久しぶりに長いタイトルのブログ記事です。
たぶん、短くてわかりやすくてインパクトのあるタイトルを作る才能が私には欠けているのでしょう。
まあ、YouTube動画とかで視聴数を伸ばすためだけに過激なタイトルをつけているのが嫌いなので、そっちの方向に走るくらいだったら、長たらしいタイトルしかつけられないままでいいんですけど。
エクササイズの正しいやり方を身につけるまでの間だけでも、お金を払って専門家から指導を受ける
本ブログにおいて、私は以前から、アスリートが専門家からウエイトトレーニングの指導を受けることをオススメしています。
ずーっと指導を受け続けるのが金銭面で難しかったとしても、せめて数カ月間だけでも専門家の指導を受けて、まずは正しいエクササイズのやり方を身につけてほしいと思っています。
独学で身につけた間違ったやり方でトレーニングを続けるよりも、最初にお金を払って正しいやり方を教えてもらったほうが、長期的にみると効果が出るので、投資としては十分なリターンが期待できるからです。
» 参考:【アスリート向け】戦力の逐次投入は愚策。トレーニングに投資するなら全戦力を一気に投入する戦略で
「河森がそこまでオススメするなら、エクササイズの正しいやり方を身につけるまでの期間だけでも、専門家にお金を払って教えてもらおう!」
そう思ってくれたアスリートは素晴らしいです。投資のセンスがあります。
ただ、投資できるお金に限りがある場合、できるだけ最小限の投資で最大限のリターンを得たいと考えるのが普通でしょう。
この場合の「最小限の投資」というのは、エクササイズの正しいやり方を身につけるまでの期間だけお金を払って専門家から指導してもらい、その後は指導を受けずに自分でトレーニングを継続する、ということです。
となると、エクササイズの正しいやり方を身につけるまでにかかる最低期間は何ヶ月間なのか?というのが気になるところでしょう。
たとえば、3ヶ月あればエクササイズの正しいやり方を身につけることができるのであれば、3ヶ月間だけお金を払って専門家から指導を受けて、その後は契約を解除して、自分でトレーニングを継続することが、最小限の投資でリターンを狙える賢い戦略ということになります。
じゃあ、実際のところ、何ヶ月あればいいのでしょうか?
これは正直言って、ズバリと言い切るのが難しいです。っていうか不可能です。
だから、本ブログ記事のタイトルでも「『少なくとも◯ヶ月間は専門家からトレーニング指導を受けたほうがいい』の◯に具体的な数字を入れるのが難しい」と言っているのです。
「少なくとも◯ヶ月間は専門家からウエイトトレーニング指導を受けたほうがいい」の◯に具体的な数字を入れるのが難しい理由
理由はいくつかあります:
①指導を受ける頻度によって変わる
②指導開始時のアスリートの状態によって変わる
③指導時とそれ以外でのアスリートの取り組みによって変わる
①指導を受ける頻度によって変わる
たとえば、週2回ウエイトトレーニングを実施するとして、2回とも専門家から指導を受ける場合と、1回だけ指導を受けてもう1回はセルフでトレーニングをする場合とでは、エクササイズの正しいやり方を身につけるまでにかかる期間は異なります。
一般論として、指導を受ける頻度が多いほうが、より短い期間でエクササイズの正しいやり方を身につけることができるはずです。
かなりの長い期間にわたって継続して専門家からのトレーニング指導を受けるのであれば、週1回だけ教えてもらって、もう1回ないし2回はセルフでトレーニングをする、というやり方のほうが金銭的負担を抑えることができるというメリットがあるかもしれません。
しかし、「お金を払って専門家から教えてもらうのはエクササイズの正しいやり方を身につけるまで(=最小限の投資をする)」と割り切っているのであれば、直接指導を受ける頻度が週2回でも週1回でも、トータルの投資額はそれほど変わらないでしょう。
たとえば、トータル16回の指導を受けたらエクササイズの正しいやり方を身につけられるアスリートがいたとして、単純計算すると週2回だと2ヶ月かかり、週1回だと4ヶ月かかります。
1回あたりの指導料金が1万円だとすると、どちらの頻度で指導を受けたとしてもトータル16万円かかるのは変わりません。
その一方で、週2回の頻度で指導を受けたほうがより短い期間でエクササイズの正しいやり方を身につけられる可能性は高いです。
だったら、「お金を払って専門家から教えてもらうのはエクササイズの正しいやり方を身につけるまで」と割り切っているケースにおいては、高頻度で指導を受けたほうがメリットが大きいケースが多いのではないかと、個人的には思います。
②指導開始時のアスリートの状態によって変わる
エクササイズの正しいやり方を身につけるためには、特定の部位の柔軟性や筋力が必要だったりします。
専門家からトレーニング指導を受け始める段階において、それらの前提条件が揃っているアスリートの場合、適切な身体の動かし方さえ覚えてしまえば、エクササイズの正しいやり方を身につけることができます。
