#529 【Bリーグ特集②】ウエイトトレーニング・持久力トレーニング・ムーブメントトレーニングの組み合わせ方

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Kobe bryant 932875 1280

 

 

バスケBリーグチームのS&Cコーチ就任を目指して前回から始めたBリーグ特集を続けます。

 

 

3つのトレーニングの組み合わせ 

前回の記事では、私が指導できるトレーニングの種類について、大きく分けて3つあることをご説明しました:

  • ウエイトトレーニング
  • 持久力トレーニング
  • ムーブメントトレーニング

基本的には、これらのトレーニング手法を組み合わせながら、アスリートとして、そしてバスケ選手としての体力的な土台を築くお手伝いをするのがS&Cコーチの役割です。

 

一般的に、これら3つのトレーニングそれぞれの役割は以下のようなものと認識される方が多いと思います:

  • ウエイトトレーニング →筋力、筋量、爆発的パワーの向上
  • 持久力トレーニング →持久力の向上
  • ムーブメントトレーニング →ムーブメントスキルの向上

たしかに、それぞれのトレーニングの「主な効果」は上記の通りで間違いありません。

しかし、実際のところは、持久力の向上にウエイトトレーニングやムーブメントトレーニングが貢献することもあれば、ムーブメントスキルの向上にウエイトトレーニングが貢献することもあります。

 

たとえば、ムーブメントスキルに問題があり、走る動作や方向転換動作、減速動作等が効率よく実施できない選手がいたとします。

そして、この選手が試合中にすぐにバテてしまう傾向があったとします。

そのような場合、試合における持久力を向上させるためには、持久力トレーニングを実施して体力的な持久力を向上させることも必要です。

しかし、それに加えて、ムーブメントトレーニングを実施して効率的な移動スキルを獲得することができれば、さらに試合中の持久力を向上することに繋がるはずです。

私のこれまでの経験上、持久力トレーニングでは無尽蔵のスタミナがあるかのように走りまくれる選手が、試合になると無駄な動きが多いためにすぐにバテてしまうというケースが実際にありました。

この選手の試合中の持久力を向上させるために、持久力トレーニングでさらにたくさん走らせるのではなく、ムーブメントトレーニングを通じて効率の良いムーブメントスキルを獲得することが問題解決に大きく貢献したという経験もあります。

 

さらに言うと、この選手のムーブメントスキルを向上しようとムーブメントトレーニングをガシガシと実施しても、そもそも土台となる筋力や柔軟性に問題があれば、ムーブメントスキルを向上させるのに時間がかかったり、そもそも難しかったりします。

そこで、ウエイトトレーニングを実施して筋力や柔軟性を向上させることが、ムーブメントスキルの向上に間接的に貢献し、それが試合における持久力の向上にも間接的に貢献するというわけです。

さらに言うと、長距離持久系アスリート(例:マラソン、トライアスロン)のパフォーマンスUPにウエイトトレーニングが貢献するという科学的知見も数多く報告されており、ウエイトトレーニングが(ムーブメントスキル向上を介さずに)直接的に持久力を向上するメカニズムも存在すると考えられています。

 

したがって、それぞれの「主な効果」を狙って、3つの種類のトレーニングをただ実施するだけでなく、それぞれの相乗効果も狙ったうえで、上手に3つのトレーニングを組み合わせることが重要になります。

つまり、単純に「1+1+1=3」のような足し算を目指すのではなく、それ以上の効果を目指して組み合わせを考えるということです。

そして、持久力にもムーブメントスキルにも影響を及ぼすという点で、3つのトレーニングの中心あるいは土台となるのは、ウエイトトレーニングであると私は考えています。

前回の記事で、S&Cコーチは「ただ筋トレだけ教えていれば良いわけではない」と述べましたが、土台としてウエイトトレーニングは重要なのです。

そして、単純に筋力や筋量を増やすだけでなく、持久力の向上やムーブメントスキルの向上に繋がることを計算に入れながら、ウエイトトレーニングのやり方(エクササイズフォーム等)を考えておくことも大切です。

 

 

相乗効果だけでなく阻害効果もある

3つのトレーニングをうまく組み合わせることで相乗効果を引き出すことができます。

その一方で、組み合わせの仕方が悪いと、お互いのトレーニング効果を低下させてしまうリスクも存在します。

特に、持久力トレーニングがウエイトトレーニングの効果を低下させてしまうことが知られており、「阻害効果(interference effect)」と呼ばれています。

どういうことかと言うと、ウエイトトレーニングのみ実施した場合と比べて、ウエイトトレーニングと持久力トレーニングの両方を実施した場合は、筋力等の向上率が低下してしまうのです。

たとえば、ウエイトトレーニングだけを3ヶ月実施したらスクワットの挙上重量が15KG伸びたけど、ウエイトトレーニングに加えて持久力トレーニングも実施した場合は、挙上重量の伸びが10KGにとどまった、というような感じです。

したがって、筋力向上のみが目的なのであれば、阻害効果を避けるために持久力トレーニングは一切やらないほうがよいです。

 

しかし、バスケ選手の場合、筋力だけでなく持久力の向上も必要です。

したがって、持久力トレーニングを一切やらないという選択肢はありません。

じゃあどうすれば良いのか?

それは、阻害効果をできるだけ抑えるようにトレーニングの内容ややり方を考えるということになります。

具体的にどうすれば良いのかについては、チームの練習スケジュール等によっても異なるので、状況によるとしか言えません。

が、私は阻害効果についての科学的知見にも精通しているので、状況に応じて阻害効果を最小限に抑えるための工夫をすることができます。

 

 

まとめ

3つの種類のトレーニングをうまく組み合わせて、相乗効果を引き出しつつ、阻害効果を最小限に抑える。

そうすることで、トレーニング効果を最大限に高めることが可能になります。

最適な組み合わせの仕方は状況によって異なるため、型にはめるような解決策は通用しません。

それぞれの種類のトレーニングと相互作用について精通し、それらをうまく組み合わせる経験が必要になります。

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【編集後記】

今日は弘田さんとオンラインコンサルティング。チームスポーツの現場で長年働かれてきた経験を共有していただきました。