4月以降にフリーランスとして活動していく上で、どんな事業をやろうかを考え、サービスメニューを作り始めました。
しかし、その前に、もっと大きなビジョンについて考える必要があると気づきました。
フリーランスにとって、ビジョンの重要性
フリーランスというのは、何をするにも選択の自由があります。
やったぜ〜、フッフッフ〜!
しかし、そのぶん、何かしらの「ビジョン=指針」を持っていないと、やることがブレブレになってしまう恐れがあります。
たとえば、目の前の稼ぎを求めてやりたくもない仕事を引き受けてしまったり、その結果やりたい仕事が舞い込んで来たのにスケジュールに予定がなくて断ることになったり(あ〜、悪循環!)。
せっかくフリーランスになったのに、我慢してやりたくないことをやったり、やりたいことをやれなくなったりしては、意味がありません。
これまでは、国立スポーツ科学センターという組織の一員として働いていたので、その組織の「ビジョン」に従うことを意識していました。
具体的には「日本の国際競技力の向上を支援する」ということです。
なんらかの「選択」を迫られた時には、この「日本の国際競技力の向上を支援する」という指針をもとに決断すれば良かったので、ある意味ラクチンでした。
しかし、4月以降は、河森直紀というひとりのS&Cコーチとしての「ビジョン=指針」を作り上げる必要があります。
抽象的な作業なので、なかなか難しいものがありますが、ここを最初にしっかりと考えておけば、今後どんな事業をやろうか(あるいはどんな事業をやらないべきか)等の決断がラクになるし、より適切な決断ができるようになるはずです。
Who do you want to work with?
ただ、ビジョンを作ると言っても、どこから手を付けていいか、皆目見当がつきません。
そこで、S&Cに関するビジネス書であるThe Fitness Entrepreneur’s Handbookを読んでいて気になった「Who do you want to work with?」という問いかけを思い出し、まずはここから攻めてみようと考えました。
まず、私がこれからのビジネスを通じて最終的に貢献したいのは「アスリート」です。
さらに言うと、楽しみとしてスポーツをやっている運動愛好家ではなく、勝つためにやっている「競技アスリート」です。
そして「競技アスリート」だったら誰でも良いのか?と自分に問いかけてみると、そんなことはありません。
じゃあ、自分はどんな競技アスリートに貢献したいのかを突き詰めて考えてみると「勝つためにやるべきことをやる覚悟ができている競技アスリート」ということになります。
ここで言う「勝つためにやるべきこと」には、もちろん、私が専門としている体力トレーニングも含まれます。
トレーニングの効果を手に入れるためには、地味でキツい作業をコツコツと継続する必要があります。
トレーニングはただキツければ良いわけではないですが、でも効果を求めると、結果としてキツいことが多いんです。
私としては、どうせキツいことをやらせるのであれば、意味のないことをやらせたくないので、できるだけ効率的かつ効果的なトレーニングを提供するために、S&Cコーチとして最大限の努力をする覚悟があります。
トコトン考え抜いてプログラムを作ったり、自身の継続教育にお金と時間を費やしてS&Cコーチとしての腕を磨いたり、自分でもキツいトレーニングをやったり。
だからこそ、アスリートにもキツいことをやる覚悟を求めたいし、そういった覚悟のあるアスリートに対して、自分の知識・経験・技術をフル動員して貢献することが、私にとっての「理想のビジネス」ということになると思います。
競技アスリートだけを相手にしてビジネスが成り立つか?
この業界では、競技アスリートだけを相手にビジネスをしていくのは難しいという話をよく聞きます。
日本のフィットネス人口は約3%に過ぎず、さらにその中の数%が競技アスリートなので、そもそもマーケットが小さい。
だから、競技アスリート以外でニーズがあるところを探さないといけない。みたいな感じで。
実際に、競技アスリート相手だけでは食べていけないので、一般の人も対象にサービスを提供して生計を立てている人が多いのが実情でしょう。
しかし、私はフリーランスとしてひとりで仕事をしていくつもりなので、そもそも直接トレーニング指導をできるアスリートの数は限られます。
また、自前の施設を持つ予定もないので、毎月の家賃や維持費等の支払いも必要ありません。
だから、そもそもマーケットの大小なんて気にしなくても、競技アスリートを対象に十分ビジネスは成り立たせることができると信じています。
むしろ、直接的に貢献できるアスリートの数が限定されてしまって、もったいないと思うくらいです。
もっと多くのアスリートに貢献をして、ポジティブな影響を広く与えたいという気持ちがあるので。
ひとつの解決策として、同業者であるS&Cコーチを対象にしたセミナーやコンサルティング等の事業をやっていこうと計画しています。
それらの事業を通じて、ひとりでも多くのS&Cコーチが腕を上げることの手助けができれば、そのS&Cコーチ達が指導しているアスリートに対して、間接的に貢献することができるからです。
まとめ
したがって、フリーランスのS&Cコーチ河森直紀としてのビジョンは「勝つためにやるべきことをやる覚悟ができている競技アスリートに対して貢献する」ということになります。
つまり、このビジョンを実現するビジネスがイコール私にとっての理想のビジネスということになります。
アスリートのトレーニング指導をすることで直接的に貢献できる場合もあれば、S&Cコーチの教育を通じて間接的に貢献できる場合もあるでしょう。
しかし、どちらにしても最終的に貢献したい相手は「勝つためにやるべきことをやる覚悟ができている競技アスリート」だということを指針として遵守しておけば、今後のビジネスでやることがブレブレになってしまうことはないはずです。
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【編集後記】
あっという間に現職場での残り期間が1週間とちょっとになってしまいました。これまで指導を担当していたアスリート達とのお別れは寂しいですが、できるだけスムーズに後任の方に引き継がれるように申し送りをしっかりとしておきたいと思います。