一昨日に新刊「競技力向上のためのウエイトトレーニングの考え方」出版記念セミナーの第2回目を開催しました。
セミナー参加者のみなさんが、すでに本を読まれているか質問したところ、以下のような結果でした:
- 読んだ:62%
- 読んでない:38%
3分の2近くの方が、セミナー参加前に、すでに本を読まれていたことになります。
つまり、その方たちにとっては、セミナーに参加しても、新しい情報が得られるわけではない、という状況でした。
というのも、セミナーの内容は、本の内容とほぼ同じだったので。
そのような状況で、いかにして価値を提供できるのだろうか、とセミナー主催者として悩みました。
「読む」と「聞く」という異なるインプットを組み合わせて理解度UP
とはいえ、「本を読む」のと「著者の説明を聞く」のとでは、インプットの手法が異なるので、同じ内容でも理解の仕方が変わるはずで、結果として理解度がUPする、という確信もありました。
実際に、セミナーの冒頭でもその点をお伝えしました。
また、すでに本を読んだ方も読んでいない方も、セミナーで私の話を聞いた後で、もう一度本を読み直していただくようお願いしました。
私の説明を聞いた上で本を読んでいただけれが、さらに理解が深まるはずだと考えたからです。
» 参考:受ける側としての「聞く・読む」と提供する側としての「話す・書く」 〜内容がかぶっても異なる手法を組み合わせることで効果はあがる
「知っている」のレベルを意識する
もう1つ、すでに本を読まれていた参加者を念頭に、セミナーの冒頭でお伝えしたことがあります。
それは、「本に書いてあるような内容(例:ウエイトトレーニングの意義)をアスリートや競技コーチに説明する機会もあると思いますが、河森だったらこういう感じで説明するんだな〜という視点でセミナーを聞いてみてください」ということです。
この発言の背景には、「ただ知っているだけなのと、相手が理解できるようにわかりやすく説明できるのとでは、大きな差がありますよ」という私からのメッセージも含まれていました。
つまり、「知っている」ということにはいくつかのレベルがある、ということです。
私がそのような考え方をするようになったのは、こちらのネット記事を読んだことがキッカケです↓
» 参考:5分で分かる、“提案の説得力を高める”コツ|ITmedia エンタープライズ
この記事では、「知っている」ということが5つのレベルで説明されています:
- レベル0:はじめて聞いた
- レベル1:言葉を知っている
- レベル2:意味を知っている
- レベル3:価値を知っている
- レベル4:説明できる
私の本をお読みいただいた方の場合、その「知っている」レベルは0から4まで、人それぞれだと思います。
が、少なくとも私と同じレベルでわかりやすく説明できるくらい「知っている」方は少数派のはずです。
もし私がセミナー当日に体調を崩したら、急遽代わりにセミナー講師を務められるくらいの深いレベルでこのトピックを「知っている」人はほんの一握りのはずです。
ということは、たとえ本を読んでその内容をすでに知っていた方であっても、セミナーに参加していただくことは無駄にならず、「知っている」のレベルを深めることに貢献できるはずだ、という想いで私はセミナーに臨んだということです。
まとめ
本を読んだり、ツイッターでツイートしたりいいねしたりすると、その発信者と同じレベルで自分も「知っている」気分になりがちです。
著名な誰かが発信した有益な情報を、引用RTなどで「同意です!」「私もそう思ってました!」と呟けば、簡単にその著名な人と同レベルの知識・思考レベルであることをアピール出来るのがTwitterです。 pic.twitter.com/MtIGu2bs3g
— Anezaki (@AnezakiAnezaki7)
しかし、自分がどのレベルで「知っている」のかを自覚しておくことは重要です。
なにかしらの情報をインプットしたときは、それだけで満足せずに、自分の中でしっかりと咀嚼したうえで、わかりやすく説明できるくらいまで「知っている」レベルを深める努力をしていただければ。
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【編集後記】
加湿器を買い替えました。
以前は超音波式のものを使っていたのですが、お手入れが大変で使い勝手が悪かったです。
今回は象印のスチーム式のものにしました。お手入れがラクなので、今のところ満足です。