7/29(日)論文の読み方入門セミナー

#112 【論文レビュー】トレーニングの期分け(ペリオダイゼーション)の効果は科学的に証明されているのか?

 

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以前のブログで、トレーニングの期分けについて、盲目的にそれが絶対的な方法であると信じ込むのはいかがなものかと書きました。

そんな私の考えと似た考えを持った人が書いたレビュー論文を発見しました。英語で書かれているし、内容と表現がちょっと難しいのですが、読める人は一読をすすめます。 

Periodization paradigms in the 21st century: evidence-led or tradition-driven?

 

 

論文内容の面白いポイントの抜粋

論文内容をまとめようとしても、難しくてまとめられないので、面白いな〜と思った点だけ羅列します。

  • 期分けをした方がトレーニング効果が高いと結論付けている過去の研究のほとんど全てが、期分けグループ(例;3×10レップを1ヶ月→3×5レップを1ヶ月→3×3レップを1ヶ月)と期分けしていないグループ(バリエーションが全くないか最小限;例えば3×10レップを3ヶ月続けるとか)を比較して前者の優位性をその証拠としているが、そのような研究結果から論理的に結論付ける事ができるのは「効果のあるトレーニングにはバリエーションという要素が重要である」という事だけであって、特定の期分けモデルの優位性を示すものではない
  • したがって、トレーニングの期分けはベターなトレーニング方法・アプローチであると科学的に証明されている(エビデンスに基づいている)かのような認識がS&C業界にはびこっているが、実際には過去の経験にもとづいて構築された仮説にすぎない
  • 長期トレーニング計画においてバリエーションは重要な要素であるが、バリエーションが多すぎるとトレーニング効果は薄くなってしまう可能性がある
  • 特定の体力要素をターゲットとして集中してトレーニングを実施して(concentrated loading)バリエーションをあえて減らす時期をときには設ける事によって、その体力要素を急激に向上させる事ができる可能性があるが、そのような時期が長引いてしまうと、トレーニングが単調になってネガティブな影響が出る恐れがある
  • バリエーションとconcentrated loadingのバランスを取る事が最適なトレーニング効果を得るためには必要である
  • 同じトレーニングを実施しても個人によって適応は異なり、また個人内でも時期やコンディションによって同じトレーニングに対する適応は異なる
  • 特定の期分けモデルの提唱者がそのモデルの優位性を説明するのに、そのモデルを用いて成功したアスリートを例に挙げる事があるが、バイアスなしに客観的にそのモデルの有効性を検証するには、そのモデルを用いたが失敗した例についても取り上げる必要がある

 

 

まとめ

筆者は期分けそのものを否定しているわけではありません。バリエーションは重要だし、時にはconcentrated loadingを取り入れる事も重要だろうと言っています。これらの要素は期分けの提唱者も期分けモデルの重要な部分だと主張しているはずです。ただし、これら2つの要素を取り入れるイコール期分けではないし、そもそも期分けモデルの有効性は科学的に証明されているとは言えないと筆者は考えています。

一方で、科学的に証明されていないからといって、期分けの効果がないと言っているわけでもありません。非常に客観的な立場から論理的に物事を考えている事が伺えます。個人の意見と科学に基づいた客観的な事実をしっかり分けて考えましょうという、至極まっとうな主張をしているのです。

私も期分けそのものを否定する気はさらさらありません。ただ、「教科書的な期分けをしていないプログラムはダメだ」とか「私の作ったプログラムは筋肥大期・最大筋力期・筋パワー期・ピーキング期というふうに期分けされてるから効果がある」という感じで、深く物事を考えない事が問題だと訴えたいのです。

 

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