#672 【アスリート向け】重要な試合に向けてのピーキングで絶対に避けるべきこと

 

Splash sport swimmer 73760

 

重要な試合に向けてコンディションを高めていきそのピークを合わせること(=ピーキング)。

その手段の1つとして「テーパリング」というものがあります。

テーパリングについては、私も専門家として本を書いたり、セミナーを開催したり、動画教材を販売したりしています。

テーパリングの詳しいやり方やメカニズム等を知りたい方は、そちらを参考にしてみてください(記事最下部にリンクをはっておきます)。

 

今日のブログでは、シンプルに、重要な試合に向けてのピーキングで絶対に避けるべきことについてお話します。

 

 

重要な試合に向けてのピーキングで絶対に避けるべきこと

さまざまなアスリートやチームが重要な試合に向けてピーキングをしている様子を観る機会があります。

で、残念なことに、なかなかうまくいかず失敗してしまうことのほうが多いという印象を持っています。

おそらく、狙った重要な試合において、そのシーズンでベストのパフォーマンスを発揮できるアスリートはほんの一握りにすぎないのではないでしょうか?

つまり、いろいろと考えてピーキングをやったにも関わらず、試合本番では自分の実力を出し切ることができずに終わってしまうアスリートのほうが多いということです。

 

自分の実力を出し切って負けるなら、まだ諦めがつくでしょう。自分の実力不足、力が足らなかったと。

しかし、そもそも自分の実力を出しきれず、「本当はもっとやれたはずなのに」「実力を出せたら勝っていたかもしれないのに」と悶々と悔やむのはアスリートしてとてもつらいことです。

 

そうした失敗の8割以上が、ある同じやり方で失敗してしまうパターンだと私は考えています。

ということは、その典型的な失敗パターンさえ避けることができれば、ピーキングに失敗してしまう確率をグ~ンと下げることができるはずです。

つまり、その典型的な失敗パターンこそ、「重要な試合に向けてのピーキングで絶対に避けるべきこと」なのです。

 

だいぶ引っ張ってきたので、ここで答えを発表します。

「重要な試合に向けてのピーキングで絶対に避けるべきこと」は、試合の数週間前(〜1ヶ月前)にいつも以上に練習やトレーニングの量を増やして追い込む時期を作ってしまうことです。

これをやらないだけで、ピーキングが失敗するリスクを大幅に減らすことができます。

 

 

なぜ試合前に追い込む時期を作らないほうがよいのか

ピーキングに失敗して、重要な試合で自分の実力を発揮しきれなかった経験を持っているアスリートは、思い出してみてください。

試合の数週間前(〜1ヶ月前)にいつも以上に練習やトレーニングの量を増やして追い込む時期を作ってしまっていなかったかを。

おそらく、心当たりのある方が多いのではないでしょうか?

正直に告白すると、私も昔は、こうしたやり方こそが正しいテーパリングだと勘違いしていました。

だから、心当たりのあるアスリートの気持ちはよ〜くわかります。

 

たぶん、「試合の数週間前(〜1ヶ月前)にいつも以上に練習やトレーニングの量を増やして追い込む時期を作っておくと、一時的に疲労が溜まってコンディションがめちゃめちゃ低下するけど、その後、試合までの残りの期間で練習・トレーニングを軽くして溜まった疲労を抜いていけば、大きなリバウンド効果が生じて、一気にパフォーマンスがグ~ンと高まる」という考えが背景にあるはずです。

イメージとしては、ドラゴンボールという漫画でサイヤ人が瀕死状態から回復すると一気に強くなるのと同じようなことが起こると思われているのかもしれません。

気持ちはよ〜くわかりますよ。

私も昔は漠然とそんなイメージを持っていたので。

 

しかし、残念ながら、実際には、試合の数週間前(〜1ヶ月前)にいつも以上に練習やトレーニングの量を増やして追い込む時期を作るようなやり方をしてしまうと、重要な試合に向けてのピーキングで失敗する確率が高まってしまいます。

その理由を解説します。

  • 理由①:あなたはサイヤ人ではない
  • 理由②:急に体力は向上しない
  • 理由③:疲労が抜けない

 

理由①:あなたはサイヤ人ではない

あなたはサイヤ人ではなく地球人です。

瀕死状態(疲れが溜まってコンディションがめちゃめちゃ低下した状態)から回復しても、一気に強くなることはありません。

 

 

理由②:急に体力は向上しない

重要な試合前に一気に体力を向上させたいという想いから、「一時的に追い込む→疲労を抜いていく」というやり方を選択したくなるんだと思います。

しかし、体力は急に向上しません。

体力っていうものは、継続してコツコツとトレーニングをすることで、少しずつ向上していくものです。

近道とかショートカットなんてありません。

だから、普段から継続して真面目にトレーニングをやっておけばいいんです。

そうすれば試合前に焦って何か特別なことをやろうなんて思わなくなります。

 

そもそも、「一時的に追い込む→疲労を抜いていく」というやり方のほうが体力向上効果が高いのであれば、試合前だけでなく普段からそのやり方を繰り返していればいいはずです。

そんなに効果が高いやり方があるのであれば、重要な試合前だけのために温存しておく必要なんてないんですから。

しかし、重要な試合前に「一時的に追い込む→疲労を抜いていく」というやり方をして失敗するアスリートの多くは、普段はそんなことしていないはずです。

継続してコツコツとトレーニングをするほうが効果があると頭のどこかでわかっているからでしょう。

 

 

理由③:疲労が抜けない

試合の数週間前(〜1ヶ月前)にいつも以上に練習やトレーニングの量を増やして追い込む時期を作ってしまうとピーキングに失敗する主な理由はこれです。

重要な試合までに疲労が抜けきらないのです。

 

追い込んで疲労が溜まると「よし、やるべきことはやったぞ!あとは疲労を抜くだけだ!」みたいな変な充実感があるかもしれません。

しかし、その疲労が抜けないことが多いのです。

結果として、普段よりも疲労が溜まっていてコンディションが悪い状況で試合にのぞむことになります。

 

よく、オリンピック直前にケガをしたアスリートが、それを乗り越えてメダルを獲得したりすると、感動ストーリーとして報道されることがあります。

あれは、ケガを乗り越えるだけの精神力があったり、多少のケガがあっても勝てるだけの圧倒的な実力差があったりというのが大きな要因でしょう。

しかし、私は密かに「ケガをしたことで強制的に練習・トレーニング量を減らさざるをえなくなり、結果として疲労が抜けて良いコンディションで試合に臨めたんじゃないか?」と思っています。

それを証明することはできませんが、可能性としてはあると考えています。

だから、もしケガをしていなかったら、逆に疲労が溜まってコンディションが悪い状態で試合日を迎えていたかもしれないのです。

そのくらい疲労を抜くというのは難しいことで、重要な試合までに間に合わないことが多いと私は感じています。

 

 

まとめ

難しいことは言わないので、とりあえず、重要な試合に向けてのピーキングにおいては、試合の数週間前(〜1ヶ月前)にいつも以上に練習やトレーニングの量を増やして追い込む時期を作ってしまうのを避けてください。

それだけを守ってもらえれば、失敗リスクをグ~ンと減らすことができます。

変に難しいことをしようとしなくても、それだけで十分です。

それだけで、重要な試合で実力を出しきれず後悔するアスリートの数が大幅に減るはずです。

 

もっと詳しく学びたい人だけ、以下を参考にしてみてください。

 

 

|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

【編集後記】

娘が離乳食をスタートしました。まずはお粥をミキサーでコーンポタージュ状にしたものを小さじ1杯程度から。