#720 S&Cコーチであれば知っておきたいPeriodizationとProgrammingの違い

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先日、車を運転しながら、ポッドキャストを聞いていました。

私のアメリカ留学時代の恩師であるDr. Haffがゲストに招かれて色々と話をしていたエピソードでした。

ゴルフ関連のチャンネルのようですが、話の内容はゴルフに限らずあらゆる競技に当てはまるトレーニングについてでした。

 

 

PeriodizationとProgrammingの違いをGoogleサービスの喩えで説明する

このポッドキャストの中で、Dr. HaffがPeriodizationとProgrammingの違いについて、非常にわかりやすく面白い比喩表現を使っていたので紹介します。

  • PeriodizationはGoogle Earth Viewのようなもの
  • ProgrammingはGoogle Street Viewのようなもの

私は個人的にこの比喩表現を聞いて「ワオ!なるほどな〜」と思ったのですが、皆さんはどうでしょうか?

ある程度、Googleが提供しているサービスと、PeriodizationやProgrammingについての知識がないとピンと来ないかもしれませんが・・・。

 

要するに、Periodizationはより俯瞰した視点で(1年や1シーズンといった長期的なスパンで)、トレーニングやコンディション調整をどのように進めていくかを計画するものであり、Programmingはそれを「プログラム」という具体的な形に落とし込む作業を指しているということです。

 

たとえば、オフシーズンが何ヶ月あって、シーズンはいつスタートして、重要な試合はいつあるのか、等のスケジュールを把握した上で、どの時期にどのような目的でどのようなタイプのトレーニングを実施しようかを計画するのはPeriodizationです。

一方、どのエクササイズをどの順番で実施するか、何セットx何レップやるか、レストは何分か、強度はどのくらいでやるかetcを具体的に決めるのはProgrammingです。

 

 

自分がやっていたことを振り返ってみると・・・

Dr. Haffの説明を聞いて「なるほどな〜」と思ったのですが、言われてみれば私もこれまで無意識にPeriodizationとProgrammingを別物としてやっていました。

 

まず、試合等の予定を調べて、1シーズン全体の計画を練ります(=Periodization)。

この段階では、あまり具体的なことまで決めず、大雑把に

  • 「この時期は試合がないから、量が多めのトレーニングをしてベースを作っておきたい」
  • 「シーズンが始まったらトレーニング量はある程度減らさないといけないけど、シーズンが何ヶ月も続いて長いから、体力低下を抑えるために、シーズン中もある程度しっかりトレーニングを継続しよう」
  • 「シーズン終盤の最重要な試合に向けては、テーパリングを実施してトレーニング量を減らしていき、preparednessを高めて行こう」

といった方針を立てていきます。

Periodizationに絡めてもっと具体的なことを言うと、たとえばオフシーズンはTraditionalもしくはBlockタイプのPeriodizationを採用して、シーズン中はDaily UndulatingタイプのPeriodizationを使おう、というぐらいまでのところはこの段階で決めておきます。

私はこの作業は基本的に1シーズン分(オフシーズンとインシーズンを両方含めて)やっておきます。

そして、シーズンが進むにつれて、適宜、必要であればこの大まかな方針に修正を加えていきます。

 

一方、A4の紙に印刷して選手に渡して「これをやるように!」と伝えられるくらい具体的なプログラムに落とし込む作業(=Programming)は、4週間毎にやることが多いです。

というのも、だいたい1つのブロックという形で、ほぼ同じ内容のプログラムを実施してもらう期間が4週間単位であることが多いからです。

もちろん、スケジュールや目的によっては、2週間とか3週間単位で1つのプログラムを作る場合もあるので、そこは臨機応変にやっています。

したがって、無意識のうちにPeriodizationとProgrammingは別物としてやっていたわけではありますが、それをGoogle Earth ViewとGoogle Street Viewという比喩表現を使ったDr. Haffの説明を聞いて、「あ、そういうことか!」と腹に落ちたのです。

ただ、その違いを明確に言葉にできていなかったという点で、私はまだまだ未熟だったということです。

 

 

ProgrammingとPeriodizationの腕を磨くためには?

Programmingについては、さまざまな科学的知見を参考にしやすい領域だと思います。

たとえば、筋力を向上したかったら、どの程度の強度でどの程度の量をどの程度の頻度でやればいいのか等についてはメタ分析等もされており、ある程度の科学的データが溜まっているので、その方針に従っていれば大きな失敗をすることはないはずです。

もちろん、個人差や環境の違い等もあるので、それも含めて考慮に入れてベストな選択をする必要があるのは間違いありませんが。

したがって、関連論文を読みこんでおくことでProgrammingの腕を磨くことができるはずです。

さらには、ただ科学的側面について知るだけでなく、実際に自分自身でトレーニングをやることも重要です。

科学的には正しいと思われることであっても、実際にやってみると「そんなことできるわけない!」みたいにこともあるので、やはり実際にやる経験も積んでおくことは不可欠です。

 

一方、Periodizationについては、科学的に検証するのがなかなか難しい領域です。

したがって、Periodizationについての科学的知見を求めて論文を読もうと思っても、なかなか適切なものを見つけることはできないのが現状です。

自分が担当しているアスリートやチームが置かれた状況(試合等のスケジュール)に応じて、「フィットネスー疲労理論」的な考え方を当てはめて、ロジックにもとづいてベストな選択をする。

それを繰り返すことで、Periodizationの腕を磨いていくしかないのかな〜と個人的には思います。

この能力はなかなか目には見えないものですが、トレーニング効果が競技成績という結果に結びつく可能性を高めるためには、極めて重要です。

まずは「フィットネスー疲労理論」の考え方を理解して活用できるようにするところから始めるとよいでしょう。

 

 

まとめ

言われてみればそうだよな〜ということであっても、それを言語化できるかどうかには大きな差があります。

言語化できると、頭の中が整理されて、それをよりよく活用できるようになります。

少なくとも私は、Dr. Haffの説明を聞いて、今後PeriodizationとProgrammingをよりうまく活用できる自信がつきました。

 

PeriodizationとProgrammingの違い以外にも、とても参考になる話が詰まった内容になっているので、冒頭で紹介したポッドキャストをぜひ聞いてみてください。

Dr. Haffの英語は比較的聞き取りやすいはずです。

 

 

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【編集後記】

NBAも新型コロナウイルスの影響でシーズンを停止しましたね。楽天NBAに払っている代金はどうなるんだろうか・・・。