現在、「VBTの科学的基礎セミナー」への参加申込を受け付けています。
4時間のオンラインセミナーで、参加費は3万円です。
この「3万円」という価格が高いのか安いのか、私なりの考えを解説します。
「原価+欲しい利益」
個人事業主であれ、会社の社長であれ、自分でビジネスをしている方は「値付け」の難しさをよくご存知のはずです。
たとえば、モノを売るようなビジネスの場合は、「原価+欲しい利益」という形で値付けをすることが一般的でしょう。
一方、セミナーを自主開催する場合は、モノを製造するわけではないので、原価があまりかかりません。
私の場合は、オンラインセミナーで利用しているZoomの有料プランの代金、インターネット利用料、申込受付やメール自動返信に使っているシステムの使用料、スライドに使う有料写真の代金、無料で手に入らない論文の購入費、などが「原価」に相当します。
おそらく全て合わせて1万円かかるかどうか、程度です(1回のセミナーあたり)。
もちろん、それ以外にも、私の時間を使ってセミナー準備をしたり、当日にお話をしたりするわけなので、そのぶんの「作業賃」もかかります。
ただ、その作業賃をどのように見積もるのか、もなかなか難しいところです。
また、参加人数もなかなか予測ができません。
たとえば、必ず20名来る、ということであれば、「20×セミナー参加費」を計算したうえで、その値段が「原価+欲しい利益」になるようにセミナー参加費を設定すればいいわけですが、現実的にはそう簡単には行きません。
セミナー参加費によっても参加人数が増減するし、セミナーのテーマによっても参加人数が増減するからです。
つまり、「原価+欲しい利益」という形で、いろいろと積み上げていってセミナー参加費を決定する、という値付けのやり方は難しいし、現実的ではないのです。
相場を参考にする
原価から積み上げていく以外にも、セミナー参加費の値付けをする方法はあります。
「相場を参考にする」というやり方です。
同じ分野における他のセミナーの参加費を調べて、それらと同じくらいに設定するわけです。
たとえばATTACK NETのセミナー情報なんかは、スポーツ関連のセミナーの告知が数多く掲載されているので、そこをざーっとチェックすれば、大体の相場感を掴むことができます。
私もフリーランスとして独立して、セミナー自主開催を始めた頃はよくチェックしていました。
数時間のセミナーであれば、数千円程度が相場です。
1万円を超えるような場合は、1日がかり、もしくは数日かけて、実技を中心に具体的なスキルを習得させるようなセミナーが多い印象です。
おそらく、初めてセミナーを自主開催しようとお考えの方は、そのあたりの値段設定が妥当ではないかな〜と思います。
私のセミナーの値付け
じゃあ、私のセミナーの値付けも相場を参考にして同じくらいに設定しているのかというと、していません。
たとえば、現在参加申込を受付中のセミナーは4時間で3万円です。
これは相場の倍以上の値段です。
じゃあ、なんで私がこの値段設定にしているのかというと、明確な理由はなく「なんとなく」です。
セミナー自主開催を始めた頃は、パーソナルトレーニング指導料の相場が1時間あたり6千円台と聞いたことがあったので、それを参考にしていました。
「1時間あたり6千円台をお客様から頂戴しているのであれば、自分にとって必要だと思うセミナーに参加するのに同じくらいの金額を払えるはずだ!」と考えたわけです。
そこから少しずつ値上げをしてきて、今の金額に落ち着いています。
・・・なんて言ったらもっともらしく聞こえるかもしれませんが、「パーソナルトレーニング指導料とセミナー参加費を同額にする(1時間あたり)」という理屈は、よくよく考えてみると、わけわからないですよね。
まあ、実際のところは、こじつけにすぎません。
パーソナルトレーニングをしていない方がセミナーに参加される場合は、全然関係ないですしね。
モノを売るビジネスと違って、セミナー開催のようにサービスを提供するビジネスの場合、値付けの根拠はあってないようなものです。
だから「なんとなく」でエイヤッと決めている、というのが真実に近いです。
原則として、大企業であれば薄利多売でも利益をだせるのでしょうが、私のような個人事業主の場合は厚利少売を狙う必要があるので、相場よりも高い値付けを意識しています。
とはいえ、あまりにも高すぎると申し込んでいただけなくなってしまうので、「河森のセミナーは高いけど、それに見合った価値を提供しているから参加してやるか」と思っていただけるギリギリのラインを攻めているつもりです。
3万円のセミナーは高いのか?