一方、それらの前提条件が揃っていないアスリートの場合、必要な部位の柔軟性や筋力を鍛えるのに時間がかかってしまい、なかなか正しいやり方でエクササイズを実施できない、なんてことがあります。
私もこれまで数多くのアスリートを指導してきました。
初回の指導セッションで、彼ら・彼女らの動きをみれば、だいたいどこの柔軟性が足りないか、どこの筋力が足りないか、見当をつけることができます。
で、「これは不足している柔軟性や筋力を改善するのに時間がかかりそうだな」と思うこともあれば「ある程度の前提条件は整っているから、あとは身体の使い方のコツさえ掴めれば、すぐにエクササイズの正しいやり方を身につけることができそうだな」と思うこともあります。
当然、前者のタイプのアスリートはエクササイズの正しいやり方を身につけるまで長い期間がかかりますし、後者のタイプは早く身につけることができます。
③指導時とそれ以外でのアスリートの取り組み姿勢によって変わる
上記②で説明した、指導開始時の状態が同じようなアスリートの間でも、その後の成長率に差がでることがあります。
柔軟性や筋力がかなり低いレベルのアスリートでも、その後かなり急速に改善される場合もあれば、めちゃくちゃ時間がかかる場合もあるのです。
その差を生んでいるのが、指導時とそれ以外でのアスリートの取り組み姿勢です。
たとえば、指導時に私がエクササイズについて色々と説明をしたり、声がけをしたりしたときに、一生懸命メモをとっているアスリートは成長率が高い傾向にあります。
メモを取らないアスリートは、同じことを繰り返し指摘されることが多い印象です。
また、メモをとる・とらないに限らず、高い意識をもって取り組んでいるアスリートは、指導していてもそれが伝わるものです。
そして、そのようなアスリートのほうが、より短期間でエクササイズの正しいやり方を身につける傾向があります。
また、指導時以外に自分で予習・復習をしっかりとやっているか・いないかでも、成長率が全然変わってきます。
基本的に指導開始初期には、エクササイズの正しいやり方を身につけてもらうために、自体重もしくは軽い重量でトレーニングをやってもらうことが多いです。
身体にとっての負担は少なく疲労もそれほど溜まらないので、動きの練習だけであれば毎日やってもらってもいいですよ、と伝えたりします。
それをやっているか・いないかは、直接見ることはできないのですが、動きを見ればだいたいわかります。
「あ、前回の指導時から今日までの間に、しっかりと自分で練習してきたな」という感じで。
そういうアスリートは、エクササイズの正しいやり方を身につけるのが早いです。
逆に、「あ、前回指導した後、全然自分では練習してないな」と感じるアスリートもいますが、そういう人はエクササイズの正しいやり方を身につけるのが遅いです。
まとめ
「エクササイズの正しいやり方を身につけるまでの期間だけでも、専門家にお金を払って教えてもらう」というのは投資としては賢いやり方です。
ただ、その期間を見極めるのは非常に難しいです。
やってみないとわからないからです。
だから、私も「せめて数カ月間は専門家の指導を受けるのがオススメです」みたいな言い方しかできず、具体的な数字をお示しすることができないのです。
あえて具体的な数字を提示する場合は「最低1年間」と言うことが多いです。
私の経験上、指導を受ける頻度が少なかったり、指導開始時のレベルが低かったり、取り組み姿勢がイマイチだったりしても、少なくとも1年間指導を受けてもらえれば、ある程度はエクササイズの正しいやり方を身につけてもらえる、という感触があるからです。
取り組み姿勢が全然ダメな場合は、1年かけても身につかないでしょうけど、そんな人は1年続く前にやめていくので。
ただ、実際のところは、エクササイズの正しいやり方を身につけるだけなら、1年間もかからないケースが多く、数ヶ月間というのが妥当なところでしょう。
しかし、それが2ヶ月なのか10ヶ月なのかは、状況によって大きく変わるということです。
また、本ブログ記事で言及しているのはあくまでも「エクササイズの正しいやり方を身につけるまでにかかる期間」です。
それと「トレーニングが競技成績向上に結びつくまでの期間」はまったくの別物なので、混同しないようお気をつけください。
当たり前ですが、後者のほうがはるかに長い期間がかかります。
» 参考:トレーニング効果が競技成績向上に結びつく実感を得るのにかかる時間
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【編集後記】
昨日は0歳の息子の夜泣きがいつも以上にヒドく、かなりの睡眠不足です。
っていうか昨日だけでなく、もう慢性の睡眠不足なんですけどね。
やはり睡眠って需要ですね。
もし、私が現役のアスリートだったとして、リカバリーのために投資をするとしたら、まずは寝具等にお金を使うだろうと思います。
睡眠がなによりリカバリーとしては効果が高いですから。