#91 『高重量✕低レップ』:持久系アスリートに対してレジスタンストレーニングを処方したり指導したりする時のフィロソフィー⑥

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Triathlon swimming

 

まだまだ続きます。

 

 

第6条「高重量✕低レップ」

持久系アスリートだからといって、筋持久力を高めるために1セットあたり50レップとか100レップとかやらせるような事はしません。この辺りの話はこちらのブログ(外部サイト)を読んでみて下さい。

私はまったく同感で、持久系アスリートに対しても、高重量を用いて最大筋力を向上させる事のほうが筋持久力を高めるよりも効果があると考えています。

また、1セットあたりのレップ数を低くする理由の1つに筋肥大をできるだけ抑えるという事があります。持久系アスリートの多くは体重の増加を嫌いますから。そもそもレジスタンストレーニングと持久系トレーニングを同時期に実施すると、レジスタンストレーニングの効果(例:筋肥大)が阻害されるという現象があるので(詳しくはこちら)、持久系トレーニングをガシガシやっている持久系アスリートが過度な筋肥大をするというのは考えづらいですが、1セットあたりのレップ数を低く抑えておけばさらに安心です。

また、それ以外の理由として、1セットあたりのレップ数を低く設定する事によって、正しいフォームを維持できるのでセットの質を高める事ができるというのもあります。この考え方についてはすでにこちらこちらで詳しく説明済みです。

以前のブログでは主にトレーニング初心者に対しては低レップで実施すべきという論調で書きましたが、持久系アスリートの大多数はレジスタンストレーニングについては初級者だと思うので、この考え方がそのまま当てはまります。

ちなみに、じゃあ具体的に1セットあたり何レップくらいで実施するの?という話になります。ガイドラインとして以下の数字を上げておきますが、あくまでもガイドラインです。

  • クイックリフト系:3レップ以下
  • メインバーベルエクササイズ(例:スクワット、ベンチプレス、デッドリフト):5レップ以下
  • 上半身の自体重エクササイズ(例:腕立て伏せ、懸垂):10レップ以下
  • 片側性エクササイズ:8レップ以下
  • それ以外のアシスタンスエクササイズ:場合に応じて決定

ご覧頂ければわかるように、いわゆるバーベルを用いて比較的高重量を使える多関節エクササイズ(クイックリフトとメインバーベルエクササイズ)は1セットあたりのレップ数は低めです。

一方、その他のエクササイズについてはそれほど低くないという印象を持たれるかもしれません。腕立て伏せや懸垂については、まずは正しいフォームで自体重10レップできるようになるのが最優先で、そこまで筋力がついたら外的な負荷を加えていくという方針です。個人的な経験から、これらのエクササイズについては5-10レップの範囲で実施するトレーニングが8-9割くらいで良いかな〜という感覚があります(時には他のレップ範囲でやってもいいでしょう)。

片側性エクササイズについても、あまり1-3RM等の高重量を低レップ数で実施するよりも、そこそこのレップ数(例:4-8レップ)の範囲でトレーニングする事が多いです。

また、それ以外のアシスタンスエクササイズについては、必要に応じて高レップ数でやる事もあります。例えばカーフレイズは20-30レップでやったりします。 

なので、「高重量✕低レップ」がバッチリ当てはまるのは、いわゆるメインエクササイズで、アシスタンスエクササイズは必要に応じて少し多めのレップでやってもいいのかな〜と思います。そこはS&Cコーチのさじ加減です。

ただ、やはりトレーニング効果が一番高いのはスクワットやデッドリフト等のメインエクササイズなので、それらのエクササイズに対しては基本フィロソフィーとして「高重量✕低レップ」を適用するという方針は変わりません。

 

以上、第6条でした。まだまだつづく・・・

 

 

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