#665 筋トレすると疲労からの回復が早まるのか?それとも、疲れにくくなるのか?

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Tom sam qf9SL6zdNi0 unsplash

 

今日、以下のようなツイートをしました。

「筋トレ(=ウエイトトレーニング)を実施し始めたら、疲労からの回復が早くなったような気がする」とのお客様からの感想です。

このお客様は、6ヶ月ほど私のトレーニング指導を受けていただいています。

ウエイトトレーニングを指導している立場としては、「筋トレは万能なんだから疲労回復も早くなるに決まってるじゃないですか!」と言いたいところですが、冷静に考えてみると、自信を持ってそうも言い切れない気がしました。

 

 

筋トレすると疲労からの回復が早まるのか?それとも、疲れにくくなるのか?

このお客様が、私の指導するウエイトトレーニングをやるようになってから「練習やレースからの回復が早くなった気がする」とお感じになっているのは事実です。

たとえ主観であったとしても、アスリートがそう感じるのであれば、何かしらポジティブな効果がウエイトトレーニングによってもたらされていることは間違いありません。

問題は、このお客様がそう感じた原因がどこにあるか、です。

少し立ち止まってみて、2つの可能性があると考えました:

  • 可能性①:疲労から回復する「リカバリー能力」が実際に向上した
  • 可能性②:そもそも練習やレースで疲れないようになった

 

可能性①:疲労から回復する「リカバリー能力」が実際に向上した

ウエイトトレーニングを実施することで起こるさまざまな適応が、リカバリー能力の向上にも繋がった可能性はあります。

で、具体的に、どのような適応がリカバリー能力の向上に寄与しうるかな〜と考えてみましたが、ちょっと思いつきませんでした。

もしかしたら、私が思いつかなかった何か、たとえば筋肉の中の酵素の適応とかが、リカバリー能力を高めたのかもしれません。

あと1ヶ月くらい必死になって探してみれば、何か具体的なものが出てくる可能性はゼロではありません。

しかし、1日くらい考えてみた感じでは、特に思いつきませんでした。

 

もしかしたら、私が忘れているだけで、記憶の中には残っているのかもしれませんが、その可能性は低いでしょう。

もし、ウエイトトレーニングをするとリカバリー能力が向上することを示すような論文を読んでいたとしたら、強く記憶に残って忘れないはずですから。

 

 

可能性②:そもそも練習やレースで疲れないようになった

リカバリー能力が向上したというより、そもそも疲れにくくなったという可能性もあります。

以前と同じような練習をしたり、以前にも参加したことのあるレースに出たりしても、ウエイトトレーニングの効果により疲労がそれほど溜まらないようになっていたとしたら、疲労からの回復が早くなったような感覚がするかもしれません。

可能性としては①もありますが、個人的にはこちらの②の可能性のほうが高く、貢献度も大きいのではないか、と今のところは考えています。

 

じゃあ、ウエイトトレーニングを実施することで起こるどのような適応が、疲れにくくなることに繋がりうるのでしょうか?

たとえば、私はウエイトトレーニングにおいて、posterior chainと呼ばれる身体の後ろ側の筋肉の筋力・柔軟性向上を重視して指導をしています。

というのも、多くのアスリートが身体の前側の筋肉、とくにもも前の大腿四頭筋を過剰に使う傾向にあり、posterior chain筋群が弱くて固いため、うまく使えていないことが多いからです。

大腿四頭筋ばかりに負担がかかっていたアスリートがposterior chain筋群を強化してそちらも使えるようになると、より多くの筋肉に負担を分散することができるようになります。

結果として、疲れにくい身体になり、同じ練習をしたり同じレースに参加したりしても、疲労度が軽減されることが予想されます。

 

また、下半身だけでなく、上半身や胴体部分も含めて全身をバランスよく鍛えてもらうようにしています。

サイクリストの場合、上半身や胴体部分の筋力が向上することで、バイクを支える安定性も向上し、結果として効率が良くなって無駄なエネルギーを使わずに済むようになると予想されます。

無駄なエネルギーを使わないで済めば、疲労度も軽減されるはずです。

 

また、ラグビー選手を調べた研究によると、筋力が強い選手のほうが試合後の疲労度が低い傾向にあることも報告されています。

ラグビーの場合は、加速・減速・方向転換等の動きがあったり、相手チームの選手とのコンタクトもあるので、この研究結果をそのままロードサイクリングに当てはめるのは無理があるかもしれません。

が、少なくとも、ウエイトトレーニングをやって筋力を向上させたら疲れにくくなる可能性を示唆したデータであることは間違いありません。

Johnston et al. (2015) Influence of physical qualities on post-match fatigue in rugby league players. J Sci Med Sport. 2015 Mar;18(2):209-13

※こちらは介在研究ではないので、因果関係はあくまでも推測です

 

 

まとめ

トレーニング指導のお客様との会話から気になった点を深掘りして考えてみました。

2つの可能性を挙げてみましたが、どちらが正しかったとしても、アスリートがウエイトトレーニングをやるメリットには違いありません。

やはり、ロードサイクリストのような持久系アスリートであっても、ウエイトトレーニングをやらない理由はありません。

» 参考:持久系競技のアスリート達よ。まだウエイトトレーニングやらないの?

 

もちろん、ただウエイトトレーニングをやればいいってわけではなく、ちゃんとメリットを得られるようなやり方でやらないと意味がありません。

自己流でそんなやり方にたどり着くのはとても難しいです。

ぜひとも、専門家の指導を経験してみてください。

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