#751 【アスリート向け】トレーニングを教えてもらうなら、遠くの優秀な専門家か、近くの並の専門家か

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専門家からトレーニングを指導してもらいたい、というアスリートは一定数いるはずです。

そんなアスリートが直面する課題は主に以下の2つでしょう:

  • 課題①:お金がかかる
  • 課題②:どう選んでいいかわからない

①については、ある程度お金がかかってしまうのはしょうがないです。

専門家に依頼をするわけですから。

そこにお金を使った結果として、ケガをしづらくなったり、競技成績が向上したりすることで、使ったお金以上のリターンが将来的に望めるのであれば、「必要な投資」と考えるのが良いでしょう。

もちろん、そのリターンは必ずしも金銭的なものとは限りません。

また、完全1対1のパーソナル指導だと料金が高いから、少人数グループやチーム単位で少しずつお金を出し合って指導をしてもらう、といった工夫も可能です。

 

一方、②については、なかなか難しい問題です。

トレーニング指導の専門家の腕の善し悪しなんて、専門家以外にはなかなか見極めがつかないでしょう。

また、トレーニング指導を依頼する専門家を選ぶ基準は、腕の善し悪しだけではなく、他にもさまざまな要素を考慮に入れたうえで見極める必要があります。

今日は、その中でも「近い・遠い」ということにテーマを絞って、トレーニング指導の専門家の選び方について解説します。

 

 

指導してもらいたい専門家を見つけたけど、遠くて通えない・・・

どうせお金を払うのであれば、できるだけ優秀な専門家にトレーニング指導をしてほしい。

アスリートであれば、そう考えるはずです。

ま、誰が優秀かどうかの見極めが難しいところなのですが、それはとりあえず置いておいて、ネット検索等で「この人の指導を受けてみたい」と思える指導者を見つけることができたとします。

その人があなたの通える範囲内で活動をされているのであれば、ぜひとも指導を受けてみてください。

まずは数カ月間、継続してトレーニング指導を受けてみることをオススメします。

» 参考:トレーニング指導を受ける相手を選ぶための3ステップ

 

問題なのは、ネットで見つけた専門家が遠くで活動されていて、定期的に通うのが難しい場合です。

たとえば、あたなが北海道に住んでいて、指導を受けてみたい専門家が東京で活動をしている、みたいなパターンです。

がんばれば月に1回とか、数ヶ月に1回くらいは飛行機で通えるかもしれません。

でも、週1回くらいのペースで指導をしてもらうのは難しいでしょう。自家用ジェットでも持っていたらできるかもしれませんが。

 

そこで、次に、自宅から通える範囲内で活動されている専門家に絞って、ネット検索等で調べ直してみたとします。

そして、何人か良さそうな専門家は見つかりました。

でも、先程見つけた遠くで活動している専門家と比べると、ちょっと見劣りする気がします。

そんな場合、どうすればいいのでしょうか?

 

 

トレーニングを教えてもらうなら、遠くの優秀な専門家者か、近くの並の専門家か

話を単純化するため、以下の2つのタイプの専門家の比較という形で話を進めます:

  • 遠くの優秀な専門家
  • 近くの並の専門家

実際のところは、トレーニング指導の専門家の腕の善し悪しを「優秀・並・ダメ」みたいにランク付けするのは難しいでしょうが、あくまでも、アスリートが自身でいろいろと調べたうえで感じた専門家レベルと捉えておいてください。

 

で、ここでの問題は、遠くの優秀な専門家に1ヶ月〜数ヶ月に1回という低頻度で指導を受けるか、近くの並の専門家に週1~2回という高頻度で指導を受けるか、どちらが良いのかということです。

結論から言うと、私は後者をオススメします。

つまり、より頻繁に専門家から指導を受けることのほうが、専門家の腕の善し悪しより重要だということです。

 

その理由を、トレーニングを指導する側の立場から説明してみます。

トレーニング指導の専門家が提供するサービスを大雑把にわけると、「トレーニングプログラム作成」「エクササイズ指導」が主要な2つになります。

で、前者の「トレーニングプログラム作成」に関して言うと、近い・遠いはあまり関係ありません。

アスリートから競技における目標を聞いたり、体力面での課題を確認したり、競技スケジュール等を確認したりすれば、それをもとに計画を立てて、プログラムに落とし込むことは可能です。

で、どうせプログラムを作ってもらうのであれば、優秀な専門家に作ってもらったほうが、結果に繋がる確率は高まるはずです。

 

