワット、フロントスクワット、オーバーヘッドスクワット)を適切なフォームで大きな可動域を用いて実施するのに役立つ補助ドリルを3つ紹介しました。3つを全て一緒に使う必要はありません。とりあえず3つ全てをアスリートにやらせてみて、一番効果のあるものを選んで実施するのがオススメです。あるいは、どれもある程度効果があるようなら、定期的にローテーションをしながら実施するのもありでしょう。是非、試してみて下さい。

 

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【編集後記】

少し風邪をひいて体調を崩してしまいました。身体が資本の仕事なので、もっと気を付けないといけないですね。みなさんもお気をつけ下さい。

 

 

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  • 河森直紀(かわもり なおき) PhD, CSCS

    1979年10月17日 神奈川生まれ 埼玉育ち
    ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチ。

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