#739 手のひらのマメを見てホメオスタシスに思いを巡らす

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ホメオスタシスとは?

人間の身体には「ホメオスタシス(恒常性)」と呼ばれるしくみが備わっていると考えられています。

一般的にホメオスタシスとは、身体の内部環境を一定の状態にキープしようとする性質のことを指します。

 

たとえば、「体温」を考えてみてください。

日本では1年を通して四季があり、気温も大きく変化しますが、体温はほぼ一定の状態が保たれています。

夏の体温は40度で冬は20度なんてことはありません。

 

夏の暑い時期には、汗をかいてそれが蒸発するときの気化熱によって体温を下げています。

冬の寒い時期にブルブルと震えるのは、筋肉を収縮させて熱を発生させることで体温を上げているからです。

つまり、我々の身体には、体温を一定にしようとするしくみ(=ホメオスタシス)が備わっているのです。

 

 

トレーニングとホメオスタシス

トレーニングにより体力を向上させようとするのは、このホメオスタシスという身体のしくみを利用したものです。

つまり、トレーニングというストレスを外部から身体に加えることで内部環境が一時的に変化するため、身体が「これはやばいぞ!」と感じて、今後同じようなストレスが外部から加えられたときに内部環境が一定に保たれるように、身体を変化させて備えをするわけです。

そのような身体の変化を「適応」といいます。

 

ここで重要なのは、身体が「これはやばいぞ!」と感じるようなストレスを与えることです。

非常に小さなストレスを身体に与えて内部環境が一時的に変化したとしても、それが正常範囲内に収まる程度の変化であれば、身体は「これはやばいぞ!」と感じないので、適応は起こりません。

したがって、適応を引き起こすためには、ホメオスタシスを脅かすようなレベルのストレスが必要であり、これが一般的に「過負荷」と呼ばれるものです。

» 参考:レジスタンストレーニング「漸進性過負荷の原則」

 

 

手のひらのマメとホメオスタシス

ここ最近は新型コロナウイルスの影響でウエイトトレーニングをあまりできていません。

そこで気がついたのは、手のひらのマメが柔らかくなってきたことです。

バーベルを使ってトレーニングをしている人は皆さん経験されていると思いますが、手のひらにはマメができるものです。

これは、バーベルを握ることで手のひらの皮膚に圧力がかかったり摩擦が生じたりして、そのようなストレスに対して適応が起こって、皮膚が固くなっているのです。

まさにホメオスタシスが働いているわけですね。

 

しかし、トレーニングをしなくなると、手のひらの皮膚に与えられるストレスがなくなり、ホメオスタシスが脅かされなくなるので、マメを作って皮膚を固くして守る必要もなくなります。

結果としてマメが柔らかくなってきた(もとに戻った)わけです。

トレーニングをやめると体力が低下する(=detraining)のと同じ現象が起こっているわけですね。

人間の身体ってよくできているものです。

 

ちなみに、マメができたときにトレーニングをやりすぎたりすると、場合によってはマメが破れてしまいます。

この場合、手のひらの皮膚に加えられたストレスのレベルが、身体のホメオスタシスのキャパシティを上回ったと考えることもできます。

同じようなことはトレーニングでも起こります。

あまりにも過剰な量もしくは強度のトレーニングをやってしまうと、体力が向上するどころか低下してしまったり、ケガをしてしまったり、オーバートレーニング状態に陥ってしまったり、というマイナスの結果になってしまいかねないのです。

つまり、ホメオスタシスを脅かして適応を促すようなレベルのストレス(=過負荷)を身体に加えることは重要ですが、あまりにも過剰なレベルのストレスは逆効果ということです。

手にひらにできるマメから、トレーニングに関しても学ぶべきものがたくさんあるな〜と感じたエピソードです。

 

 

まとめ

自分の手のひらのマメの変化を見て、ホメオスタシスに思いを巡らし、トレーニングによる適応について考える。

ちょっとエッセー風に書いてみました。

 

 

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【編集後記】

個人事業主向けの持続化給付金が振り込まれました。申請して11日しかたってないので、思ったよりも早かった印象です。厳しい状況はしばらく変わりませんが、とりあえず精神的に少し落ち着いた感じはあります。まだ申請されていないフリーランスの方は、ぜひ。

» 関連記事:フリーランスはやっておきたい、新型コロナウイルス関連の給付金申請