一方、後者の「エクササイズ指導」については、やはり直接アスリートの動きを見させてもらうことが重要です。

その上で、修正が必要な部分を見極めて、そこに優先順位をつけて、適切な声がけをする。

この作業ってすごい重要で、そのようなコーチングを提供することで、狙ったトレーニング効果を得られるような動きでエクササイズを実施してもらえるのです。

まったく同じエクササイズをやっていても、その動き(=フォーム)次第でトレーニング効果には雲泥の差がでてくるものです。

また、ケガや痛みがでないような動きを身につけてもらうためにも、直接会って「エクササイズ指導」をすることは重要です。

 

で、この「エクササイズ指導」については、やはりある程度の頻度でコーチングをさせてもらわないと、なかなか難しいと感じています。

どれだけ優秀な専門家であっても、数ヶ月に1回しか指導できないようでは、トレーニングにおける適切な動きをアスリートに身につけてもらうのは不可能でしょう。

私も月1回程度の契約でチーム等のトレーニング指導を依頼されることがありますが(予算の問題を抱えているチームは回数が制限されることが多い)、基本的にはお断りしています。

ある程度は柔軟に対応しますが、できるかぎり週1回に近いペースで指導させてもらえないと結果を出すことが難しいからです。

結果が出なければ、先方の時間や労力やお金を無駄にしてしまうので、お断りしているのです。

 

さらに言うと、さきほど「トレーニングプログラム作成」については近い・遠いはあまり関係ないと言いましたが、実際には多少関係あります。

というのも、エクササイズを適切な動きで実施できるかどうかが「トレーニングプログラム作成」に影響を及ぼすからです。

特定の目的のためにエクササイズをプログラムの中に入れても、柔軟性や筋力等の不足により、狙った目的を達成するような動きでそのエクササイズを実施できないのであれば、エクササイズを変更する必要があります。

これには、ある程度頻繁に指導をして、アスリートの動きをチェックすることが不可欠であり、やはり、「トレーニングプログラム作成」にも近い・遠いは少し影響を及ぼします。

 

以上のような理由から、できれば週1回程度のペースで定期的に指導をしてもらったほうがトレーニング効果がでる可能性は高いです。

遠くにお住まいのアスリートが、私のブログ等を読んで、私の指導を受けたいと思ってもらえたとしても、もし通える範囲内でより頻繁に指導してもらえる専門家がいるのであれば、そちらの方に指導をしてもらうことをオススメします。

私も「遠隔指導」というプランを用意しているのですが、それでも、近くで頻繁に指導を受けられるのであれば、そちらの方がアスリートにとっては良いというスタンスです。

 

とはいえ、ここまでのお話が当てはまるのは「遠くの優秀な専門家」と「近くの並の専門家」を比較した場合です。

「近くのダメな専門家」に頻繁に指導してもらうよりは、「遠くの優秀な専門家」にたま〜に指導をしてもらうほうが遥かにマシです。

残念ながらダメな専門家って結構いるので、気をつけてください。

見極めは難しいですが、以下の記事等を参考にして、できるだけダメな専門家に引っかからないように気をつけていただければ。

» 参考:要注意!こういったパーソナルトレーナーは選んではいけません!避けるべきパーソナルトレーナーの8つの特徴

 

 

まとめ

アスリートが専門家から頻繁にトレーニング指導を受けることの重要性を説明しました。

そして、それにもとづいて考えると、遠くの優秀な専門家と近くの並の専門家のどちらかを選ぶのであれば、迷いなく後者を選ぶべきです。

トレーニング指導を依頼する専門家を選ぶときに参考にしていただければ。

 

ただし、ダメな専門家に頻繁に指導を受けてしまうと、せっかく一生懸命にトレーニングに取り組んでも、逆に身体が固くなったりケガをしやすくなったり動きが悪くなったり、ということはありえます。

最低でも「並」レベル以上の専門家を近くで探してみてください。

どうしても近場で「並」レベル以上の専門家が見つからなければ、遠くの優秀な専門家に頼るのもアリでしょう。

私も「遠隔指導」というサービスを提供しているので、どうしても近場に並以上の専門家が見つからない場合は、どうぞ頼ってきてください。

トレーニング指導プラン(「遠隔指導」サービスを含む)

※現在は「遠隔指導」サービスは休止しています。

 

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【編集後記】

7月から行きつけのジムが再開し、すでに3回のトレーニングを実施しました。

徐々に身体が慣れて、トレーニングしても筋肉痛になりづらくなっているのを感じます。

repeated bout effectってすぐに発動するって知っていたけど、実感すると改めて「すごいな」と思います。