#843 メゾサイクルにおいて、疲労は蓄積していき、筋肉痛は軽減していく

 

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今週末の筋肉痛セミナーに向けて、プレゼン資料を見直しています。

すでに過去に何度か実施した内容のセミナーですが、最近始めた「科学的知見に基づくプログラムデザイン」シリーズ向けにリニューアルをしているのです。

筋肉痛に関する自分の知識の整理や見直しにも繋がっていて、講師である私自身、とても勉強になっています。

自分が作った資料を定期的に作り直すのは究極の勉強法だな、と実感しています。

 

 

筋肉痛について学んだ知識と現場での実際

筋肉痛セミナーの資料を作り直すのと同じタイミングで、シーズン終了後、1ヶ月ほどの休みを経てから、次のシーズンに向けてウエイトトレーニングを再開したアスリートを指導しています。

オフシーズンの始めは、今後に向けての土台をつくるイメージで、量の多いウエイトトレーニングを計画することが多いです。

具体的には、1セットあたり8-10レップやるようなプログラムです。

 

「しばらくウエイトトレーニングを休止したあとに再開する」とか「量の多いウエイトトレーニングを実施する」といった、筋肉痛が発生しやすい状況なので、セミナー資料を作り直しながら整理した筋肉痛に関する自分の知識と、目の前のアスリートに発生している筋肉痛とを照らし合わせることができて、非常に興味深いです。

痛みというのは、個人的で主観的なものなので、本人に尋ねてフィードバックをもらいながら確認をしていますが、今のところは科学的知見をもとに予想したとおりに筋肉痛が出ています。

「筋肉痛について知識を深めておけば、筋肉痛になりやすいタイミングや筋肉痛の程度がどう変化していくのかを予想したりコントロールしたりできる」ということに自信を深めているところです。

 

 

メゾサイクルにおいて筋肉痛は軽減していく

私がウエイトトレーニングのプログラムを作るときには、平均4週間の「メゾサイクル」を1つの単位として計画しています。

で、ある程度の筋肉痛についての知識を持っていると、メゾサイクルの中で筋肉痛がどのように発生するかがだいたい予想できるようになります。

おおざっぱに言うと、1週目に最も筋肉痛になりやすく(筋肉痛の程度も大きくなりやすく)、メゾサイクルが進むにつれて次第に筋肉痛になりづらくなっていく(筋肉痛の程度が小さくなっていく)、という形です。

※「おおざっぱに」と但し書きをつけたのは、メゾサイクルのプログラム内容次第では、このパターンが当てはまらないこともありうるからです。

ようするに、メゾサイクルにおいて筋肉痛は次第に軽減していくのです。

これには「repeated bout effect」と呼ばれる身体のしくみが関係しています。

 

実際に、上述したアスリートに対しても、量の多いウエイトトレーニングプログラムを4週間に渡って実施してもらっていますが、1週目こそバッキバキの筋肉痛が発生したものの、次第に身体が慣れて筋肉痛が軽減されていく、という予想通りの経過をたどっています。

そのような予想についてはあらかじめアスリートにも伝えてあったので、「ほら、俺が予想したとおりになったでしょ!!」なんてドヤ顔をしているところです。

筋肉痛についての知識を深めておくと、アスリートや競技コーチとのコミュニケーションにも使えて、「河森さんの予想したとおりなった、すごいな!!」と思わせることもできます。

信頼を得るための1つのツールとしても役に立つ知識なわけです。

逆に言うと、筋肉痛になってほしくないタイミングでなってしまうとアスリートや競技コーチからの信頼を失いかねないので、それを防ぐために使える知識でもあるのです。

 

 

メゾサイクルにおいて疲労と筋肉痛は真逆の傾向を見せる

メゾサイクルが進むにつれて筋肉痛が軽減していく一方で、疲労はどんどん溜まっていきます。

上述したアスリートも、「だんだん身体が慣れてきて筋肉痛にはならなくなってきたけど、疲労が抜けきらず蓄積している感じがあります」と感想を漏らしています。

とくに量の多いウエイトトレーニングを実施している場合は、そのような傾向が顕著にみられます。

 

一般的に、「疲労」と「筋肉痛」はひとまとめに仲間として認識されることが多いかもしれません。

どちらも、トレーニングをすることで発生する「急性のマイナス効果」であり、筋肉痛がでやすいトレーニングと疲労が溜まりやすいトレーニングの内容もだいたい一致しているからです。

しかし、1つのメゾサイクル内で「疲労」と「筋肉痛」がそれぞれどのように変化していくのか、という点については真逆の傾向がある、というのは興味深い気づきでした。

 

過度の筋肉痛を避けるためには、最も筋肉痛が発生しやすいメゾサイクル1週目のトレーニングを軽くするのが良いかもしれません。

一方で、過度の疲労の蓄積を避けるためには、最も疲労が溜まりやすいメゾサイクル最終週のトレーニングを軽くするのが良いかもしれません。

しかし、メゾサイクルの1週目も最終週もトレーニングを軽くしてしまうと、しょっちゅうトレーニングを軽くすることになってしまい、メゾサイクル全体のトレーニング効果が低下してしまう恐れがあります。

そのあたりの「トレーニング効果」「筋肉痛」「疲労」のバランスをとることが大切ですが、難しいな〜と感じます。

時期によっても最適解は変わるでしょうし、競技練習との兼ね合いでも最適解は変わるでしょうし、個人差もあるでしょう。

筋肉痛だけでなく、他にもさまざまなトピックについての総合的な知識が必要になり、さらにそれらの知識をもとにして目の前の状況やアスリートにとっての最適解を導くために自分の頭で考えることができる思考力も求められます。

まさにプログラムデザインはS&Cコーチの総合力が試されるところです。

 

 

まとめ

メゾサイクル内で疲労と筋肉痛は真逆のパターンで変化していく、という気付きが興味深かったので、ブログ記事として書き残しました。

筋肉痛や疲労についてある程度の知識がある人にとっては、考えてみれば当たり前のことなんですけど、恥ずかしながら私はつい最近気づきまして「おお!!反対じゃん!!」とちょっと感動してしまいました。

たまたま筋肉痛セミナーに向けて資料の見直しをしていて筋肉痛について私が敏感になっていたタイミングで、筋肉痛がでるようなトレーニングプログラムを実施しているアスリートを指導していたから発見できたことかな〜と感じています。

いわゆる「セレンディピティ」ってやつですかね?

今後もそんな発見に偶然出会った時に「おお!!これはすごい発見だ!!」と気付けるように、アンテナをはっておきたいものです。

動画 筋肉痛

 

 

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【編集後記】

アップルウォッチをしているんですが、いまいち使いこなせていない気がして、今後どうしようか考え中です。

24時間腕時計をつけっぱなしにしておくのが嫌なので、外出時しかつけないんですよね。

左腕につけてるから、駅の改札でSuicaをタッチするとき腕をクロスしないといけないのも面倒くさいし。

ちょっと前までは、マスクをつけていてもアップルウォッチをつけていればiPhoneのロックを解除することができるというメリットがあったのですが、今はマスクつけっぱなしでもFace IDでロック解除できるし。

悩みどころです。