主観的な文章と科学的知見に裏付けされた文章
ブログやツイッター等、ネット上でトレーニングについて意見を発信する時には、必ずしもそれが科学的知見にもとづいている必要はありません。
学術論文を書いているわけではないので、個人的な経験をもとにした100%主観的な意見を発信したって問題ないのです。
その一方で、自分の発信している意見を裏付けるために学術論文を引用する人も存在します。
そういう類の文章を読むと、「そこまでする必要ないのに、わざわざやるなんて、あなた偉いわね」って感じで好感を持ちます。
主観的な文章と科学的知見に裏付けされた文章。
どちらが良い悪いの問題ではなく、読むときにどちらのタイプの文章なのかを把握しておくと、混乱が起こりづらいだろうということです。
科学的知見を引用する時は出典を明記
自らが発信している意見の正当性をサポートする科学的知見が存在するのであれば、そのことを示すために学術論文を引用することは、その意見の信頼度UPに繋がるので良いことだと思います。
私自身、「私はこう思います。私の考えをサポートする科学的知見も存在します。」というタイプの文章を書くときがあります。
そして、そういう場合は出典を明記するよう意識しています。
ここで言う「出典を明記する」とは、興味を持った読者が引用元の学術論文を検索して読めるように、その学術論文のウェブサイトへのリンクを提供したり、雑誌名・出版年・著者名・タイトル等の情報を書き記しておくことを指します。
出典を明記する理由としては、自分の意見の正当性を訴えることもありますが、もうひとつ、読者自身がもとの論文を読んでチェックできるように情報提供をしておく、という意図もあります。
たとえば、「◯◯ということが研究によっても証明されています」と書いておきながら、その研究の出典が明記されていないと「本当に研究によって証明されているのか?」「いったいどの研究結果によって証明されているのか?」と疑われてしまうかもしれません。
さらに言うと、「本当は研究によって証明されていないのに、あたかも研究のお墨付きを得ているように見せるために嘘をついているのでは?」とも思われかねません。
したがって、情報を発信する側として、学術論文を引用して「科学的知見によってサポートされています」と言う場合は、出典を明記しておくことが最低限のマナーであると考えています。
読む側としては、引用された学術論文をチェックしたほうがいい
逆に、情報を受け取る立場の時に、誰かが学術論文を引用して意見を発信しているのを見かけたら、「本当にこの研究結果からそんなことが言えるのか?」という批評的な精神を持って、もとの学術論文を読んでチェックするよう心がけています。
というのも、「いやいや、この研究結果をもってして、あなたの主張を裏付けることはできないでしょう」という場合がありうるからです。
情報の発信者が、自分の意見を裏付けることができないような学術論文を引用してしまう理由には、いくつかのパターンが考えられます:
- 発信者の勘違いやケアレスミス
- 発信者が学術論文を正確に理解する能力が不足している
- 自分の意見に正当性があるように見せかけるため、テキトーに学術論文を引用してみた
単純な間違いであるケースや能力不足のケースに加えて、悪意を持って科学的知見という言葉を利用する人が一部いるのも残念ながら事実です。
したがって、誰かが学術論文を引用して意見を発信していたら、引用元の学術論文を自らの目で確かめて、そのような主張が研究結果によって本当に裏付けられているのかをチェックしたほうがいいでしょう。
まとめ
情報をインプットするときには、「本当に正しいのか?」という疑いを持ちながら情報の取捨選択をするのが大切です。
誰かが学術論文を引用していた場合は、もとの学術論文をチェックしたほうがいいでしょう。
そして、もとの学術論文を読んで、情報発信者の主張がその研究結果によって裏付けられているかどうかを判断するには、やはりS&Cコーチ自身が論文を読む能力も必要になります。
より良いインプットをするために、論文を読むことにぜひとも取り組んでいただければ。
動画 論文の読み方
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【編集後記】
Kindleで北斗の拳を読んでいます。
面白いですが、アニメも観たくなりました。