2013年に書いたルーマニアンデッドリフト(RDL)についての記事は、4年以上たった今でも、ちょいちょい読んでいただいています。
「人気記事Top10」にも継続的に入ってくるし、 Googleアナリティクスで調べてみると、これまで私が書いたすべてのブログ記事の中でページビュー数は第5位にランクインしています。
» 参考:ルーマニアンデッドリフト(RDL)を適切に実施する秘ケツ
RDLに関する情報量が少ない
これだけ読まれている理由としては、RDLについての情報量が少ないことが大きいのでしょう。
Googleで「ルーマニアンデッドリフト」と検索してみても16,800件しかヒットしません。
他のエクササイズと比較してみると、たとえば「スクワット」は7,380,000 件、「デッドリフト」は802,000 件、「ベンチプレス」は 4,130,000 件です。
RDLそのものは、パワーリフティングやウエイトリフティングのようなバーベル競技で実施されるわけではありませんし、ボディビルダーが好んで実施するような種目でもありません(人にもよるでしょうが)。
また、一般のフィットネス愛好家にとっても、必ずしもとっつきやすい種目ではないでしょう。
そういった理由もあり、RDLに関して世の中に出ている情報量が圧倒的に少ないのだと思います。
私の考え方も変わりました
情報量が少ないぶん、「ルーマニアンデッドリフト」と検索して、私のブログ記事にたどり着く人も多いんだろうな〜と思うと、なんだか責任感を感じてしまいます。
正直言って、4年前にRDLについての記事を書いてから、RDLについての私の考え方は少し変わっています。
GS Performance加賀さんのセミナーを受けた経験が大きいです。
» 参考:GS Performanceでの「朝飯前セミナー」「昼飯前セミナー」「O-Yeah!セミナー」「O-S&C塾」の受講を修了しました
今現在、私自身がやっているRDLのフォーム、そして、担当アスリートに教えているRDLのフォーム。
それが以前に書いた記事の内容と異なってきている一方で、その記事をいまだに読んでいただいているという事実がある。
そのことが、心の何処かに引っかかっていました。
日々進歩することが重要な業界にいるので、自分のやり方や考え方が変わること自体に罪悪感は持たないようにしています。
むしろ、自分の腕を磨かず、ずーっと何も変わらないほうが罪深いはずですから。
そもそも、自分の意見や考え方が変わることを恐れていては、ブログなんて書けません。
とは言っても、RDLの記事は特によく読まれている記事なので、いつかは内容をアップデートしたいと考えていました。
そして、その時が来ました!キラーン!(目が光るイメージ)
2017年現在私が考えるRDLのやり方
やり方が変わったと言っても、一から十まですべて変わったわけではありません。ベースは2013年に書いたブログ記事の通りなので、まずはそちらをお読みください。
» 参考:ルーマニアンデッドリフト(RDL)を適切に実施する秘ケツ
今回は、その時からの変更点にフォーカスして説明をします。2013年の記事の内容と対比しながら読んでいただければ。
つま先の向き
2013年の記事では「つま先はまっすぐ前orちょっとだけ外側に向ける」としていましたが、今は「まっすぐ前」としています。
RDL実施の目的のひとつにハムストリングの柔軟性向上がありますが、その効果を最大限に享受するためにつま先は「まっすぐ前」の方が良いということからの変更です。
わざと膝を緩めない
以前は動作を開始する(=お尻を後ろに付き出し始める)前の段階で「膝を軽く緩める(膝関節を10°程度曲げる)」としていましたが、今はあえて膝を緩めることを指示していません。
わざわざ指示しなくても、自動的に程よく膝が曲がるようなやり方で指導しているからです。
べつに膝をまっすぐ伸ばしたままRDLをやるように変えたわけではないので、そこは勘違いしないでください。
膝を緩めなくなったわけではなくて、そこを意図的に声がけしなくなったというだけです。
結果として、膝を軽く曲げた状態でRDLをさせたいという点は変わりません。
場合によっては、膝がピンと伸びすぎていたり、柔軟性の高いアスリートの場合は膝が過伸展ぎみになってしまったりするケースもあります。
そういう場合は、膝を緩めるよう声がけをします。
あえてすべての人に最初から膝を緩めるよう指示をするよりも、必要なアスリートに必要な時だけ声がけをするほうがうまく行くし効率が良いということです。
肩甲骨を寄せることでバーを近くにキープする
RDL実施中はバーを身体の近くにキープしておくことが重要です。これは以前と変わっていません。
しかし、2013年の記事では、バーを身体の近くにキープする方法として「広背筋を使ってバーを後方に押す」としていましたが、今は「肩甲骨を寄せる」ことが重要であるという考え方に変わりました。
腕の根もとである肩甲骨から寄せる意識をしたほうがバーを身体の近くにキープするのは容易です。
広背筋を使って腕だけでバーを近くにキープしようとするのは大変だし、広背筋だけではなく上腕三頭筋にも負荷がかかって、攣りそうになることもあります。
また、肩甲骨を寄せておくことで、腰が曲がりづらくなるので、より健康的なフォームでRDLを実施しやすくなります。
さらには、肩甲骨を寄せる筋力を鍛えることもできるので、それが肩周りの可動域向上にも繋がります。
グリップ
オルタネイトグリップは通常RDLでは使いませんと言っていましたが、今は使ってもいいと思っています。
ただ、個人的にはできる限りダブルオーバーハンドグリップでいけるところまでいく方針です。
そのうえで、ダブルオーバーハンドグリップでバーを保持できなくなったら、ストラップを使うかオルタネイトグリップに変えるか、どちらかを選択するようにしています。
握力が必要な競技であればオルタネイトグリップを選択し、握力が必要ない競技であればストラップを使ってもらいます。
プログラミング
RDLで指定するレップ数として、5・8・10・12レップとしていましたが、今では3レップを使うこともあります。
RDLがアシスタンスエクササイズという意識は変わりませんが、他のアシスタンスエクササイズと比べると、メインエクササイズに近いので、3レップで高重量を使うのもアリです。
ただし、フォームを犠牲にしてでもより重い重量を挙げようとするのは当然NGです。
RDLを実施する目的、効果について
2013年の記事ではRDLでケツを鍛えることができると述べましたが、今はケツへの刺激はそれほど大きくないと考えています。
この変更点はすでにブログ記事として書きました。
RDLのメインの効果・目的は、ハムストリングの柔軟性&筋力の強化です。
それにプラスして、肩甲骨を寄せる筋力や腰をビシっと伸ばしておく筋力も鍛えることができる、というのが現在の私の考えです。
まとめ
以上の変更点を踏まえて、私が現在やっているRDLのフォームを動画でお見せします。参考にしてください。
RDLは一般のアスリートにとっては、とても「使える」エクササイズです。
私が新しいクライアントの指導を始める時、1番最初に教えるエクササイズのうちの1つです。
また、トレーニングビギナーだけでなく、トレーニング上級者になってもずーっと使い続けることのできるエクササイズです。
ぜひ、適切なフォームで実施して、その効果を最大限享受してください。
私が影響を受けたGS Performance加賀さんのRDLに関する記事をご紹介しておきます。そちらも参考にしてみてください。
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【編集後記】
昨日はチキンを食べました。