#583 『使える筋肉・使えない筋肉 アスリートのための筋力トレーニングバイブル』。ベーシックな”筋トレ”を重視しつつ、競技力向上に繋げるにはそれだけでは不十分であるというまともな考えを持った執筆陣の文章を多読できる本。

 

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ベーシックな”筋トレ”を重視するけど、それだけでは不十分と知る

私のブログをお読みいただいている方はお気づきかと思いますが、アスリートの競技力向上を目指した”筋トレ”についての私のフィロソフィーを簡潔に説明すると:

  • ベーシックな”筋トレ”を重視する
  • ただし、競技力向上に繋げるにはそれだけでは不十分である

という2点にまとめることができます。

 

「ファンクショナルトレーニング」や「競技特異的トレーニング」が流行り始めて20年近くがたちますが、それらが競技力向上という目的に直結するとか特別に有効であるとか示した科学的根拠はいまだに出てきていません。

そもそも、「なぜアスリートが競技練習に加えて”筋トレ”をやるのか?」という根本的な理由から考えれば、こうした類のトレーニングが非効率的であることはあきらかです。

やはり、競技練習以外にわざわざ”筋トレ”をやることの目的を達成するためには、ベーシックな”筋トレ”のほうが、より効率的で有効な手段であることはまちがいありません。

 

一方で、「ベーシックな”筋トレ”を実施して筋力さえ向上させれば競技力向上に繋がる」というのも極端な考え方であり、バランスを欠いたものの見方です。

そもそも「ファンクショナルトレーニング」だとか「競技特異的トレーニング」だとかが流行った背景には、ベーシックな”筋トレ”をガシガシやってスクワット等の挙上重量は向上したけど競技力向上に結びつかない、という経験をしたアスリートが数多く存在していたという事実があったはずです。

 

したがって、ベーシックな”筋トレ”を重視しつつも、それだけでは不十分である、というバランスの取れた考え方を持った上で、じゃあ競技力向上に繋げるにはどうしたらよいのかをトコトン突き止めて考えるのが大切になります。

 

 

 

『使える筋肉・使えない筋肉 アスリートのための筋力トレーニングバイブル』

このたび、上で述べたような私のフィロソフィーと似た考えをお持ちの執筆陣が書かれた文章がまとめられた本が発売されました:

 

私も「競技特異的なウエイトトレーニングは必要ない」というタイトルで、見開き3ページ分の文章を書かせていただきました。

「献本」という形で、出版社から1冊送っていただき、パラパラと読んでみましたが、非常に面白い内容になっています。

編集を担当された谷本先生と荒川先生が取りまとめで大きな役割を果たされていましたが、お二人の他にも多くの執筆陣が文章を寄稿されているのが本書の大きな特徴です。

「アスリートのための筋力トレーニング」という1つのテーマに対して、さまざまな視点で書かれた文章を「多読」できるというのが、この本を読むメリットの1つでしょう。

先日の「S&Cコーチの勉強法」セミナーでもお伝えしたのですが、「同種多読」というのは、1つのトピックについての知識や考え方を短期間で一気に深めるにはとても有効な勉強法です。

参考記事5万円で詳しくなるなら安いもの。高速同種多読のすすめ EX-IT AI時代の雇われない雇わない生き方

 

 

アスリートにこそ読んでほしい本

まえがきで谷本先生も書かれていますが、どのようなトレーニングが必要なのか・適切なのかをアスリート自身が考えることは重要です。

私自身も「トレーニング情報リテラシー」という言葉を用いて、そのようなスキルをアスリートが身につけることの重要性についてブログ記事を書いています。

参考記事#430 【アスリート向け】アスリートも「トレーニング情報リテラシー」を身に付ける必要があるのでは?

 

世の中には”筋トレ”についてのさまざまな情報が氾濫し、調べれば調べるほど、どれが正しい情報なのかわからなくなってしまうかもしれません。

“筋トレ”専門家を自称している人たちの間でもコンセンサスがなく、人によって全然違うことを主張している現状では、誰を信じてよいのかわからなくなってしまうのも無理はありません。

そういったアスリートにこそ、『使える筋肉・使えない筋肉 アスリートのための筋力トレーニングバイブル』を読んでもらいたいです。

 

いろいろな専門家の視点を多読すると、主張している内容に重複があることが見えてくるはずです。

そして、複数の著者が同じようなことを主張していたら、それは誰もが認める原理原則と呼べるものである可能性が高いでしょう。

そういった原理原則を見つけることに繋がるであろう本が、今回ご紹介した『使える筋肉・使えない筋肉 アスリートのための筋力トレーニングバイブル』なのです。

 

 

まとめ

とても多くの著者が寄稿されているので、本というよりは雑誌のような感じで手軽に読めるはずです。

1ページ目から順番に読み進める必要はなく、面白そうだと思った部分から読んでいけばよいでしょう。

ぜひともアスリートには読んでいただいて、”筋トレ”に対する考え方を深めていただければ。

 

※ちなみに、「多読」という勉強法については、以下でご紹介する本の中で、「カテゴリー集中法」という本の選び方として解説されています。

 

 

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【編集後記】

日曜の夜に見逃した「下町ロケット」をTVerで視聴。便利になったもんだ・・・。