夏の試合に向けてのコンディション調整に必要な知識は、テーパリング+暑熱対策
狙った試合に向けてのコンディション調整をテーマに本を執筆して、それが発売されたのが2018年です。
もう5年も経ったのか、とちょっと驚いています。
我ながら結構よく書けていると思うので、まだお読みでない方はぜひ下のリンク先でポチッとしていただければ。
拙著においては、コンディション調整の手法の1つとして「テーパリング」を紹介しました。
執筆時から5年以上が経過したものの、テーパリングのやり方については、本に書いてある内容をそのまま実践していただければ、今でも十分うまくいくと思います。
というか、本質的な内容を書いているので、10年後20年後でも変わらず通用するはずです。
ただ、狙った試合が「夏」に開催される場合は、拙著で解説したテーパリングの知識だけでは不十分かもしれない、と最近は考えるようになりました。
ここ数年の夏の暑さが、5年前10年前と比べても異常なレベルになってきたらからです。
狙った試合に向けてのテーパリングがバッチリ成功しても、暑さにやられて自分の実力を発揮できない、なんてことが十分に起こりえます。
そして、考えてみると、結構多くのスポーツ大会が夏に実施されていることに気づきました。
たとえば、高校生にとって大きな大会であるインターハイは真夏に実施されます。
みんな大好き甲子園も真夏に実施されます。
また、世界水泳もちょうど今、福岡で開催されていますし、フェンシングの世界選手権もイタリアで開催中です。
夏のオリンピックだって、開催地が南半球でない限りは、夏真っ盛りの環境で開催されます。
夏でもそれほど暑くならない場所で試合が実施される場合や、室内で空調のきいた環境で試合が実施される場合であれば、そこまで気にする必要はないかもしれません。
しかし、それ以外のケースにおいては、夏に開催される試合に向けてのコンディション調整の手法の1つとして、「暑熱対策」の重要性が増しているのは間違いありません。
私が拙著で記した「テーパリング」に「暑熱対策」も組み合わせることで、夏の試合に向けて万全の調整をおこなうことができるようになるでしょう。
テーパリングと暑熱対策のためにオススメの資料
「夏の試合に向けてのコンディション調整において、テーパリングと暑熱対策についての知識が必要だというのはわかったけど、どうやって学べばいいんだよ?」
そんな方を対象に、それぞれについてオススメの資料を紹介しておきます。
①テーパリング
まずは、すでに紹介している拙著です。
何度も繰り返して申し訳ありませんが、我ながら良く書けています。
とりあえずこの1冊を読んでおけば間違いありません。
また、拙著の内容を解説したオンラインセミナーを収録した動画を販売しています。
内容は基本的に拙著と同じなので、本を読んで理解できるようであれば、それで十分です。
「文章を読むだけだと理解がイマイチだから、著者本人の解説を聞いて理解を深めたい」と思われる方のみ、購入をご検討いただければ。
動画 ピーキングのためのテーパリング
拙著よりも少し研究寄りのテーパリング本が、Mujika博士の著書です。
Mujika博士はテーパリング研究においては世界でも第一人者で、私も拙著を執筆するときに参考にしました。
残念ながら、英語版の原著はもう絶版になってしまったようで、欲しい場合は中古で手に入れる必要がありそうです。
たとえ中古だとしても、手に入れる価値がある一冊だと、私は思いますが。
②暑熱対策
無料で手に入る暑熱対策関連資料を過去のブログ記事で紹介しているので、まずはそれらをダウンロードして読みましょう。
#550 無料で手に入る暑さ対策関連資料
さらに深く学びたい方は、ちょっと研究寄りではありますが、こちらの書籍がオススメです。
まとめ
ここ最近は夏の暑さが尋常じゃなくなってきているので、夏の試合に向けてのコンディション調整においては、「テーパリング」に加えて「暑熱対策」も必要になってきますよ、という解説をしました。
理想論を言えば、パフォーマンスが低下するほどの暑い環境であれば試合は中止すべきなのでしょうが、現実的にはなかなかそういうわけにもいきません。
どうしても暑い中で試合に臨まざるを得ないのであれば、それに対する備えを十分にするべきです。
そのためにも、まずは知識を仕入れましょう。
その上で、その知識を実際に活用してみながら、試行錯誤を重ねて、ベストのコンディション調整方法を見つけていただければ。
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【編集後記】
カーリングの藤澤選手がボディメイクの大会に出場したニュースを観ました。
最初はそっくりさんかと思ったのですが、実際にご本人が出場されたということで、「いやー、すげえバキバキだなー」と驚きました。
フィットネス業界の一部では、藤澤選手が出場された大会の主催団体がアンチ・ドーピング的にグレーであることを理由に、非難をする声も上がっているようです。
私は個人的には、そこまで問題にするようなことではないんじゃないか、という感想です。
藤澤選手はオリンピックに出場するようなレベルのアスリートなので、アンチ・ドーピングについてはよくご理解されていると思いますし、普段から厳しくチェックをされているはずです。
私は国立スポーツ科学センターで働いていたこともあり、日本代表レベルのアスリートのアンチ・ドーピング事情は多少詳しいのですが、JADAのチェックはかなり厳しく、アスリートは大変そうだな〜と思いながら見ていたものです。
なので、ドーピング違反で制裁を受けていないのであれば、ご本人がアンチ・ドーピングに引っかかるような違反をしている可能性は低いでしょう。
「本人がドーピング違反をしているかどうかが問題なのではなく、アンチ・ドーピング的にグレーである団体が主催しているコンテストに出場するのがダメなんだ」という人もいるかもしれませんが、フィットネス業界に詳しい人でもなければ、そんな裏事情なんて知りようがありません。
そもそもその団体は、表向きはアンチ・ドーピングを謳っているようなので、なおさら藤澤選手が裏事情を知ることは難しいでしょう。
そんな状況で、藤澤選手を非難するのは無理があるってもんです。
私もドーピングには反対ですし、批判する立場ではありますが、今回の件に関しては、ちょっと違和感を覚えました。