#498 私がウエイトトレーニング後のクールダウンのプログラムを提供しない理由

 

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私がウエイトトレーニングの指導をする時は、ウォームアップのプログラムは提供します。そして、ウエイトトレーニングそのもののプログラムも提供します。しかし、クールダウンのプログラムは特に提供していません。

一般的にクールダウンと言うと、ジョギングのような軽めの有酸素運動やストレッチを想像されるかと思いますが、特にそういうことは私のクライアントにはやってもらっていないのです。

その理由を説明します。

 

 

クールダウンのプログラムを提供しない理由

①科学的知見が乏しい

ウエイトトレーニング直後に、クールダウンとして有酸素運動やストレッチをしたほうが、リカバリー効果やトレーニング効果が高まると明確に示した科学的知見は見当たりません。

ウエイトトレーニング後ではなくサッカーの試合後ですが、ストレッチをしても疲労回復は促進されないとする研究も以前にご紹介しました(#408 【論文レビュー】試合後にスタティックストレッチをしても疲労回復は促進されない!?)。

科学的知見にもとづいて、クールダウンを実施したほうが絶対に良いと自信を持って言えないのに、「昔から習慣的に実施されてきたから」という理由だけで、クールダウンとして有酸素運動やストレッチをやりましょうと言うことは私にはできません。対価をお支払い頂いているわけですから。

ウエイトトレーニング直後にクールダウンをやらせるくらいなら、水分・タンパク質・糖質を補給してもらったほうが遥かに効果が高いです。栄養補給の効果については、科学的知見によっても支持されていますので。

 

②トレーニング効果が低下するかもしれない

ウエイトトレーニング実施直後の身体の中の状態は、もしかしたら適応を促すためには必要な環境なのかもしれません。ホルモンとか代謝物とか。

それなのに、クールダウンとして有酸素運動やストレッチを実施すると、そういった体内環境を崩してしまって、逆にトレーニング効果を低下させてしまうかもしれません。

たとえば、ウエイトトレーニング後に冷水浴を実施すると、筋力UPや筋肥大が阻害される可能性を示した科学的知見が出てきていますが(#278 【論文レビュー】筋トレ後の冷水浴は筋肥大や筋力UPを阻害するから、やらないほうがいいんじゃない?)、それと同じようなことがクールダウンを実施することで起こるかもしれないのです。

実際に、そのようなマイナス効果がクールダウンによって引き起こされるという科学的知見もないので、これは憶測にすぎませんが、その可能性は十分にあると個人的には考えています。

 

③トレーニングで可動域をしっかり使うから

原則として、私が指導するウエイトトレーニングにおいては、適切なフォームを維持できる範囲内で、全可動域を使ってエクササイズを実施していただいています。したがって、ウエイトトレーニングそのものがストレッチ効果があるので、その後にわざわざストレッチをする必要性は低いのです。同じことを繰り返すのは時間の無駄です。

もちろん、ウエイトトレーニングだけではうまく伸ばせない筋肉や動きもあるので、そういったところをターゲットにしたストレッチは別途実施する必要はありますが、べつにウエイトトレーニング直後のクールダウンでやらないといけないわけではありません。そのような目的で実施するストレッチは、もはや「クールダウン」ではなくて「柔軟性トレーニング」です。目的がそもそも違います。

ウエイトトレーニングと柔軟性トレーニング(=ストレッチ)を同じセッション内で実施する、というのであれば、まだ理解できます。しかし、ウエイトトレーニングの「クールダウン」としてストレッチを実施するというのであれば、ちょっとピンときません。

 

 

まとめ

以上の理由で、私はウエイトトレーニング後のクールダウンプログラムは提供していません。それよりも、まずは栄養補給をオススメしています。水分・タンパク質・糖質です。それはリカバリーという意味でもトレーニング効果の促進という意味でも、自信を持ってオススメできるものです。科学的知見によって支持もされています。 

ただし、今回のお話はウエイトトレーニング直後に限ってのお話です。他の状況においてもクールダウンは絶対やらせないと言っているわけではないので、誤解しないでください。 

 

 

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【編集後記】 

本日は個別コンサルティングでした。ケガをしづらい身体を作りつつ、パフォーマンス向上に繋げる参考にしていただければ。