#822 具体的な方法論よりも根本的な考え方を発信することが多い理由

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Nathan dumlao eRPuU4WGqbM unsplash

 

私がブログやSNS等でトレーニング関連の情報を発信するときには、具体的な方法論よりも根本的な考え方を発信することが多いです。

拙著の「競技力向上のためのウエイトトレーニングの考え方」なんてまさにそうで、「考え方」について1冊まるまる使って書いていますが、具体的なエクササイズのやり方みたいな情報はゼロです。

一般的には、具体的な方法論を知りたがっている方のほうが多いのかもしれません。

ウエイトトレーニングのエクササイズのやり方とか、ウォームアップで何をするかとか、具体的なトレーニングプログラムの作り方だとか。

そっちのほうがコンテンツとしては人気が高いでしょうし、そういう情報を有料で提供したほうがたくさん売れて、ビジネスとしても儲かるだろうと思います。

 

しかし、それでも、私はどうしても考え方を発信することがメインになってしまうんです。

なんでだろう、と自分自身で振り返ってみました。

いくつか理由はありますが、一番の理由は「方法論よりも考え方のほうが優先順位が高い」と私が強く信じているからです。

逆に言うと、方法論を突き詰めているけど、そもそもの考え方が間違っているから、そこを突き詰めても意味ないよ、と思うケースを多く目撃してきたからです。

 

 

いかにしてフォークをうまく使ってスープを飲むかを考える!?

私がトレーニングに関連する情報を見て「方法論を突き詰めているけど、そもそもの考え方が間違っているから、そこを突き詰めても意味ないよ」と思うケースは、たとえるならば、スープを飲むための器具としてフォークを選択して、いかにしてフォークをうまく使ってスープを飲むかを一生懸命考えているようなものです。

もちろん、フォークの中にも、スープを飲みやすい形状のものもあれば、飲みにくい形状のものもあるでしょう。

また、フォークをうまく使ってスープを飲むテクニックみたいなものも、突き詰めて考えれば見つかるかもしれません。

しかし、そもそもの話として、フォークじゃなくてスプーンを選んだほうがいいんじゃないですか?ということなんです。

 

この「スープを飲むための器具として何を選ぶか?」というのがトレーニングにおける「考え方」に相当します。

つまり、「スープを飲みやすい形状のフォークを探す」というのは「間違った考え方にもとづいて方法論を突き詰めている」ということにあたるわけです。

時間の無駄ですよね。

そんなところに時間や労力を割くくらいなら、まずは「スープを飲むための器具として何が適しているのか」というところを間違えないように、しっかりと時間と労力をかけて「スプーン」という答えを見つけるほうがよっぽど効果的だし効率的です。

 

もちろん、方法論がまったく意味がないと言っているわけではありません。

そこも重要であることは間違いありません。

スープを飲むためにスプーンを選択しても、スプーンの柄のほうを使っていてはうまく飲めないし、コンビニでヨーグルトを買ったらもらえるような薄っぺらいスプーンでもスープは飲みづらいでしょう。

スープを飲みやすい形状のスプーンを選択して、適切な使い方でスープを飲むこと(=方法論)はもちろん重要です。

しかし、優先順位としては、フォークとか箸とかではなくてスプーンを選ぶこと(=考え方)のほうが高いですよ、というお話です。

 

私はたびたび、トレーニングの動きを実際の競技の動きに近づけるようなやり方を「誤った競技特異的トレーニング」と呼んで批判をしています。

そういうやり方をしてしまっている方々は、いかにしてトレーニングの動きを実際の競技の動きに近づけるかを工夫されていて、ときには「よくもまあ、そんなこと思いつくな!」と驚かされるようなアイデアをだしてきます。

でも、私からすると、スープを飲むためにフォークを選択し、いかにしてフォークをうまく使ってスープを飲むかを突き詰めているように見えるのです。

「いやいや、スプーンを使えばもっと簡単にスープを飲めるんだけど」

そう教えてあげるために、私は「考え方」についての情報発信を優先的にしているのかもしれません。

 

 

まとめ

なぜ具体的な方法論よりも根本的な考え方のほうが優先順位が高いのか?

私なりに考えた比喩表現を使って解説してみました。

皆さんも方法論を突き詰めて考える前に、まずはスープを飲むための器具としてスプーンを選択できているのか、を確認してみませんか?

 

 

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【編集後記】

あけましておめでとうございます。

2022年は自宅兼ジムを建てたり、プログラムデザインについてのオンラインコースを開講したり、大きな目標がたくさんあります。

まずは小さなことからコツコツとやっていきたいと思います。