
以前に以下のようなX投稿をしました↓
アスリートのリカバリーについては、基本的に「食って寝ろ!」と伝えるようにしています。科学的知見に基づいて突き詰めて考えていき、余分なものを極限まで削ると「食って寝ろ!」に行き着きます。これができていないのに他のことやっても無駄です。とにかくまずは「食って寝ろ!」です。
— 河森直紀 Naoki Kawamori (@kawamorinaoki)
かなり反響が大きかったので、深堀りしてブログ記事として解説します。
アスリートにとっての「リカバリー」
アスリートは練習や試合やトレーニングをすることで疲労します。
この「疲労」は、基本的には放っておいても時間がたてば消えていく(回復する)ものです。
しかし、練習・試合・トレーニングの強度が高かったり量が多かったり頻度が高かったりすると、疲労からの回復が間に合わないことがあります。
疲労が残っている状態で練習・試合・トレーニングに臨めば、パフォーマンスが低下したり効果が下がったりするでしょう。
さらに疲労が蓄積していけば、ケガやオーバートレーニングのリスクが高まる恐れもあります。
したがって、何かしらの手段を用いて疲労からの回復を早めることには、メリットがあるはずです。
そのようなメリットを求めて、さまざまなリカバリー手法がスポーツ現場では活用されていますし、企業も商品開発に力を入れていますし、研究によってその効果も調べられています。
アスリートであれば「リカバリー促進に繋がるようなものであれば、どんなものでも取り入れたい」という気持ちが強いでしょう。
とくに意識の高いアスリートほど、インターネットやSNSで自ら調べて、リカバリー促進に効果のありそうな手法を見つけたり、実際に試したりしているはずです。
その着眼点は素晴らしいですし、自らの身体のケアについて意識が高いのも称賛に値します。
科学的根拠に基づいた「リカバリーピラミッド」
しかし、リカバリー促進効果を求めてさまざまな手段を取り入れる際には、注意も必要です。
なぜなら、それらの手段の中には、全く効果がないもの・コスパが悪いもの・副作用があるもの、等が含まれているからです。
たとえば「冷水浴」はリカバリー促進効果はあるものの、ウエイトトレーニング直後に取り入れると筋肥大効果や筋力向上効果を阻害してしまう可能性があることが複数の研究によって報告されています。
» 参考:筋トレ後に冷水浴等のリカバリー手段を実施すると、逆にトレーニング効果が下がるかもしれないので気をつけましょう
「とりあえずやってみよう!」と軽い気持ちでやると逆効果になりかねないので、できれば専門家が科学的根拠をベースにアドバイスを与えてあげたいものです。
そこで役に立つのが、科学的知見をベースに提唱されている「リカバリーピラミッド」というコンセプトです。

この「リカバリーピラミッド」では、リカバリー促進効果が高い/科学的根拠がある手法が下の階層に位置しています。
逆に、上の階層に示されているものは、リカバリー促進効果が小さい/科学的根拠が乏しい手法です。
したがって、下の階層のリカバリー手法(睡眠と休息、栄養と水分補給)をまずは優先して実践することが強く推奨されます。
そのうえでプラスアルファを求めるのであれば(そして時間や予算などに余裕があるのであれば)、中間層のリカバリー手法(水浴、コンプレッション、アクティブリカバリー、ストレッチ、マッサージ)の導入も検討する、というのが適切な順番です。
※「水浴」のカテゴリーの中でも、冷水浴については使い方(目的、タイミング、頻度)を注意する必要があり、そこは専門家の判断が必要になります。
科学的根拠に基づいた「食って寝ろ!」
冒頭でシェアしたX投稿では、リカバリーのためには基本的に「食って寝ろ!」と主張しています。
一見すると、昔気質のオジサンがなんの根拠もなしに「とりあえず食って寝ておけば疲れなんて吹っ飛ぶぜ〜」と言っているだけのように聞こえるかもしれません。
オジサンである点は否定しませんが、根拠はちゃんとあるんです。
「リカバリーピラミッド」において下の階層に位置する「睡眠と休息」と「栄養と水分補給」をシンプルにわかりやすく表現したものが「食って寝ろ!」だからです。
あまりお上品な言い方ではないかもしれませんが、アスリートへのメッセージはできるだけシンプルにしたほうが伝わりやすいし実践してもらいやすい、というのが私の信念です。
そういう点では「食って寝ろ!」というメッセージは秀逸だと思いませんか?
もちろん、相手や状況に合わせて文言は変えていただいて構いません。
「まずはお食事をして、ゆっくりお休みください」とかでもいいです。
でも可能であれば「食って寝ろ!」のほうがインパクトあるし伝わりやすいと私は思います。
そして、なにより大切なのは、同じメッセージを繰り返し伝えることです。
必要であれば、一度、「リカバリーピラミッド」について解説して「科学的根拠に基づいて考えるとリカバリーのために重要なのは睡眠・休息・栄養・水分補給なんだよ」と伝えておくのもよいでしょう。
そのうで、繰り返し伝えるのであればシンプルなメッセージである「食って寝ろ!」が最適だと私は思います。
まとめ
「リカバリーピラミッド」という科学的根拠に基づいたコンセプトを背景にしつつ、アスリートに伝えるメッセージは「食って寝ろ!」とシンプルにする。
この組み合わせが最強です。
ぜひとも自信をもってアスリートには「食って寝ろ!」と伝え続けていただき、必要に応じて「リカバリーピラミッド」についても解説できるように準備しておいていただければ。
このブログ記事をアスリートに紹介して読んでもらうのもオススメです!
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【編集後記】
先日、さいたまスーパーアリーナで行われたBABYMETALのライブに初参戦してきたんですが、最高でした。
やはり生バンドの爆音を身体で浴びるのは違いますね。
床から振動が伝わってきました。
1週間ちょっと経ちましたが、ロス状態です。
いや〜、早くライブを収録したBlu-ray発売しないかな。。。