できるだけ科学的知見にもとづいたトレーニング指導を提供して、アスリートの競技力向上に貢献するのが私のこだわりです。
もちろん、競技力向上に関することすべてが科学的に解明されているわけではないので、100%科学的知見にもとづくことは不可能です。
また、科学的知見だけでなく、私自身の指導経験も参考にはしますし、アスリートの意見も参考にします。
それでも、「できるだけ」科学的知見を追い求めようと努力する姿勢は重要だと考えています。
知れば知るほど・・・
できるだけ科学的知見にもとづいたトレーニング指導を提供しようとすると、多くの科学関連情報を集めて・読んで・理解をしておく必要があります。
で、ツイッターやブログ、RSS等、さまざまな方法を使って科学関連情報の収集を行っているのですが、結局のところ、あらゆる科学関連情報の元ネタを探ると学術論文に行き着くので、最終的には学術論文をたくさん読み込むことになります。
私は、S&Cコーチとしては、学術論文の読み込み度は世界でもトップクラスだと自負しています。
しかし、科学的知見について知れば知るほど、昔から当たり前だと思われていたようなことでも、必ずしもそうとは言い切れないんじゃないか、と思わざるをえないことが増えています。
たとえば、試合後にスタティックストレッチをすることは、疲労回復のために重要であると考えられてきました。
アスリートに対して、試合後に「しっかりストレッチしろよ!」と指示をしたり、試合後のストレッチをさぼるアスリートに対して「アイツはダメだな、しっかり試合後にストレッチするように教育しないと!」なんて言っている指導者はよく見かけます。
しかし、科学的知見について知れば知るほど、試合後にスタティックストレッチをすることがそれほど重要なのかどうかについて、私は自信を持って断言できなくなっています。
» 参考:【論文レビュー】試合後にスタティックストレッチをしても疲労回復は促進されない!?
もちろん、試合後にスタティックストレッチをすることがマイナスの影響がある(例:疲労回復が遅れる)という科学的知見もないので、それが絶対にダメとは言えません。
だからといって、そこまで自信たっぷりに「試合後はトレッチしろよ!」なんて言えちゃう人は、私の知らない情報でも持っているのかな〜と不思議でなりません。
いったい、どんな根拠があってそんな偉そうに言い切っているのかしら?
他にもっとやるべきことがあるんじゃないかしら・・・。
つまり、知れば知るほど、自信を持って断言できることが減っているのです。
だから、なんでもかんでもハッキリと断言している同業者を見ると、ちょっと胡散臭く見えてしまうんです。
特に、私が科学的知見を持っていないトピックについて自信たっぷりに断言している人を見ると。
その一方で、十分な科学的知見があって、どう考えてもこれは正しいだろうと思えることについては、自信を持って断言できるようになります。
面白いものですね。
まとめ
科学的知見について知れば知るほど、自信をもって断言できることは減っていくのですが、本当に科学的知見がクリアなことについては、かなり自信をもって言い切れるようになります。
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【編集後記】
我が家の周辺では、学生が昨日から夏休みに入ったようです。
長い夏休みが羨ましい気もしますが、逆に休みが1ヶ月以上もあったら、何をやっていいのかわからないですね。
大人になったということでしょうか・・・。