#871 アスリートの「感覚」と「実際の動き」をすり合わせておくと調子が崩れたときに役に立つ

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前回のブログで、アスリートの「感覚」と「実際の動き」について解説しました。

まずはそちらをお読みください↓

» 参考:アスリートの「感覚(=input)」と「実際の動き(=output)」は違う場合がある

 

そちらでは、アスリートの「感覚」と「実際の動き」は違う場合があることを解説しつつ、違っていてもその「感覚」で良い成績を出せているのであればまったく問題ない、むしろ無理やり一致させようとするとパフォーマンスが低下してしまう恐れがある、というお話をしました。

この点は、自分で読み返してみてもその通りだと思うし、とくに修正する必要も感じません。

しかし、「修正」ではなく、1点だけ「追加」でお話しておいたほうが良さそうなことに気づきました。

それは、「感覚」と「実際の動き」を無理やり一致させる必要はないし、そうすることにはリスクもあるけど、それでもあえて一致させておくことでメリットが発生することもあるよ、ということです。

その点についてはツイッターでもポストしました:

今回のブログでは、この点について深掘りしていきます。

 

 

「感覚」だけに頼ってプレーしていると、調子が崩れたときに改善方法の選択肢がなくなる

「感覚」と「実際の動き」を一致させておくことでメリットが発生することもある、ということに気づいたキッカケは、阪神タイガースの佐藤輝明選手が米国シアトルにある「ドライブライン・ベースボール」という施設でバッティング指導を受けているYouTube動画をみたことです。

この動画のなかで、佐藤選手は「調子に波がある」「フォームが安定しない・崩れたりする」といったご自身の課題について発言をされています。

そして、「調子が悪くなった時の改善方法の選択肢」を求めて、テクノロジーを使ってデータを取得し活用する方法を「ドライブライン・ベースボール」で学ぼうとされている様子でした。

 

前回のブログを書いた直後に、たまたまこの動画をみたのですが、その瞬間に「あ、この可能性を見落としていた!!」とすぐに気づきました。

前回のブログを書いた時点では、アスリートの「感覚」と「実際の動き」が違っていてもその「感覚」で良い成績を出せているのであればまったく問題ないし、無理やり一致させようとすることにはリスクがある、というスタンスでした。

つまり、どちらかというと一致させないほうがいいんじゃないの?という立場です。

 

しかし、佐藤選手を密着取材した動画をみて、すぐに気づきました。

「一致させないほうがいい」というのは、「その「感覚」で良い成績を出せているのであれば」というのが大前提である、ということに。

つまり、その「感覚」で良い成績を出せなくなったときはどうすればいいの?という視点が欠けていたのです。

「感覚」だけに頼ってプレーしていると、同じような「感覚」でプレーしているのにもかかわらずパフォーマンスが低下したときに、どうしたらいいのか選択肢がなくなってしまいかねないわけです。

もちろん、「感覚」だけに頼ってプレーしていて、現役中はずーっと良い成績を出せている、調子が悪くなることがない、というスーパーアスリートであれば、「感覚」と「実際の動き」を一致させる必要はないし、一致させないほうがリスクを避けることができるかもしれません。

でも、そんなアスリートってこの世の中に存在しないですよね、おそらく。

 

 

アスリートの「感覚」と「実際の動き」をすり合わせておくと調子が崩れたときに役に立つ

もし、普段から自分の「実際の動き」をビデオやその他テクノロジーでデータ化して、自らの「感覚」とすり合わせておくことができたら、どうでしょうか?

調子が崩れた時に、「感覚」以外にも「実際の動き」という参照できるデータが存在することになります。

たとえば、調子が良いときの「実際の動き」と調子が崩れているときの「実際の動き」を比較することで、どこが悪くなっているのか発見しやすくなるでしょう。

とくに、「実際の動き」を数値化しておくと、比較が容易になりますから。

 

アスリート本人としては、調子が良かったときと同じ「感覚」でプレーしているのに、「実際の動き」に違いが生じているということがわかれば、じゃあ「実際の動き」を改善するために、自らの「感覚」を修正しようとなるでしょう。

「感覚」だけに頼っている場合と比べると、修正の方向性がわかりやすくなり、具体的な改善策も立てやすくなるはずです。

 

ちなみに、「感覚」と「実際の動き」にズレが生じた理由としては、単純に「感覚」に狂いが生じたという可能性もありますが、それ以外にも疲労の蓄積とか体力の低下という可能性もあります。

「実際の動き」を数値化するのに加えて、疲労度等のコンディションや体力等も合わせてモニターすることができれば、「感覚」と「実際の動き」にズレが生じた理由を探りやすくなります。

そうすれば、改善策の選択肢も増えるし、その改善策の正確性も高めることに繋がるでしょう。

 

 

まとめ

なんだか「逃げるは恥だが役に立つ」みたいなタイトルになりましたが、前回のブログに今回のブログも合わせてお読みいただくことで、より理解を深めていただけるようになったんじゃないかと思います。

それにしても、佐藤選手は自らの課題を明確に認識し、それを解決するための手段についてもしっかりと考えた上で、「ドライブライン・ベースボール」に単独で乗り込むなんて、すごいですね。

これがプロ野球でもトップレベルで活躍する人なんだな〜と驚嘆させられました。

 

 

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【編集後記】

新型コロナワクチンを接種しました。5回目ですね。

前回からは1年以上たっているので、ほぼ効果はなくなっていたはずです。

副反応がどのくらいでるのか、明日がちょっと怖いところです。