私が初めてトレーニング指導をさせていただく場合、最初のセッションで指導する内容はだいたい決まっています。
ただ、あくまでも「だいたい」です。
事前に「このエクササイズをやってもらおう」と計画していても、セッション中に「あ、できなそうだな」と判断したら、そのエクササイズをやっていただくことはありません。
代わりに、そのクライアントさんができそうだと思われる、難易度のより低いエクササイズをやっていただきます。
「だいたい」が通用しなかったら、「だいたい」種目をやるっていう・・・。
できないことを無理してやっていただいても誰も得しません。
狙ったフォームで実施できなければ、ケガや痛みに繋がるリスクもあるし、期待したような効果も得られないので、クライアントさんにとってメリットはゼロです。
また、「できない」ことによって自尊心が傷ついたり、トレーニングに対するモチベーションが低下したりするかもしれません。
そんなことをやらせる私に対する印象も悪くなってしまう恐れもあります。
「win-win」ならぬ「lose-lose」のシチュエーションです。
したがって、私の中ではある程度の「トレーニングの進め方」のフォーマット的なものは決まっているのですが、そのとおりに進まずに遠回りすることも多いし、進めるのにかかる時間もクライアントさんによって千差万別です。
パーソナルトレーニングの場合は、クライアントさんの体力レベル等に合わせて適切な代替エクササイズを提供したり、トレーニングの進捗状況に合わせて適切なスピードで難易度を上げていったりできます。
チームでのトレーニング指導の場合は、そこまで個別対応はできないので、全体を見ながら判断をすることになります。
ウエイトトレーニングを教えるのがラクなクライアントさんと大変なクライアントさんの違い
私の中での「トレーニングの進め方」のフォーマット通りにトレーニングをドンドン進めていけるクライアントさんと、遠回りが必要だったりなかなか進んでいかなかったりするクライアントさんとでは、何が違うのかな〜とたまに考えることがあります。
おそらく複数の要因が関わっているので、「〇〇が違う!」と単純化することはできません。
とはいえ、「これがあるのとないのとでは、トレーニングを進めるスピードが大きく変わる」「これがあるクライアントさんはトレーニング指導が比較的ラクだ」と思う要因があります。
それは「柔軟性」です。
柔軟性の高いクライアントさんの場合、最初のセッションで「このエクササイズをやってもらおう」と計画していたものが問題なくこなせるケースが多いです。
逆に、柔軟性が低いクライアントさんの場合、「あ、できなそうだな」と判断して代替エクササイズに切り替えるケースが多いです。
わかりやすい例を挙げると:
- ①柔軟性は高いけど筋力は低い
- ②柔軟性は低いけど筋力は強い
という2つのタイプのクライアントさんがいたとすると、前者のタイプのほうが圧倒的にトレーニング指導がラクなんです。
柔軟性があれば、私が「適切なフォーム」と考える動きをやってもらえる確率は格段に高くなります。
筋力が低いという弱点は、扱う重量を軽くすればまったく問題なくなりますし、その後適切なやり方でトレーニングを継続していただければ、次第に筋力を向上させることも容易です。
一方で、柔軟性が低いと、私が「適切なフォーム」と考える動きをやってもらえる確率が低いので、現時点での柔軟性で問題なく実施できる代替エクササイズに切り替える必要がでてきます。
その代替エクササイズをやってもらって筋力を向上させつつ、それと並行して、モビリティドリルやらフォームローラーゴロゴロやら、ありとあらゆる手段を用いて柔軟性の改善に努めることになります。
で、私の経験上、柔軟性を高めるよりも筋力を高めるほうがはるかに簡単です。
まず、柔軟性の向上には時間がかかります。
そして、週に1-2回のトレーニングセッションだけでは柔軟性改善には足りないので、毎日のようにクライアントさんご本人に努力をしていただく必要があります。
それをやるモチベーションの高さ次第で、柔軟性の改善にかかる期間も変わってきます。
新型コロナ感染拡大の状況が落ち着いたら専門家からトレーニング指導を受け始めようと考えているアスリートが自粛期間中にやっておくべきこと
現在の新型コロナ感染拡大にともなう自粛期間においては、多くのアスリートがいかにしてジムに行かず自宅でウエイトトレーニングを実施して体力低下を抑えようかと考えていることでしょう。
バーベルやダンベルが使えない自宅でのトレーニングで具体的にどのような工夫ができるのかについて、SNSやブログやYouTube等で発信している専門家も多いので、それを参考にするといいでしょう。
ただ、これまでウエイトトレーニングをほとんどやったことのないアスリートや、やっていたけど自己流でやっていて専門家からちゃんと教わったことがないアスリートにとっては、そのように発信されている情報を見るだけで、適切なトレーニングを自分自身でやるのは難しいと思います。
今後もウエイトトレーニングに取り組むつもりのないアスリートであれば、自粛期間中だけ無理してやってもあまり意味がないので、だったらやらないほうがマシです。
しかし、感染拡大が落ち着いたら専門家の指導の元でウエイトトレーニングを本格的に始めたいと考えているアスリートがいたら、この自粛期間中はとりあえず「柔軟性」の改善に全精力を注ぎ込むことをオススメします。
すでに説明したように、柔軟性を高めておけば、ウエイトトレーニングを適切なフォームで実施できる可能性が高くなります。
フォーム習得や柔軟性改善に時間をかけることもなく、ドンドン筋力を向上させることができる準備を整えておくことができるのです。
「柔軟性」の改善方法についても、SNSやブログやYouTube等で発信されています。
ウエイトトレーニングとは異なり、器具が必要ないケースが多いので、それらを参考にして自宅でも十分に取り組むことができるはずです。
まとめ
新型コロナ感染拡大が落ち着いてきたらウエイトトレーニングを始めようと考えているアスリートがいたら、この自粛期間中はぜひとも柔軟性の改善に取り組んでみてください。
いざウエイトトレーニングを開始しようとしたときに、スタートダッシュを切ることができるはずです。
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【編集後記】
バルクスポーツのビッグホエイ(バニラアイス味)をアイスコーヒーで割ると美味しいというツイートをしました:
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— 河森直紀 Naoki Kawamori (@kawamorinaoki)
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