セミナー参加費の値付けに対する私なりの思考について解説したうえで、最初の疑問である「3万円という価格が高いのか安いのか?」について考えていきます。
正直言って、セミナーを提供している立場からすると、これは激安である、くらいに捉えています。
私のセミナーの場合、テーマに関する論文を読みまくったうえで、それをめちゃくちゃ整理してわかりやすく解説しているつもりです。
また、科学的知見を現場のトレーニング指導でどう活用するかについても、経験に基づいて私なりの考え方をお伝えしています。
それらの知識や情報をイチから仕入れようとすると、何年間もの時間と数十万円から数百万円のお金が必要になることもあるはずです。
それどころか、それだけの時間やお金を費やしても、私がセミナーで提供する内容までたどり着けないことだってあるでしょう。
それをたった3万円で手に入れることができるのであれば、それはもう激安としか言いようがないではありませんか!!
また、私自身も受講者としてさまざまなセミナーに参加していますが、そのうえで、私のセミナーのほうがより高い価値を提供できている、という自信があるので、相場よりも高い値段をつけています。
値段の絶対値で言えば、私のセミナーのほうが高いですが、相対的な値段(提供している価値あたりの値段)という観点では、私のセミナーのほうが激安である、と考えています。
つまり、私が提供している3万円のセミナーは全然高くない、むしろ激安である、というのが私のスタンスです。
とはいえ、価値をどう捉えるかは人によって異なります。
自分で論文を読みまくって整理して理解したうえで、それを現場でのトレーニング指導に活用することの困難さを知っている人からすると、3万円を払うだけの価値はある、と感じてもらいやすいのではないかと思います。
激安だ!とは思わないまでも、それだけの価値はある、くらいに感じてもらえる方がお申し込みいただいているのであろう、と受け止めています。
逆に言うと、そのあたりの価値を理解できないOR価値を感じていただけない方からすると、「めちゃくちゃ高いな、ボッタクリじゃないか!」と思われるかもしれません。
それはしょうがない、と割り切っています。
私がセミナーで提供する価値を評価していただけない方は、自分にとってはお客様ではない、というスタンスです。
「3万円」という価格を高いと捉えるか安いと捉えるかについては私にはコントロールしようがないので、安いOR十分にそれだけの価値がある、と思ってお申し込みいただける方に向けて全力で価値を提供するのみです。
ありがたいことに、私のセミナーはリピーターの方も多いので、今のところは値段に見合うだけの価値は提供できているのだろうと受け止めています。
相場と比べて値段が高い分、それに見合った価値を届けられなくなったら、あっという間にお客様は離れていってしまう、リピートしてもらえなくなってしまう、という危機感をもって、1回1回のセミナーに全力で取り組んでいます。
ブログであらかじめ価値を提供する
いろいろと説明してきましたが、3万円というセミナーの値付けでもお申し込みをいただける理由として忘れてはいけないのが、私がブログで価値を提供し続けてきた、という点です。
セミナーを受講される方の立場からすると、セミナーの内容は事前にはわからないので、3万円を払うに見合うだけの価値があるかどうかを事前に判断することはできません。
無料もしくは数千円程度のセミナーであれば、失敗してもいいからとりあえず申し込んでみるか、となるかもしれませんが、3万円となるとかなり身構えることになるはずです。
たとえセミナーのテーマが面白そうだったとしても、どこの馬の骨ともわからない人が講師なのであれば、3万円をポンと払うのは難しいでしょう。
だからこそ、事前に無料または安価で価値を提供して信用を積み重ねておくことが、高単価商品をご購入いただくためには必須です。
私の場合はそれが本ブログにあたるわけです。
「あれだけのブログを書いている河森だから、3万円を払っても十分に見合う価値を提供してくれるはずだ」
そう思っていただくことで、相場よりも高い価格設定のセミナーであってもお申し込みいただけている。そう受け止めています。
まとめ
いろいろと書いてきましたが、結局、3万円のセミナーは高いのでしょうか?
それは人による、というのが私の結論です。
私の提供する価値を評価していただける方にとっては納得できる値付けでしょうし、そうでない方にとってはボッタクリ価格に感じるでしょう。
セミナー準備はめちゃくちゃ大変なので、価値を感じていただける方に対して相場よりも高い値段で提供する、というのが私としても納得感があります。
「無料もしくは安い値段だったら参加してやるよ!」という人のために頑張るモチベーションはありません。
試しに安めの値段設定でセミナーを開催したこともありますが、変なお客様率が跳ね上がったので、もうやることはないでしょう。
つまり、相場よりも高い値付けをすることで、客層が良くなる、というメリットもあるのです。
セミナーを開催しようと考えていて、値付けに悩まれている方に参考になれば幸いです。
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【編集後記】
先日、家族旅行で山梨に行き、桃の食べ放題なるものを経験しました。
40分1本勝負!!
いや、桃ってそんな大量に食べられるものではないな、ということを学びました🍑