以前に「Deload Week」というものを紹介しました。
» 参考:トレーニングにおいてDeload Week(負荷を減らして軽めにトレーニングする週)は必ず設けたほうが良いのか?
簡単に言うと、何週間かに1度、トレーニングを軽めにする週を設けましょうということです。
Deload Weekを上手に取り入れることで、疲労が過剰に蓄積することを防いだり、蓄積した疲労を軽減することでPreparednessを高めたりできるというメリットを享受することができます。
このDeload Weekに似たコンセプトとして「Intro Week」なるものがあります。
アメリカ人S&CコーチのMike Robertson氏のYouTubeビデオで紹介されており、面白いな〜と思ったので、私なりの解釈を紹介します。
Deload Weekに似たコンセプトの「Intro Week」とは?
説明をわかりやすくするため、4週間のサイクルごとにトレーニングプログラムの内容を変えるケースを想定します。
エクササイズとかセット数・レップ数とかが4週間ごとに変わるケースです。
※ここでの4週間はあくまでも例なので、Deload WeekやIntro Weekを必ずしも4週間に1回設ける必要があるわけではありません。
で、Deload Weekのコンセプトは、3週間ハードにトレーニングするとフィットネスは向上するけど疲労が蓄積してpreparednessは次第に低下するので、4周目をDeload Weekとしてトレーニング強度や量を軽めにすることで疲労を軽減し、次のサイクルに向けてpreparednessを高めよう、というものです。
つまり、Deload Weekは4週間のサイクル終盤で疲労が溜まってきたときに導入するもので、その主目的は疲労の軽減です。
一方、Intro Weekの場合、4週間のサイクルの初めにトレーニング強度や量が軽めの週を持ってくる、という考え方です。
一般的に、新しいトレーニングプログラムを実施する場合、その新しい刺激に身体が慣れていないので、筋肉痛が起こりやすいです。
Intro Weekという形で、トレーニング内容を変えた1週目にトレーニング強度や量を軽めにすることで、この筋肉痛の程度を軽減することができます。
完全に筋肉痛をゼロにするのは難しいでしょうが、少しは抑えることができるのです。
趣味として筋トレだけを実施している方の場合は、筋肉痛を抑える工夫なんて必要ないかもしれないし、むしろ筋肉痛が好きだという方もいるでしょう。
しかし、アスリートが競技力向上のための手段としてウエイトトレーニングを取り入れているのであれば、筋肉痛は練習や試合でのパフォーマンスにマイナスの影響を及ぼしかねないので、それをできるだけ避ける工夫をすることは重要です。
動画 筋肉痛
また、新しい4週間のサイクルでエクササイズを変える場合、正しいフォームを習得したり思い出したりする期間が必要です。
1週目をIntro Weekとすることで、その期間中は量や強度を抑えることができるので、フォーム習得に集中しやすいというメリットがあります。
さらには、Intro Weekは4週間サイクルの初めに持ってくるものではありますが、その4週間サイクルを始める前にはすでに別の4週間サイクルを実施していたわけなので、前のサイクルで蓄積していた疲労を軽減する効果も期待できます。
まとめ
Deload WeekやIntro Weekは絶対に設けないといけないわけではないし、その頻度も必ずしも4週間に1回である必要はありません。
どのような状況で必要なのか、どの程度の頻度で必要なのかについては、「フィットネスー疲労理論」のコンセプトにもとづいて、個別の状況に合わせて決定することが大切です。
そのうえで、もし取り入れるのであれば、Deload Weekという考え方で導入するのか、Intro Weekという考え方で導入するのか、2つの選択肢があることを知識として持っておくことは有効です。
どちらも数週間に1回、トレーニング量や強度が軽めの週を設けることで疲労軽減を図るという点では共通していますが、実際のプログラム作成においてはやり方が異なります。
個人的には、アスリートのウエイトトレーニングにおいては、Intro Weekの考え方が面白いと思って活用しています。
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【編集後記】
先日食べた猪の串焼きが美味しかったです。