以前のブログで、FMSを取り入れてみようと考えているというお話をしました。
その後、トレーニング指導を担当しているアスリート何名かに対してFMSを実施してみました。このアスリート達はしばらく担当していて動きの癖等はもともとある程度把握できていたので、FMSの結果によって新たな発見は特にありませんでした。むしろ、ある程度予想通りのスコアが得られたという感じです。
FMSをやって良かったこと
でも、FMSをやった意味がなかったとは思いません。その理由としては
- これまでも把握していて改善を図っていた癖を再認識する事ができた
- いくつか改善したい癖がある場合に、優先順位を明確に付けられるようになった
- 改善の優先順位が高いものに対しては、これまでよりもアグレッシブに取り組もうと考えるきっかけになった
という点が挙げられます。
その結果、ウォームアップ中に取り入れるエクササイズを少し変更しました。この効果が現れるかどうかはもうしばらくたたないとわかりませんが、少なくともFMSを実施する事によって、ウォームアップ等に取り入れるエクササイズの選択をより明確にできるようになった気がします。
また、しばらく指導をしてトレーニング中の動き等を見ていればFMSを実施しなくても改善が必要な動きの癖等は把握できるかと思いますが、最初にFMSを実施する事によって早い段階で改善が必要な動きの癖に気づくことができるというのは一つの利点だと感じます。
一方で、FMSはあくまでも大雑把なスクリーンにすぎないので、それだけだとちょっと足りないんじゃないかな〜という気もしています。今後はFMSだけで足りない部分を補うようなスクリーンやアセスメントを少しずつ取り入れていって、自分なりのスクリーン・アセスメント方法というかシステムを構築していきたいな〜と思います。
FMSを取り入れても変わらないものがある
ちなみに、FMSを取り入れても変わらない部分もあります。それは
- レジスタンストレーニング部分のエクササイズ選択等のプログラミング(これはFMSの結果ではなくて、アスリートの目標やニーズに基づいて決定するものだと思います)
- トレーニング中のアスリートの動きを常に観察する必要性
といった点です。
個人的には、スクワットやデッドリフト、リバースランジ、RDL、腕立て伏せ、プレス、懸垂etcの基本的なエクササイズを正しいフォームで実施してバランスよく筋力を向上していけば、それ自体がコレクティブなアプローチとして働くと考えていますし、傷害リスク低減やパフォーマンス向上につなげるためにはこういった事(基本的エクササイズを正しいフォームでバランスよく実施する)を8割、コレクティブとかprehabとか言われるような部分を2割程度と考えていればよいかなーと思います。
今回導入したFMSは後者の2割の部分に対してより効率的にアプローチするのを手助けしてくれるツールの1つという位置づけです。とりあえず現時点ではそのように考えています。今後変化する可能性はありますが・・・。
【2016/10/6 追記】「#271 FMSについて再考」も合わせてお読み下さい
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