#8 電子書籍の紹介「5/3/1 2nd edition」Jim Wendler著

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最近Jim Wendlerの電子書籍「5/3/1: The Simplest and Most Effective Training System to Increase Raw Strength」の第二版を購入して読んでいます。この本が紹介している5/3/1プログラムというのは基礎的な筋力を向上させるには非常に効果のあるプログラムだと思いますが、読んでいて一番参考になるのは具体的なセット数やレップ数の話ではなくて、このプログラムを作り上げたベースとなる考え方(philosophy)の部分です。この考え方は「Starting Strength」や「Practical Programming」の著者であるMark Rippetoeなどの考え方とも共通する部分であり、「トレーニングプログラミングにおける原理」と言っても過言ではないくらい超重要なものなので簡単に紹介したいと思います。

 

1. Emphasize Big, Multi-Joint Movements

jこれは、より高重量を扱える多関節エクササイズをメインにトレーニングするという事です。具体例としてはスクワット、デッドリフト、ベンチプレス、パワークリーン等が挙げられています。これに加えて、実際の5/3/1プログラムではプレス(オーバーヘッドショルダープレス)もメインエクササイズとして使われています。これらのエクササイズを用いることで、最も効率的に筋力と筋量を増やす事ができるとJim Wendlerは述べています。なぜこれらのエクササイズを用いるのが良いのか説明するためにMark Rippetoeの言葉を引用したいと思います:

“The reason we squat, deadlift, press, bench, and clean is that these exercises use a lot of muscle mass over a long ROM (range of motion), allow you to lift most weight with an exercise involving that muscle mass and ROM, and thus allow you to get strong”

 

2. Start Too Light

これは、あるトレーニングプログラムを始める時、自分のmaxに対して比較的軽い重量からスタートするという事です。例えば、スクワットの5RMが100KGだとしたら、最初は70-80KGx5レップから始めるといったところでしょうか。普通なら最低でも90KG以上の重量でトレーニングしたいところでしょうし、人によっては105KGからスタートしたいという意見もあるでしょう。5RMが100KGなのに70-80KGという軽い重量からスタートするというのは、本能的にピンと来ないかもしれませんが、できるだけ長期間、挙上重量を向上させ続けるという意味では非常に重要な事です。

 

3. Progress Slowly

これは2番目の考え方とも関係してきますが、挙上重量を一気に増やさずに少しずつ増やしていくという事です。上の例で言うと、スクワットの5RMが100KGの人が70KGx5レップから初めて、毎週2.5KGずつ挙上重量を増やしていくといったところでしょうか。これも本能的には5KGや10KGずつ増やしていきたいところですが、その衝動を抑えて少しずつ増やしていく事で、長期にわたって挙上重量を伸ばしていくことが可能であるという考え方です。2番目と3番目はなかなか理解しづらい部分かと思いますが、長期の向上という事を考えると、非常に重要な考え方だと言えます。

 

4. Break Personal Records (PRs)

これは、常に自己新記録(PR)を更新しましょうという事です。ここで言うPRとは必ずしも1RMの事だけを指しているわけではありません。例えば5RMでもいいですし、他のnRMでもOKです。また、挙上重量だけでなくレップ数においてPRを達成することも含みます。例えば100KGで5回できていたのが100KGで6回できるようになったらそれもPRとみなします。さらに言うと、100KGで3セットx5レップできていたのが、105KGで3セットx5レップできるようになった場合でもPRという事になります。1RMに固執せずに、いろいろな形でPRを更新していくことが筋力向上につながるし、さらには頻繁にPR更新をする事によりモチベーションも高く保つ事が可能となります。

 

以上、5/3/1プログラムのベースとなる考え方を紹介してみました。特に2、3番目は理解しづらい考え方かもしれませんが、要するに筋力を向上させるためには毎回max(最大)のトレーニングをする必要はなくて、submax(最大下)のトレーニングでも長期的に筋力を向上させ続けることは可能ですよという事なのだと思います。