サッカーW杯が近づき、関連報道も増えてきました。いくつかのニュースを読むと、代表チームが鹿児島・指宿合宿でかなり量の多いトレーニング・練習を実施していた様子がうかがえます。
代表チームとして集合した直後に、そして所属クラブでの長いシーズンを終えた直後に、そのようなハードなトレーニングを実施した意図はわかりません。わかりませんが、一部のメディアの論調(解釈)として、「一度ハードな練習・トレーニングで身体を追い込んでおいて、その後徐々に練習・トレーニングの量を減らしていくことによって、疲労が抜けていき、次第に身体のキレや運動量も増えていく」というものがあります。
このように「1回身体を追い込んでからその後疲労を抜くのがコンディションのピークを作るのに適している」という類の考え方は、一般的に信じている人が多いような気がしますが(一部の専門家でさえ)、私は反対です。その理由を説明します。
- 1週間やそこらキツいトレーニングをしたからといって、体力は急激に向上するものではない
- たとえ短期間で体力が向上したとしても、その後トレーニング量を大幅に減らしたら短期間で失われてしまう
- 身体が慣れていない状態でいきなりキツいトレーニングをしたらケガのリスクが高まる(酒井高徳選手がケガしたのは偶然?)
- コンディションをピークに持っていくためには一度疲労困憊まで追い込まないといけない、という考え方には根拠がない
- たとえビークに持っていけるとしても、W杯のように長期間にわたって試合を戦い抜く必要がある場合は、そもそもピークを作るのが適切だとは限らない
- むしろピークを作らずそこそこのコンディションを維持しつつ怪我人を出さないようにするほうが重要
ということで、代表チームのコーチ陣の意図はわからないので批判するつもりはありませんが、一部のメディアの論調については明確に反対します。以前にセミナーに参加して非常に共感した「サッカーのピリオダイゼーション」という理論のほうがはるかに適切だと思うのですが。
#9 【セミナー報告】「サッカーのピリオダイゼーション」イントロダクションセミナー #96 【セミナー報告】「サッカーのピリオダイゼーション」アドバンスセミナー
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【編集後記】
最近は「餅は餅屋」という言葉の重要性を非常に強く思います。