拙著「ピーキングのためのテーパリング −狙った試合で最高のパフォーマンスを発揮するために−」の発売から1年が経ちました。
以下は1年前のツイートです。
ブログ更新しました。
#505 初の著書「ピーキングのためのテーパリング」本日発売です! https://t.co/XvkK0RzWjA
— 河森直紀 Naoki Kawamori (@kawamorinaoki)
発売当初は、Amazonで予約していただいた方になかなか発送されなかったり、在庫がない状態が続いたり、とさまざまなトラブルもありました。
そんな中、私の周りで拙著を読んでくれた方々から、「読んだよ!」とフィードバックをいただく機会もあり、書いてよかったな〜としみじみと感じています。
拙著に対する私自身の想いの変化
拙著を読んでいただいた方々からフィードバックをいただくうちに、拙著に対する私自身の想いというか捉え方にも変化がありました。
具体的には以下の4つの変化です:
- 変化①:S&Cコーチやアスレチックトレーナーだけでなく、競技コーチに読んでほしい
- 変化②:専門知識のないアスリートにも読んでもらえる
- 変化③:重要な試合前のテーパリングだけでなく、コンディション調整の基礎的な考え方を学べる
- 変化④:想定したよりページ数が少なかったけど、逆にさらっと読みやすい
変化①:S&Cコーチやアスレチックトレーナーだけでなく、競技コーチに読んでほしい
「ピーキングのためのテーパリング −狙った試合で最高のパフォーマンスを発揮するために−」を書き始める前に、出版社の編集者さんと打ち合わせをしました。
その段階では、読者のターゲット層としては、トレーナー(S&Cコーチ、アスレチックトレーナー)や体育系学生といった、多少のスポーツ科学の基礎知識がある人を想定していました。
実際に、そのような層の方々に多く読んでいただいている実感もあるので、狙いは間違っていなかったと思います。
その一方で、「われわれのような専門家だけでなく、競技コーチにこそ読んでもらいたい・知ってもらいたい内容だ」というフィードバックをいただくことが多くありました。
たしかに、練習スケジュール全般を計画する責任者である競技コーチがテーパリングについての理解に乏しければ、体力面での専門家がどれだけテーパリング計画を練ったとしても、成功させることは困難です。
理想は、競技コーチにもある程度のテーパリングの基礎知識を身につけてもらったうえで、専門家であるS&Cコーチ等に相談をしてもらいつつ、全体のテーパリング計画を練ることです。
したがって、当初は専門家に読んでもらって知識を深めてほしいという想いから書き上げた本ではありますが、今では、できるだけ多くの競技コーチにも読んでいただきたいと考えるようになりました。
変化②でも詳しくお話しますが、スポーツ科学の専門知識のない競技コーチに読んでいただいても、理解しやすい内容になっているという確信もあります。
変化②:専門知識のないアスリートにも読んでもらえる
すでに述べたように、もともとはトレーナー(S&Cコーチ、アスレチックトレーナー)や体育系学生といった、多少のスポーツ科学の基礎知識がある人を想定して書いた本です。
しかし、私がトレーニング指導を担当しているアスリートが購入してくれて読んでくれたのをキッカケに、「専門知識のない人にも理解してもらえるかも」と思うようになりました。
また、Amazonのレビューを見ていても、「わかりやすい」「知識のない人にも参考になる」等のコメントが見られました。
自分なりにわかりやすく書いたつもりではありましたが、実際にどのくらいわかりやすく仕上がったのかは、自分ではわかりません。
しかし、発売後、徐々にフィードバックをいただくようになり、今では、専門知識のない人に読んでいただいても理解してもらえるくらいわかりやすく書けていると確信しています。
であるならば、競技コーチだけでなく、アスリートにも読んでもらって、自分自身のピーキングの成功率を高めるのに役立ててほしいと今では思っています。
アスリート自身の競技成績・競技人生なので、すべてをコーチやトレーナー任せにするのではなく、自分で責任を持つためにリテラシーを高めることも大切です。
» 参考:【アスリート向け】アスリートも「トレーニング情報リテラシー」を身に付ける必要があるのでは?
変化③:重要な試合前のテーパリングだけでなく、コンディション調整の基礎的な考え方を学べる
「重要な試合に向けてのコンディション調整で失敗して、自分の力を発揮できず、後悔をするアスリートを一人でも減らしたい」
そんな想いで書いた本です。
したがって、重要な試合に向けての最後の数週間のコンディション調整(=テーパリング)にフォーカスして、解説をしました。
その過程で、テーパリングのメカニズムを理解するために避けて通ることのできないコンセプトである「フィットネスー疲労理論」についても説明を加えました。
この「フィットネスー疲労理論」についての解説が意外に好評で、テーパリングだけでなく、トレーニングにおける適応と疲労、コンディション調整等の全般についての基礎的な考え方を学べる!というフィードバックをいただくことがありました。
「フィットネスー疲労理論」については、本ブログでも取り上げていたトピックですが、本を書くにあたり、そのブログ記事をさらに発展させて、より詳しく・よりわかりやすく書いたつもりです。
そして、確かに、このコンセプトはトレーニングに対する考え方を深めるという点でとても重要で、これを理解するだけでも本書を購入して読むに値するほどのものです。
テーパリングにはとくに興味がない方であっても、トレーニングやコンディション調整の一般的な考え方に興味のある方であれば、参考になる内容に仕上がっているはずです。
変化④:想定したよりページ数が少なかったけど、逆にさらっと読みやすい
結構苦労して書いたつもりだったのですが、書き終わってみると、それほどページ数が多くならなかったな〜と感じました。
また、発売前に献本ということで、本の形に仕上がったものを送っていただき、手にとった時は「あれ、思ったよりも薄いな〜」という感想を持ちました。
もっと書く内容をひねり出して、ページ数を増やして分厚い本に仕上げないとダメだったんじゃないか、と不安になりました。
しかし、発売されて、読んだ方のフィードバックをいただくと、分厚すぎずにサクッと読めるのが逆に好評だったようで安心しました。
また、ページ数が少なかったぶん、値段もお手頃な感じになり、より多くの方に手にとっていただきやすくなったと思います。
ただ長く書けばいいってもんじゃないんだな、と勉強になりました。
まとめ
自分が書いていた時に想定していたよりも、より多くの層の方に読んでいただきたい、そして理解していただけるくらいわかりやすく書けている、という想いに変わりました。
気になっているけど、まだお読みになっていない方がいらっしゃいましたら、ぜひお手にとってみていただければと思います。
わかりやすいし、サクッと読めるし、何より役に立つはずです。
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【編集後記】
先日、娘が産まれまして、出産に立ち会いました。陣痛が始まってからずーっと付き添いましたが、女性って強いな〜と圧倒されました。