#271 FMSについて再考

公開日: : 最終更新日:2015/08/07 測定・スクリーン・テクノロジー


 

High Volume Strength Hypertrophy Endurance

 

一時期、Functional Movement Screen(FMS)に興味が出て、セミナーに出席したり、自分が指導しているアスリートに試してみたりしていました(その様子はコチラコチラ)。色々と試してみた結果、現時点ではFMSを使っていません。正確に言うと、一部のスクリーン(ショルダーモビリティ、アクティブストレートレッグレイズ)は活用していますが、FMSをフルには使っていないということです。

 

FMSを使わなくなった理由

なぜFMSをフルに使わなくなったのか、振り返って考えてみると、2つの理由があります:

 

① FMSを活用するにはそれなりの知識が必要

ちょっとFMSのセミナーを受けたり、本を読んだりして、その実施方法と採点方法を覚えたからと言って、FMSの結果が意味するところをしっかりと理解することは難しいと感じます。モビリティとは何か、スタビリティとは何か、relative stiffnessとは何か、そしてFMSのスコアが低い場合にその原因にはどのような事が考えられるのか、等々・・・。FMS自体はシンプルで誰でもすぐに実施方法を覚える事ができそうに見えますが、そのような背景を理解するにはそれなりの知識が必要とされる気がします。

 

②FMSを活用できるだけの知識がある人は、FMSをやらなくても色々分かる

で、FMSを活用できるだけの知識がある人は、ウォームアップやベーシックなレジスタンストレーニングにおけるアスリートの動きを観察すれば、モビリティの制限やスタビリティ能力の不足など、アスリートの身体の特徴はある程度把握する事ができてしまいます。

例えば、ウォームアップでランジ系の動きを取り入れておけば、FMSのインラインランジを改めて実施しなくても色々と分かります(ヒップフレクサーのモビリティとか)。アスリートがスクワットを実施している様子を観察すれば、FMSのオーバーヘッドスクワットを改めて実施しなくても色々と分かります(足首モビリティや胸椎モビリティ、体幹スタビリティなど)。

 

まとめ

ということで、FMSを最大限に活用するにはある程度の知識が必要で、そのような知識を持っている人はわざわざFMSを実施しなくても色々と分かってしまうから、そもそもFMSを使う必要がないのではないか?というのが現時点での私の印象です。

もちろん、私もFMSに興味を持って色々と調べる課程で、色々な知識や考え方を身につける事ができたので、FMSについて学ぶこと自体を否定するものではありません。

また、ビジネスの一環として、最初にFMSを実施することによってクライアントの気持ちをグッと掴む、ということであれば、その戦略も否定するつもりはありません。

ただし、深く物事を考えずに「すべての人がFMSをやるべきだ!」とか「FMSをやることで、その後のトレーニングプログラム作成に役に立つ!」とか言っている人は、ちょっと否定したくなります。

 

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  • 河森直紀(かわもり なおき) PhD, CSCS

    1979年10月17日 神奈川生まれ 埼玉育ち
    ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチ。

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