#39 トレーニングにバリエーションはどれくらい必要?

※本ブログはアフィリエイト広告を利用しています


Spices 2482278 1280


しばらくactivation drillについてばかり書いていたので、久しぶりに別のトピックについて書きます。

今日のトピックは「バリエーション(多様性)」です。下記のブログ(英語)を読んで、とても考えさせられたので紹介します。



ブログ紹介

3 Pros and Cons of Variation in Your Training

このブログの筆者は、トレーニングにおけるバリエーションはその他のトレーニング変数(例:トレーニング量や強度)と同様に“諸刃の剣”であると述べています。バリエーションをつけ過ぎると期待した適応を得られずにアスリートは常に筋肉痛に苦しむ事になるかもしれず、逆にパリエーションが少なすぎるとトレーニングによる適応が停滞してしまう可能性があるという事です。なかなかウマい表現だと思います。

実際にアスリートのトレーニングプログラムを考えていると、トレーニングにおけるバリエーションをどのくらい取り入れるかというバランスは非常に難しいです。個人的には、トレーニング歴・レベルによって必要なバリエーションの程度は異なると思います。

例えば、トレーニング初心者はバリエーションはほとんどいらないでしょう。正しいエクササイズテクニックを覚えるために、少数の重要エクササイズにフォーカスして、しばらくは何度も何度も同じエクササイズを繰り返すのが良いと思います。トレーニングを始めたばかりは伸びシロがたくさん残っているので、このアプローチでもしばらくは十分トレーニング効果が出るでしょう。逆にこの段階でバリエーションを増やし過ぎてしまうと時間の無駄になるかもしれません。

一方、トレーニング中級者では、エクササイズテクニックもある程度マスターしているのでエクササイズのバリエーションを増やしてもしっかり対応できるでしょうし、初級者段階で少数の重要エクササイズの挙上重量はそこそこ向上しているはずなので、さらにトレーニングの適応を引き出すためにもバリエーションを加えるにはベストのタイミングだと考えられます。

アスリートはいろいろなエクササイズをやってみたいという欲求があるので「他のエクササイズもやってみたい」と主張してくる事もあります。また、アスリートから言われなくてもS&Cコーチ自身が「アスリートが飽きちゃうかもしれないから、もう少しバリエーション増やしたほうがいいかなー?」と思うこともあります。アスリートの気持ちを尊重する事も大切ですが、アスリートの意見を取り入れる事が必ずしも最適なトレーニング効果に繋がるとは限らないので、何が適切なのかという事に関しては、専門家であるS&Cコーチがしっかりと見極める事が重要だと感じます。

また、「同じエクササイズばかりやっていてアスリートが飽きちゃうかもしれない」と思う場合、実はアスリートではなくS&Cコーチ自身が同じエクササイズばかり教えるのに飽きてしまっているケースが多いのではないでしょうか?もう一度、アスリートにとって最適なバリエーションとは何かという事を冷静に客観的に考えてみて、この“諸刃の剣”をうまく使いこなせるようにしたいものです。