#466 トレーニングにおいてDeload Week(負荷を減らして軽めにトレーニングする週)は必ず設けたほうが良いのか?

※本ブログはアフィリエイト広告を利用しています

  

Relaxing in the hammock by the sea near Almedalen

 

Deload Weekとは? 

トレーニングプログラムを計画する時のアイデアの1つとして、Down WeekとかBackoff WeekとかDeload Weekとか呼ばれるものがあります(以下まとめて「Deload Week」とします)。

簡単に言うと、何週間かに1度、トレーニングを軽めにする週を設けましょうということです。

たとえば、3週間通常通りトレーニングをしたら、4週目はDeload Weekとしてトレーニング負荷を軽めに抑えるとか。

必ずしも「Deload Week = 4週間に1度」というわけでなく、その頻度は場合によって異なります。

 

 

なぜDeload Week を設けるのか?

ず~っとトレーニングを継続していると次第に疲労が溜まってくるので、定期的にトレーニング負荷を軽くするDeload Weekを設けることで疲労回復を図り、再びフレッシュな状態で次のトレーニングサイクルを始めましょう、というのがDeload Weekの基本的なコンセプトです。

このコンセプトが理にかなっているのは、「フィットネス−疲労理論」の観点で考えれば理解ができます。

» 参考:超回復理論 vs. フィットネスー疲労理論

 

トレーニングを実施するとプラスの出力である「フィットネス」が増える一方、マイナスの出力である「疲労」も増えます。

そのプラスマイナスの合計がPreparednessであり、その時点での身体的なポテンシャルということになります。

筋肥大や筋力向上等の適応を促すようなある程度高い負荷でトレーニングを継続していると、フィットネスが増える一方で徐々に疲労も蓄積していきます。

そこで、定期的にDeload Weekを設けてトレーニング負荷を軽くしてあげれば、その間はフィットネスも少しは低下するはずですが、それ以上のスピードで疲労が減るはずなので、結果として、Preparednessが向上した状態で次のトレーニングサイクルに臨めるというカラクリです。

 

定期的に疲労を取り除く機会を設けることで、疲労がひたすら蓄積し続けてオーバーワークやオーバートレーニング状態に陥るリスクを軽減することが可能です。

また、Deload Weekを終えた時点では、Preparednessが多少は向上しているはずなので、次のトレーニングサイクルにおいては、より高い負荷でトレーニングをできるようになり、結果として適応をさらに促進するようなトレーニング刺激を身体に与えることが可能になるはずです。

 

 

Deload Weekは必ず設けるべき?

「フィットネス−疲労理論」にもとづいて考えると、Deload Weekはコンセプトとしては悪くなさそうです。

私も初めてDeload Weekというものを知った時は「これ、イイじゃん!」と思って、私が作るプログラムには4週間に1回必ずDeload Weekを設けるようにしたものです。

今振り返ってみると、なんて私は単細胞バカだったんだろうと恥ずかしく思います。

タイムマシンで過去に戻って、自分自身を叱ってやりたい気持ちです。「バカ、バカ、直紀のバカ〜♪」ってな感じで。

なぜ私は心変わりしたのでしょうか?4週間に1度はDeload Weekを設けるとあらかじめ計画することの何がいけないのでしょうか?

 

そもそも「Deload」という英単語は「De-」という接頭辞と「load」という動詞に分けられます。それぞれの意味は:

  • De-:打ち消し、否定、逆、除去などを意味する
  • load:負荷をかける

となります。

つまり「Deload」という言葉は、「もともと(身体に)かかっていた負荷を取り除く」といった意味合いがあるのです。

ということは、そもそも「load」をしていない状態(負荷をかけていない状態)からDeloadをすることは理屈上できないのです。

そもそも取り除くloadが存在しないのですから。

 

トレーニングにおいても同じことが当てはまります。

そもそもDeload Weekを設ける目的は、蓄積している疲労を取り除いてPreparednessを向上させた状態で次のトレーニングサイクルに臨むことです。

ということは、そもそも疲労が蓄積していない状態でDeloadを実施しても意味がないのです。

たとえば、ウエイトトレーニングを週1回しかやっていないアスリートであれば、次のトレーニングまでに疲労が回復している可能性が大なので、そもそも疲労が蓄積することはなく、そのような人がDeload Weekを取り入れても意味はありません。

また、トレーニング初心者の場合は、そもそも扱える負荷が低いため過度の疲労が蓄積する可能性は低く、Deload Weekなんて設けないでトレーニングを継続したほうがメリットが大きいと考えられます。

 

 

まとめ

Deload Weekは何でもかんでも取り入れれば良いってわけではありません。

目の前の状況やアスリートに応じて、取り入れるかどうか、もし取り入れるならどの程度の頻度で取り入れるか、といったことを決める必要があるのです。

過去の私はそんなことを理解せず、なんでもかんでも4週間に1度はDeload Weekにしようなんて考えていたので、今となっては恥ずかしい気持ちになってしまうということです。

私と同じ間違いをする人が減ることを祈ります。

created by Rinker
¥2,980 (2024/03/18 20:43:13時点 Amazon調べ-詳細)
動画 Deload Weekの理論と実際

 

 

||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

【編集後記】

ハワイ旅行中はトレーニングを一切せずにDeload Weekと位置づけていました。

もちろん、ハワイに向けて出発する前の時期は、量の多めのプログラムでガッツリとトレーニングしておきました。

そして、昨日久しぶりにトレーニングを軽めにしたのですが、今日は筋肉痛がヒドイです・・・。

ま、嫌いじゃないんですけど、この痛み。