最近、球技系スポーツの世界では、GPSとかビデオを用いたトラッキング(追跡)システムが人気です。
試合中のアスリートの移動距離や総スプリント回数等のデータを即座にフィードバックしてくれます。
今シーズンから、Jリーグでも毎試合トラッキングシステムで試合を分析するようになったらしいですし。
しかし、スプリント回数を数える時に、スプリントの定義を「時速◯◯km/h以上で移動した場合」とすることが多く、個人的には「そんなスプリントの定義は完全に間違っているから、そんな定義をもとに数えられたスプリント回数も完全に間違ってるぞ!!」と思っています。
この点について、以前にツイッターでつぶやいたので、それを改めてブログ記事としてまとめて紹介します。
【1/2】 GPSやビデオシステムを利用したゲーム分析が最近流行っているけど、秒速6.8m以上の移動をスプリントと定義するのは間違っている ブンデス連覇へ王手をかけたバイエルンの走りの質(スポーツ報知) – Y!ニュース http://t.co/slKqkpUkgV
— 河森直紀 Naoki Kawamori (@kawamorinaoki)
【2】陸上100m走でスプリンターが秒速6.8mに到達するのに、1.5-2.0秒ほどかかる。スプリンターより遅いサッカー選手が立位からスタートしたら、2.0秒以上かかる。という事は、止まった状態から全力でスプリントしても、2.0秒以下のスプリントはスプリントと分析されない
— 河森直紀 Naoki Kawamori (@kawamorinaoki)
【3】サッカーのような球技においては、減速や方向転換をせずに長い距離をスプリントする事は少ない。「スプリントは秒速6.8m以上」という定義で分析すると、試合中に起こるスプリントの多くがスプリントではないと判断されてしまう。つまり、スプリント数を少なく見積もることになる。
— 河森直紀 Naoki Kawamori (@kawamorinaoki)
【4】そんな間違ったスプリントの定義を用いてサッカーの試合分析をした結果は間違ったものなので、間違った分析データをもとに「あーだこーだ」言うことは無駄だし、誤った結論を導く懸念すらある。
— 河森直紀 Naoki Kawamori (@kawamorinaoki)
【5】そういうデータを計測して、それを分析して、それをもとに色々と言うとカッコイイ感じがするし、科学的な感じもするけど、私から言わせれば「何もわかってないのにハイテク機器を使って、仕事した感じになってるだけのかわいそうな人だな〜」ということでしかないです。以上
— 河森直紀 Naoki Kawamori (@kawamorinaoki)
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【編集後記】
ドイツ人の同僚に勧められて、東京ブラックという黒ビールを飲んでみました。うまし!!