#841 ウエイトトレーニングをすると「痛みが出にくくなる」というメリットを短期間でも実感しやすい

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ウエイトトレーニングを実施して体力を向上することで得られるメリットは大きく2つあります:

  • ①アスリートとしてのポテンシャルを広げる
  • ②ケガをしづらい身体づくり

この2つのメリットを通して、最終的に競技力向上に繋がるようになるわけです。

 

これまで私は、後者の「ケガをしづらい身体づくり」の重要性はなかなか伝わりづらいという印象を持っていました。

どちらかというと地味でアピール力も乏しく、あまりセクシーではないメリットだからです。

しかし、最近は少し考え方が変わってきて、「実感してもらうまでにかかる時間」という点では、「ケガをしづらい身体づくり」のほうが早いのではないか、と感じるようになりました。

このことについて、少し詳しく解説します。

 

 

 

ウエイトトレーニングをすると、練習量が増えて疲労がたまる時期に痛みが出にくくなる

多くのアスリートにトレーニング指導をしてきた経験上、これまでケガを一切したことがなく、身体の痛みもまったくない、というアスリートはほぼゼロです。

とくに、ちょっとした「痛み」というのは、多くのアスリートが抱えながら競技をしているのが現実です。

常に「痛み」があるアスリートは少ないですが、練習量が増える時期には痛みがでる、というアスリートは珍しくありません。

練習量を増やす時期は、それなりの練習効果・トレーニング効果を狙って意図的に増やしているはずなので、そこで痛みがでてしまって練習量を抑えざるをえなくなるのは非常にもったいないです。

 

そんなアスリートが、私の指導するウエイトトレーニングに取り組んでくれると、「最近は痛みが出ることなく、競技に集中することができています」というフィードバックをくれることが多いです。

繰り返しそんな経験をするうちに、言葉で説明してもなかなか伝わりづらい「ケガをしづらい身体づくり」というウエイトトレーニングのメリットですが、実際にやってもらうと実感してもらいやすいのかな〜と感じるようになりました。

もしかしたら「ケガをしづらい身体づくり」という言い方を「ケガをしづらく痛みの出にくい身体づくり」と言い換えたほうがいいのかもしれません。

 

もちろん、ウエイトトレーニングは万能の薬ではありませんし、実際に何かしらのケガをしていて痛みがあるのであれば、治療とリハビリを優先してもらう必要があります。

しかし、とくにケガをしているわけでもなく、治療やリハビリが必要なわけでもないのに、練習量が増えると痛みがでる、といった場合においては、ウエイトトレーニングが有効です。

まあ、なんでもかんでも重いバーベルを持ち挙げればよい、というわけではなく、ウエイトトレーニングの「やり方」もかなり重要なんですが。

» 参考:ウエイトトレーニングをやると膝が痛くなるとか、いきなりメインセットやると肩が痛いから何セットもウォームアップセットをやって痛みを和らげないといけないっていうのは何かがおかしいです

 

 

「痛みが出にくくなる」というメリットは、比較的すぐに実感してもらいやすい

ウエイトトレーニングの成果が、実際の競技力や競技成績の向上に繋がるまでには、かなりの時間がかかります。

ケース・バイ・ケースではありますが、一般的には「年単位」の時間がかかる、というのが私の持論です。

» 参考:トレーニング効果が競技成績向上に結びつく実感を得るのにかかる時間

 

一方で、「ケガをしづらい身体づくり」とか「練習量が増えても痛みが出なくなる」といったメリットは、ウエイトトレーニングに取り組み始めて数ヶ月でも実感してもらえる印象があります。

つまり、ウエイトトレーニングに取り組んでもらう前に、口頭で説明するぶんには理解してもらいづらい「ケガをしづらい身体づくり」とか「練習量が増えても痛みが出なくなる」といったメリットは、取り組んでもらいさえすれば比較的すぐに実感してもらいやすい、という特徴があるのです。

頭では理解してもらいづらいけど、身体では感じてもらいやすい、とでも言いましょうか。

 

この、短期間でもメリットを実感してもらえる、というのは非常に重要です。

もちろん、アスリートがウエイトトレーニングに取り組む究極の目的は競技力や競技成績の向上なんですが、すでに説明したとおり、それには年単位の時間がかかります。

それだと、アスリートの立場で考えると、トレーニング指導者を信用して、継続してウエイトトレーニングに取り組もうというモチベーションを維持するのが難しいでしょう。

とくに、個人でトレーニング指導料を払っているアスリートであれば「こんなにお金払っているのになかなか結果がでなくて、本当に意味あるのかな?お金の無駄なんじゃないかな?」と疑ってしまうのはしょうがないことです。

とはいえ、結果がでないからといって1年未満の短期間でコロコロとトレーニング指導者を変えてしまうと、それはそれで逆効果です。

» 参考:トレーニングプログラムや指導してもらう専門家を頻繁に変えていたら効果が出るものも出ません。

 

そこで役に立つのが、比較的短期間でも実感してもらいやすい「痛みが出にくくなる」というメリットです。

ウエイトトレーニングに取り組み始めて数ヶ月で「あれ、最近は痛みが出ることなく、順調に練習できているな」と実感してもらえれば、「今やっているウエイトトレーニングのやり方・方向性は間違っていない、このまま継続していこう」と思ってもらいやすいでしょう。

極端な話、ウエイトトレーニングのメリットが「ケガをしづらくなる」とか「痛みが出にくくなる」ということだけだったとしても、質の高い練習をたくさんの量こなせるようになるのであれば、理屈としては競技力向上に貢献できるはずですから。

 

ウエイトトレーニングの効果が競技力向上や競技成績向上に繋がるまでには年単位の時間がかかるけど、それよりも早く「痛みが出にくくなる」というメリットは感じてもらいやすいから、そこを感じてもらうことで継続してウエイトトレーニングに取り組んでもらい、長期的には競技力向上や競技成績を実現する。

そんなイメージです。

 

 

まとめ

トレーニング指導をする専門家の立場で考えると、ウエイトトレーニングを競技力向上や競技成績向上に結びつけるまでには年単位の時間がかかってしまうので、どうやってこちらを信用してもらって継続して取り組んでもらえるか、というのは非常に大きな課題です。

その解決策の1つとして、比較的短期間で実感してもらいやすい「痛みが出にくくなる」というメリットを戦略的に使うのは重要なのではないでしょうか?

もちろん、そのためには、ウエイトトレーニングのやり方そのものも重要です。

ウエイトトレーニングをやることで逆に身体のあちことが痛くなる、なんてことになるとまったくの逆効果ですから。

やることで逆に痛みがなくなり身体が動かしやすくなる、そんな健康的なウエイトトレーニングの指導能力を磨きたいものです。

 

また、もしこの記事をアスリートが読んでくれているとしたら、1つだけアドバイスがあります。

専門家からウエイトトレーニングの指導を受けるようになって数ヶ月たっても「痛みが出にくくなる」というメリットが感じられない場合、あるいは逆に痛みを感じるようになった場合、そのウエイトトレーニングのやり方はよくない可能性が高いです。

もし、専門家を変えられるのであれば、その時点で変えることを検討してください。

ただし、ウエイトトレーニングを開始して数ヶ月で競技成績がうなぎのぼりにUPすることは考えづらいので、そこは年単位で考えてください。

 

 

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【編集後記】

先日、映画館で「トップガン マーヴェリック」を観てきました。

めちゃくちゃ良かったです。

ここ何年かで観た映画の中でもトップです。

DVDとかじゃなくて、映画館でこそ見るべき映画ですね。

トム・クルーズすごいわ。