職人としてのS&Cコーチ
S&Cコーチはある意味「職人」です。
アスリートのパフォーマンス向上に体力面から貢献するため、トレーニングプログラム計画についての知識を身に付け、エクササイズ指導の腕を磨き、職人として「技」の向上を追求し続けるのは大切なことです。
私はNHKの「プロフェッショナル」という番組のファンで、さまざまな分野の「職人」がどのようなこだわりをもって仕事をしているのかを観るのが大好きです。
パン職人さんがその日の天気によってパンの焼き時間を変えたり、焼鳥職人さんが一串一串のバランスを考えながら串打ちを行ったり。「いいね〜、職人だね〜」なんて心の中でつぶやきながら番組を観ています。
そして、私自身もどちらかというと職人気質なところがあり、自らの技を磨くのが結構好きな人間です。
経営者としての視点
ただ、フリーランスとして活動を始めてからは、「職人として腕を磨いていれば、それを求めてお客さまが勝手に来てくださるはずだ」なんて考えが甘っちょろいということに気づきました。
S&Cコーチとしての自分の技には自信があったので、独立してトレーニング指導のクライアント募集を開始したら、申し込みが殺到するんじゃないかなんて変な心配をしていました。
しかし、蓋を明けてみると、そんな心配は杞憂に終わりました。
申し込みは殺到しなかったのです。
なぜ申し込みが殺到しなかったのでしょうか?
そして、どうすれば申し込みが来るようになるのでしょうか?
「職人」としての私であれば、「まだまだ実力が足りなかったんだ。もっと腕を磨かねば!」と考えて、セミナーに参加したり本や論文を読んだりして、さらに技を向上するための行動を取るでしょう。
しかし、おそらくそれでは問題は解決しないはずです。
原因は「職人」としての私の実力不足ではなく、「経営者」としての私の戦略にあるからです。
「経営者」としての視点で考えるのであれば、「トレーニング指導サービスのターゲットである競技アスリートに、私という存在をもっと認識してもらわないと。そして、私がS&Cコーチとしていかに優れているかを知ってもらわないと。私が彼ら・彼女らの問題を解決できる存在であり、トレーニング指導料を支払うだけの価値のある専門家であると理解してもらわないと」と思うはずです。
そして、問題改善のための具体的な対策としては、ターゲットに向けた発信を強化することが最優先事項となります。
このブログも長年書き続けてきて閲覧数もだいぶ増えてきているので、同業者からはかなり認識していただいていると考えています。
しかし、トレーニング指導サービスのターゲットである競技アスリートに対しての発信がまだまだ足りていないと反省しています。
一応、ブログでも「アスリート向け」の記事をちょこちょこ書いてはいますが、まだまだ数が圧倒的に足りません。
そして、もっと戦略的に、トレーニング指導サービスへの申し込みに繋がるようなブログ記事を書かないといけないなと考えています。
まとめ
どれだけ「職人」としての腕が良かったとしても、目の前にお客さま(=競技アスリート)が来てくれないことには腕を披露することもできません。
たとえて言うならば、日本の家電メーカーが非常に質の高い携帯電話を開発していたにも関わらず(=職人としての腕は良かった)、それをいかに売るかという戦略の部分でアメリカのアップルや韓国のサムソンに遅れをとってしまい(=経営者としてイマイチだった)、結果として技術面だけでいうとそれほど最先端の製品ではないiPhoneやGalaxyに売上では大きく差をつけられているのに似ているかもしれません。
「職人」としての腕が必要でないと言っているわけではありません。
それは必要だし、腕を常に磨き続けるのは当たり前のことですが、それだけでは売上には繋がらないということです。
いかにして自分の存在を顧客ターゲットに知ってもらうか、そして自分が提供するサービスの良さをいかにして伝えるのかといった点については、「経営者」としての視点で考える必要があるのです。
このあたりの考え方については、以下の本がオススメです。
職人としての技には自信があるのに売上があがらないとお悩みのフリーランスの方は読んでみてください。
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【編集後記】
昨日からムーブメント指導のインターンを始めました。
朝倉さんのアシスタントをしながら、職人としての腕を磨かせていただきます。