新型コロナウイルスの影響で、アスリートには大きな影響がでています。
とくに、学校が休校になった学生アスリートは、部活ができずにつらい時期を過ごしていることでしょう。
こういう状況になってしまったものはしょうがないので、この状況下でできることを粛々とやるしかありません。
「自宅で実施可能なトレーニング」みたいなものをSNSやネットで発信している人もいるので、そういうのを参考にしてみるのもいいかもしれません。
問題は、そういった発信の質を判断するのが、専門家ではない学生アスリートにとっては難しいところなんですが・・・。
新型コロナウイルスの影響による休校措置が終わって部活を再開するときに気をつけるべきこと
今日のブログで私がお伝えしたいのは、休校期間をどう過ごすべきかではなく、休校措置が終わって部活を再開するときに気をつけていただきたいことです。
それは、いきなり休校前と同じ内容の練習・トレーニングをやらないでください!ということです。
理由はケガのリスクが増えるからです。
» 参考:アスリートがケガをしやすい時の2パターンを知っておいて、リスクを避けましょう
じゃあ、どうすればいいのか?その答えは:
- 休校前にやっていた練習・トレーニングよりも量を減らして再開する
- その後、徐々に量を増やしていって、時間をかけて休校前にやっていた量まで戻していく
ということです。
具体的にどうすればいいのか?
では、具体的に、どのくらい量を減らした状態から再開して、どのくらいの期間をかけて元の量まで戻していけばいいのか?
絶対的に「こうやるのがベスト!」という方法はありませんが、参考になる目安を紹介します。
①どのくらいの期間をかけて元の量まで戻していけばいいのか
まず、どのくらいの期間をかけて元の量まで戻していけばいいのかについては、以下のような計算式がAIS(オーストラリア国立スポーツ研究所)が出している白書で提唱されています:
元の量に戻すまでにかけるべき期間[週] = 0.5533 × (休止期間の長さ[週]) ー 0.0587 × (休止期間中の練習・トレーニング量[休校前の練習・トレーニング量を100としたときの%]) + 3.533
たとえば、休止期間が2週間で、その期間中に練習・トレーニングを一切やらなかった場合は:
元の量に戻すまでにかけるべき期間 = 0.5533 × 2 ー 0.0587 × 0 + 3.533 = 約4.6週間
ということになります。
もし休止期間が4週間に延長されて、その期間中に休校前に部活でやっていた練習・トレーニングの40%程度の量で自主練習ができていたとすると:
元の量に戻すまでにかけるべき期間 = 0.5533 × 4 ー 0.0587 × 40 + 3.533 = 約3.4週間
ということになります。
つまり、休止期間が長ければ長いほど、より長い時間をかけて休止前の量に戻していく必要があり、休止期間中に何かしらの運動を実施できていると、より短期間で元の量まで戻すことができるのです。
②どのくらい量を減らした状態から再開すればいいのか
これについては、AISの白書ではとくに言及がされていません。
普通に考えれば、上記の計算式から「元の量に戻すまでにかけるべき期間」を求めたうえで、その期間をかけて直線的に練習・トレーニング量を休止期間前のレベルまで増やしていけばよいはずです。
たとえば、上記の2つ目の例で考えてみると、休止期間中が40%の状態から3.4週間かけて100%まで直線的に増やしていくことになります。
3.4週間というのが中途半端でわかりづらいので4週間として考えると、たとえば以下のような増やし方が考えられます:
- 再開後1週目:52%(休止前のレベルを100%とした場合)
- 再開後2週目:64%
- 再開後3週目:76%
- 再開後4週目:88%
で、5週目からは休止前と同じ量で練習・トレーニングをすることができるようになる、といった具合です。
まとめ
本記事の後半の部分は、計算式とか数字とか出てきてわかりづらく感じるかもしれません。
そういう場合は、そこの部分は無視していただいて結構です。
重要なのは、本記事の前半でお伝えしたように、休校措置が終わって部活を再開するときには:
- いきなり休校前と同じ内容の練習・トレーニングをやらない ※ケガのリスクが増えるから
- 休校前にやっていた練習・トレーニングよりも量を減らして再開する
- その後、徐々に量を増やしていって、時間をかけて休校前にやっていた量まで戻していく
という点です。
ぜひとも、部活顧問の先生方には知っておいていただきたい内容です。
参考文献
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【編集後記】
アルコール消毒をしすぎて、手が荒れてきました・・・。